ふとした瞬間思い浮かべた
ふとした瞬間に思い馳せることがある。
何かを奪われたかのような、先を越されたかのような、そんな感覚に苛まれた時それに対する自分の感情をまざまざと痛感させられる。意識していないと思っていた事でさえ、瞬間的にその思いが突き刺さり、いつか抜ける頃には大きな穴が空く。まるでその風穴が思いが通り抜けるための門であるかのように。
そうやって僕らは体に沢山の穴を開け、塞ぎ、分厚くなっていく。その数だけ抜けた思いがいつの日か一点に集まって虚像と化する。それを僕らは不安と呼んだり、自信と呼ぶ。希望になり、未来になる。
そうやって未来を紡ぐことが僕達の生なのだ。生を切り裂き、ズタボロにして、また治す。そうやってまた分厚くなっていく。
そうして命を燃やした果てに僕達は何を見るのだろう。死とは何かと考えるが、今、生を燃やす僕には予想だにしない。天国か、地獄か。そのような言葉があるが、来たる死後は誰も知り得ない。ただ分かっているのは物体としてこの世に存在する僕がこの地球という世界から消え失せるだけである。
いつか無くなって土に還る。いつか記憶から忘れ去られ、歴史にさえ残らない。
でもそんな柔な存在と自覚しているにも関わらず僕は世に何かを残したいと思う。今の僕は本当に惰性で生きていて、足踏みを繰り返している。でも、その足踏みがいつか助走を紡ぎ、大きな歩幅に繋がる。さぁ行こう。未来を紡ぎに。大丈夫だ。遅れたって良いんだ。その感情を痛感している僕達はいつか魂を作り、ヒトを動かすんだから。
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