アウトプット

【1日1冊】天才をささえる人 / 天才の思考 高畑勲と宮崎駿(著)鈴木敏夫

こんにちは。

本日は、「天才の思考 高畑勲と宮崎駿(著)鈴木敏夫」を読みました。そして、天才・才能に関する本「天才を殺す凡人(著)北野唯我」を読みながら、「天才」について考えました。

本書は、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏がジブリ19作品の制作において、「二人の天才」と、スタジオジブリを支えるたくさんの人たちとについて書かれた本です。スタジオジブリ作品が好きな人は制作の裏側を知ることで楽しむことができると思いますし、日本を代表する作品を制作した現場を学ぶ上でも参考になる本だと思います。

コンテンツを生み出す苦悩

宮崎駿監督、高畑勲監督の両監督は、日本を代表する作品を数々生み出しています。ただ完璧主義のお二人は良い作品は作るが、「組織」と「スタッフ」をガタガタにするとあります。

最初のエピソードとして、「風の谷のナウシカ」は、「宮崎駿監督は良い作品は作れるが、会社とスタッフがガタガタになる」という理由で、制作会社は引き受けてくれない。そして、なんとか旧知の縁もあって、トップクラフトという制作会社になんとか依頼することができますが、そのトップクラフトも、主要メンバーは映画完成後に一斉に辞表を提出し、会社が名前だけになってしまいます

そして、完成後、宮崎駿監督は、「監督は二度とやりたくない」と言っています。これは友達が失っていくのがつらすぎたからですとありますが、監督は決してコンテンツを生み出すことしか見えないわけではなく、生み出すコンテンツに真剣に向き合う中で、そのようになった苦悩を抱える人だということがわかります。

天才の視座の高さ

高畑勲監督は、「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「かぐや姫の物語」などの作品の脚本・監督を務められていますが、本書では、映画制作を依頼されればほとんどが最初は断っています。

そして、「なぜ、その作品を自分が作らなければならないのか」ということを毎回問います。この問いは、1回や2回の打ち合わせという話ではなく、半年ほど続き、制作がはじめられることはありません。

高畑勲監督は、上記のように自分から作品を作りたいということを主張することはあまりなかったようですが、「誰かが作るべき」という趣旨の発言はされていたようです。たとえば、狸にまつわる話、かぐや姫、平家物語など、日本固有の価値ある話として、作品にする必要があると。

これは自分の視点ではなく、業界や日本という高い視点でものを見ることの天才の視座だと感じます。(ただ自分が作るとはいいませんがw)

天才をささえる凡人・秀才

本書では、宮崎駿監督の感情的な面や厳しい側面が書かれています。作品を作ることに真剣に向き合っているけれども、会社やスタッフに対して、決して良い環境ではないと感じます。しかし、鈴木敏夫プロデューサーや、ジブリのスタッフなどが支えてくれたおかげでなりたっています。
それは献身的な支援だけでなく、時には、相手の企画を否定したり、シーンを削除したりするのことで、現実との絶妙なバランスをとっているように思えました。

天才を殺す凡人では、天才、秀才、凡人に分類されていますが、宮崎駿監督、高畑勲監督はまさに「天才」タイプ。そして、繰り返し作品を作る力であったり、一般の人たちに認められている共感力があることから、秀才や凡人としての能力も発揮されています。

しかし、作品を生み出すことには、天才的な才能を発揮しますが、それ以外の組織のスタッフに関する問題や、予算管理、販売などについては、価値観の軸が異なるため才能を発揮しません。

そういう「天才」を、鈴木敏夫プロデューサーやスタッフが、「最強の実行者」であり、「共感の神」ということで支援することで創造的な作品が生み出すことができたと感じました。

本日のメモ

ようやくアウトプットができました。読んだ本が増えているので、早くアウトプットしなければ。これからは朝の時間を固定して書くようにします。

---
Twitter でも、プロジェクトマネジメント x リモートワークのノウハウと本について、つぶやいていますので、よろしければ繋がってください。

https://twitter.com/kajyou

支援は、コミュニティ研究の取材、サービス開発などに費用にあてさせて頂きます。