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記事一覧

【詩】秋の夜長

苦しむこともなく 陽は沈むように見えたが その暗がりに 僕は何も愛するものがなく 不穏に波…

【詩】無機質な夜

光も行かない深い堆積のうえで  焦燥に縫われた足元を見れば 無機質な舗装があるのだと  そ…

【詩】卑し子

仄めいた!(ああ しかし夜・・・・・) カラフルに縁取られた街々が さも酒宴のように酔えば 目に…

【五行詩】村の夕暮れ

村の夕暮れ 濃緑の暗くして 月白がまた 心を傾ける 僕に 深い森のなかに 弱々しい光の粒を…

【五行詩】川瀬をゆく紅葉が

川瀬をゆく紅葉が ただひとつの 取りこぼした色彩のように 恋しい ―― 早朝は灰に霞み せ…

【五行詩】夏の夕暮れに肌寒い風が

夏の夕暮れに肌寒い風が 雨やら嵐やら この上によこす (ああ ピアノが聞こえない) すると…

【散文詩】宵と灯(序)

朝は来るようです。東の空に赤らんだ雲の、その頬の丸みに、僕は幾何学的な魅力を感じています。やわらかな形は次第に小さな礫になって、それは僕が捨てた宝石の欠片のように綺麗でしょう。まだ薄暗い森の中に、虫の声も葉の音も響き過ぎると、僕は森の入り口に立って、それを〈春の嵐〉と形容しましょう。さて、薄明るい時分の拍動に、僕は耳を浸しています。雪のように白々とした陽射しが、森の奥深いところのひとつの新芽を弾いています。僕は温かい気持ちになって、ゆっくりと、透きとおった風を肺に吸わせると、

【五行詩】端子に繋がれた

端子に繋がれた 緑の色した血管に 散落する今日…… ざらざらと流れて 悪いものばかりに あれ…

【五行詩】忘れられた押し花が

忘れられた押し花が ふと  僕の指先に触れ 行間を流れて 落ちていく ああ  小さな僕の手は …

【五行詩】夏をゆく音楽は

夏をゆく音楽は   しばらく 朝のようにして   優しく しかし    僕は四季に伏して...... …

【詩】逡巡する春

風の騒ぐ 夜のひとときは 早咲きの海棠が ただ優しく 今を過ぎて…… そこに昏い影が ひと…

【詩】夜の淵に

身をもたす夜の淵に 窓辺の良い空気が ささめく夢の一切れを 優しくふるわせて 僕の泉に 淡く…

【詩】序の詩

ここに散った 言葉の徒然は 海棠に零れた 花のひとひらです ここに散った 言葉の徒然は 石…

【詩】夢のなかに

やがて空を見上げ ひとを呼ぶ声が 葉擦れのように騒いでいる それは赤色矮星の瞬く間に うつらうつらした 僕の見た夢 煙草をくゆらす 林道に馴染み 結露した夜の 不純な吐息が ただ 冴え冴えとしている ひとつの街灯に垂れ下がる 人肌恋しい光束よ お前は僕に今を充てがう 標もなく 懐かしい匂いばかりが 過ぎていく 景色は佇むばかり・・・ 雲は低く 僕の鼻先を掠めた ああ 郷愁が瞳のなかに ひとすじの光のように 弱々しく 佇むばかり・・・ うつらうつらした 僕の見た夢