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【著作権の基本3】二次的著作物、編集著作物も著作物にあたる

「インターネットによって広がる問題」で触れたもののほかにも著作物として取り扱われるものがあります。代表的なものについて触れていきます。

二次的著作物

もともとの著作物を基礎として新しい著作物を作ることがあります。
たとえば、ある著作物を翻訳したり、編曲したり、脚色したり、原作を映画化したりが考えられます。こうして作られた新たな著作物を二次的著作物といい、これはこれで保護することにしました。

著作権法は二次的著作物について以下のような条文を置いています。

第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

条文にするとマジでよくわかんないですね。

一応説明すると、新しくできた著作物(二次的著作物)は、別個の著作物として保護の対象となるということです。その上で、二次的著作物の利用には、元の著作物の著作者(原作者)の承諾が必要だということがこの条文では書かれています。

編集著作物

著作権法には以下のような条文があります。

第十二条 編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。

つまり「選択又は配列によつて創作性を有するもの」は、編集著作物として、別個の保護の対象となります。
たとえば、新聞とか雑誌とか、図鑑とかです。その中身自体に著作物が含まれる場合も含まれない場合もあります。

素材それぞれはもちろん著作物として保護の対象になりますが、それだけではなくて、それらの集合体として編集されたものも編集著作物として保護の対象となるということです。

データベースの著作物

さらに「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」(第十二条の二)として、これも著作物とすることにしました。
各種データベースがそれにあたりますが、中に入っている情報が有用かどうかではなくて、あくまで、データベースの見出しだったり並べ方だったり、表示の仕方が創作的かどうかという観点で、著作物性が決まることになります。

著作者と実演家

著作権法において、「著作者」となる人は「創作した人」です。
他方、著作物を創作していなくても、著作物の伝達に重要な役割を果たす人々がいます。作られた曲は歌い手が必要ですし、振り付けのある曲には踊り手が必要です。

著作権法では、こうした、著作物を演奏したり踊ったりする人々を「実演家 」(じつえんか)と言ったりし、さらに実演家など著作物を伝達する人々が持つ権利を「著作隣接権」として保護することにしました。
録音、録画する権利や、レコード(音源化)する権利等が定められています。

著作隣接権を持つ人々

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実演家の権利

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レコード製作者の権利

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放送及び有線放送事業者の権利

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▼出典
『駆け出しクリエイターのための著作権Q&A』
(川上大雅・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資



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