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【1日1冊】全員参加する自由で強い組織をどう設計するか / 奇跡の組織 「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則(著)秦 卓民

こんにちは。

本日は、「奇跡の組織 「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則(著)秦 卓民」を紹介します。(セコムじゃないよ!)
本書は、「荒木博行のbook cafe/『奇跡の組織』秦さん対談」 で紹介されていた本です。

Voicy での対談を聞いて、「企業とコミュニティの中間にある会社」という印象をうけ、メンバーが個人での想いを尊重しながらも、チーム全体として活動するために、どう設計するかがわかるのではないかと思い読んでみました。

読書テーマ

「全員参加する自由な組織をどう設計するか」というテーマをもって読みました。

本書は、セムコスタイルインスティテュートジャパン代表 秦 卓民氏 が書かれている本です。セムコスタイルインスティテュートとは、ブラジルのコングロマリット企業であるセムコ社の経営スタイルのノウハウをコンサルティングパッケージにまとめて提供するコンサルティング会社です。

セムコ社とは、ブラジルで人気の会社であり、ビジネススクールでもケーススタディとして取り上げられているそうです。セムコ社CEOのリカルドセムラー氏の書籍が販売されており、ネット上でも本書で書かれているような経営手法が紹介されていました。

セムコ社の働き方と実績

下記が本書で紹介されている「働き方」です。

・組織階層がなく、公式の組織図が存在しない
・ビジネスプランもなければ企業戦略、短期計画、長期計画といったものもない
・会社のゴールやミッション・ステートメント(企業理念)、長期予算がない
・決まったCEO(最高経営責任者)が不在ということもよくある
・副社長やCIO(最高情報責任者)、COO(最高運営責任者)がいない
・標準作業を定めていないし、業務フローもない
・人事部がない
・キャリアプラン、職務記述書、雇用契約書がない
・レポートや経費の承認をする人がいない
・作業員を監視・監督しない

引用:奇跡の組織 「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則(著)秦 卓民

その上で、平均年間成長率が147%離職率が2%とあります。

セムコ社は、リカルドセムラーCEOの父親の代では、造船所向けのサプライヤーでした。その後、組織改革を行い、また事業の多角化、M&Aを行い、グループの従業員数が約3000人にもなるコングロマリットを築いたそうです。

参考情報)
・日本の3年後離職率ランキングは こちら
ソニー株式会社は、社員数2473人で、離職率3.1%
*日本でこの数値なので、(ブラジルはわかりませんが)アメリカではもっと離職率は高いと思います。(ソニーの海外グループの離職率は12.4%)

会社・仕事を自分ごと化する、5つの原則

セムコスタイルは、セムコ社の経営スタイルのノウハウと提供するサービスですが、セムコ社の働き方を各社に導入するという方法ではありません。働き方は各社にあった方法を探しながら、「社員が「自分の会社で働くのが最高!」といえる状態を構築していくこと」がゴールとなります。

その社員が会社や仕事 を 自分ごと化しながら、事業のパフォーマンスもあげるための方法として、セムコスタイルの5原則と15の柱を紹介しています。

セムコスタイルの5原則と15の柱

原則1:信頼
- 1. フィルターをかけない透明性
  - 情報をオープンにすることで、社員は効果的な意思決定を行い、行動を起こすことができる
 - 2. パワーギャップの縮小
  - 信頼関係を築く障害になっている一部メンバーへの「特権」を見直す
 - 3. 大人対大人
  - メンバーの思考を停止させている、ルールや制度をなくす

原則2:代替コントロール
 - 4. 自主自立
  - クリエイティビティを発揮してもらうために、メンバーを管理せず、サポートをする
 - 5. 官僚主義を取り払う
  - 管理部門での意思決定ではなく、情報を共有し、関係者で合意する
 - 6. シェアードコントロール
  - 組織や業務の運営に幹部社員だけでなく、関心のある全員が関与する

原則3:セルフマネジメント
 - 7. コミットメントのカルチャー
   - 個人の興味関心から個人/チーム目標を設定する、目標達成した分はメンバーへの還元を明確にする
 - 8. 同僚の力
   - 問題解決に居見のあるメンバーがチームを運営する
 - 9. 才能開発
  - 自分で興味関心のある組織運営、プロジェクトを立ち上げる

原則4:徹底的なステークホルダーアライメント
 - 10. 共通の土台
 - 11. 外 → 内 の視点
 - 12. 一貫性

原則5:創造的イノベーション
 - 13. クリエイティブスペース
  - イノベーションや実験が生まれるための物理的、心理的なスペースを確保する
 - 14. 箱の「中」で考える
  - 組織の中、自分の中にあるもので、実験を繰り返しイノベーションを生み出す
 - 15. 起業(独立)精神
  - アイデアを実現する

自分ごと化して、正しく行動させるための肝

セムコスタイルは、信頼関係をベースにしながら、管理体制を管理せずに、社員の個々人が活躍できるような環境を作る仕組みだと思います。

社員が「組織として正しい行動」ができる重要なポイントが2つあると思いました。

まずは、モチベーションの正しい設計ができることです。
セムコスタイルでは、個人の興味がある仕事、組織運営に関わることができますが、同時に業績で利益がでた場合には報酬を還元する仕組み用意しますイノベーション・オブ・ライフの「衛生的要因」「動機づけ要因」が同時に満たすことができる仕組みになるため、従業員は純粋に課題に取り組むことができます。


次に、情報を開示について、情報を開示するだけでなく、情報を理解できるようにスタッフをトレーニングしている部分です。
これは情報を開示していても、理解できていないということはよく起きていると思います。たとえば、業績を公開しているが、それがどういう意味をもっているかを理解できていない人は多いです。
組織として正しい行動をするには、「正しい行動とは何か」、「組織の正しい行動が自分とどうつながるのか」ということを理解しないと行動はできません。社員の理解力を向上させていくからこそ、新しい事業や組織運営に全員が関わってもらえるのだなと思いました。

本日のメモ

下記は実際に導入してみたいと思いました。

1情報の開示
2情報理解のトレーニング
3アライメントの機会・場の設定
4利益分配の仕組みを設計

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小倉 研太 / プロマネ x フルリモート
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