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業界破壊企業の傾向と「ハッピーイノベーション」(業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち)

・2019 CNBC ディスプラスター50(うち20社)
・イノベーションの源泉となる「プラットフォーム型」「ビジネスモデル型」「テクノロジー型」
・コロナショックで加速する「ハッピーイノベーション」

上記は、「業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち(著)斉藤 徹」に掲載されてる内容になります。

本書は、「2019 CNBC ディスプラスター50」に掲載されている50社のうち、20社を紹介しています。

「ディスプラスター」とは、「ディスラプト(破壊する)企業」ということです。イノベーションにより業界の地図を一変させてしまったスタートアップ企業をディスプラスターと呼ばれています。CNBC ディスプラスター50には、「Uber」や「AirAirbnb」も、2016年に1番目、2番目に選出されていました。

本書に記載されていますが、世界のイノベーション企業を、一気にざっくり知ることができ、著者が考える「ハッピーイノベーション」がこれからのスタートアップの潮流についての示唆を与えてくれます。


「イノベーション」とは何か?

「イノベーションのジレンマ(著)クリステンセン」で、新しい技術やアイデアで、既存の業界構造を破壊する、「破壊的イノベーション」として定義をしています。

そして、「破壊的イノベーション」を 価値創造タイプ と 価格破壊タイプ の2つに分類しています。価値創造タイプは、ソニーのウォークマンや、AppleのiPhoen 、価格破壊タイプは、ユニクロのフリースや、ZARA が該当します。

本書では、「価値想像タイプ」と「価格破壊タイプ」のイノベーションを書きの3つに分類しています。

・プラットフォーム型:顧客の需給を直接つなぐことで価値を創出
・ビジネスモデル型:ビジネスモデルを変更して新しい価値を創出
・テクノロジー型:新しい技術により新しい価値を創出

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紹介されているディスプラスター 企業

本書で紹介されているディスプラスター企業リストです。

これだけの企業をざっと知りつつ、それぞれのイノベーションの源泉を解説されているので、自分たちの事業にどういかすかを考える示唆は得られます。

- Houzz(ハウズ):住宅のリフォーム・プラットフォーム
- SoFi(ソフィ):P2Pレンディングによる学生ローン
- Convoy(コンボイ):トラック輸送のマッチング
- DoorDash(ドアダッシュ):オンライン宅配
- Opendoor(オープンドア):不動産のオンライン売買
- Udacity(ユダシティ):オンライン教育
- Coursera(コーセラ):オンライン教育
- Progyny(プログニー):不妊治療サービス
- Peloton(ペロトン):在宅フィットネス
- Ellevest(エレベスト):女性向け投資顧問
- Thinx(シンクス):女性の生理用ショーツの販売
- Casper(キャスパー):オンライン寝具の販売
- Robinhood(ロビンフッド):手数料なしの株式売買サービス
- Virta Health(ヴァータ・ヘルス):糖尿病のオンライン診察
- Indigo Ag(インディゴ・アグリカルチャー):微生物による農業効率化
- Lanza Tech(ランザテック):微生物のガス発酵技術
- Apeel Science(アピール・サイエンス):食品コーティング
- Phononic(フォノニック):半導体による冷却機器製造
- Impossible Foods(インポッシブル・フーズ):植物を使った人工肉
- Synack(シナック):セキュリティ検査
- WeWork(ウィーワーク):シェアワークスペース
- Zipline International(ジップライン・インターナショナル):ドローンによる無人配送

ハッピーイノベーション

本書の最後で、WeWorkの問題(予想以上の赤字と不透明な会計処理)、新型コロナウィルスの影響で、スタートアップバブルは、崩壊しています。

著書は、今までの「ドットコムバブルの崩壊」「リーマンショック」などの経験、またCNBC ディスプラスター の傾向から、今後は、「スケールアップを目指した野心的な起業」ではなく、「幸せの連鎖を生むサスティナブルな起業」の到来を予想しています。

「幸せの連鎖を生むサスティナブルな起業」とは、「優しい気持ち」や「幸せな体験」あるいは「ワクワクの追求」を心理的エネルギーとして、人々の幸せを追求する新しい事業創造のことを指しており、それを「ハッピーイノベーション」としています。

ハッピーイノベーションの事例として、「Teach for America 」「Zipline International」「注文を間違える料理店」が紹介されています。

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「ハッピーイノベーション」が加速する

ハッピーイノベーションが増えていく要因として、などがあげられています。

・「共感」へのパワーシフト(暴力→富→知識→共感)
・コロナショックによる「ミレニアル世代」の影響力拡大

本書で書かれている「ミレニアル世代」の価値観は、自分自身の価値観とも合致しており、とても共感できる内容になっていました。

業界を破壊するイノベーションと、自分の内発的動機から生まれるイノベーションとどちらが自分自身にあっているでしょうか。改めて考えるきかっけをもらえる一冊でした。

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