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After コロナのあるべき姿勢 / コロナ時代の僕ら

コロナ時代の僕ら」は、イタリアの作家、パオロ・ジョルダーノ氏によって、2月29日から3月後半までに綴られているエッセイです。著者は、ベストセラー作家であり、物理学博士号をもっており、ウィルスに対しての冷静な判断をもちながら、倫理的にどうあるべきかが語られています。

緊急事態宣言が解除されたあとにこそ、みんなが意識するべき、これからのあり方だと思いますので、必読の一冊だと思います。


特に日本語版発売に際して追加された最後の章がこころに残りました。
*こちらの章のみ全文公開されていましたので、ぜひ読んでみてください。

世界はつながり、自分がドミノの1枚目になる

僕が、今回のケースに対して、当初、楽観的に考えていたことを忘れてはいけないと思いました。世界で起きている感染症が、自分の身の回りに迫ってくることを考えもしませんでした。オーストラリアやアマゾンの森林火災も対岸の火事のように見つめています。

しかし、今回のコロナにより、世界はつながっていることをリアルに体感しました。中国で起きたことが一瞬で世界に広がり、各国の中でも予想もしない拡大をしました。

自分の行動が、1枚目のドミノになることさえあるという意識をもつ必要があると感じました。

僕は忘れたくない。結局ぎりぎりになっても僕が飛行機のチケットを1枚、キャンセルしなかったことを。どう考えてもその便には乗れないと明らかになっても、とにかく出発したい、その思いだけが理由であきらめられなかった、この自己中心的で愚鈍な自分を。

引用:コロナ時代の僕ら

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フェイクニュースと「不安」が社会を崩壊させる

コロナと関係ないとわかっているのに、トイレットペーパーやティッシュペーパーが店からなくなりました。

「流れ」というのは怖ろしいと感じました。多くの人は、「コロナ」と「トイレットペーパーの生産減少」に因果関係がないことは知っていました。

しかし、「フェイク」だとわかっていながらも、必要なときに買えなくなるリスクを恐れて、必要でなくとも購入してしまい、必要なひとに届かないという状況を作り出しました

「不安」ということが、人間を突き動かし、社会のバランスが崩れることで、影響のなかった部分まで壊れてしまうというのは、いかにこの社会が不安定な中で成り立っていたのかを考えさせられます。

ここでも、その「流れ」を生み出す一人にならないように、自分自身がどう行動するかというのが重要になってくると感じました。

僕は忘れたくない。頼りなくて、支離滅裂で、センセーショナルで、感情的で、いい加減な情報が、今回の流行の初期にやたらと伝播されていたことを。もしかすると、これこそ何よりも明らかな失敗と言えるかもしれない。それはけっして取るに足らぬ話ではない。感染症流行時は、明確な情報ほど重要な予防手段などないのだから。

引用:コロナ時代の僕ら


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社会崩壊させないために、考える

TED で、有名な「社会運動の起こし方」というリーダーに続く2人目の重要性を説く動画があります。

しかし、今回問われた問題は、このトレンドを作らないための「思考力」だと感じました。「不安」というものが生み出している突発的な流れに乗ることは、この社会を崩壊させることにつながっています。

安易に流れにのるのではなく、自分自身の行動がどういう「流れ」に乗っているのかをちゃんと考えていくべきだと感じました。
このことをAfter コロナと呼ばれる、コロナウィルスの感染が収束したときにも持ち続けなければならないと思います。

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