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国家公務員経験者採用試験 官庁訪問

経験者採用試験(事務係長級)の官庁訪問については、情報がかなり少ないです。試験の最終合格者自体が少ないので、予備校もここまでケアできるほどのマーケットではないということもあります。また、実際に採用された人は、現役の公務員なので守秘義務の関係から情報を発信しません。

ということで、最終合格したものの、結局採用には至らなかった筆者の情報もそれなりに有用かと思い記事にしました。

出願時の注意

二次試験会場で配布される書類に官庁訪問の案内があります。そこには採用予定府省が求める人材の記述に併せて、ABCの記号が書いてあります。

A 出願時に第一希望としている者の訪問を希望

B 出願時に第二希望までに記載している者の訪問を希望

C 出願時の希望は問わない

財務省、経済産業省、会計検査院はCですが、A又はBの府省も少なくないです。Aの府省は出願時に第一希望でないと門前払いとも解釈できます。なので、出願時の府省選びは慎重に行ってください。うろ覚えで恐縮ですが、農水省、公安調査庁辺りがAで、それ以外はだいたいBだったと記憶しています。

採用面接(一般論)

最終合格発表のその日のうちに予約を締め切ってしまう府省が多いので、9時に合格を確認したら直ぐに予約のメールか電話を入れましょう。

府省によっては、何回か訪問が必要な場合があります。複数訪問を予定している場合、1週間は休暇が取れるように仕事の調整をしておきましょう。

面接の質問内容は、事前に記入して提出する面接シートに沿って行われると思います。直接試すようなことはないと思いますが、志望府省の業務・政策の理解度が足りないとまず採用されないので、HPを熟読するのはもちろん、日頃から関連ニュースをこまめにチェックして自分の考えを整理しておくのがよいでしょう。面接シートに「最近気になったニュース」を記載する府省も多いかと思います。

なお、府省別の採用予定数が案内されていますが、これは上限と思ってください。必ずこの枠を埋める訳ではなく、多くの府省が実際には毎年採用0となっています。

採用面接(会計検査院)

筆者は会計検査院しか訪問したことがありませんので、ご紹介できるのはこちらのみです。

基本

会計検査院では、公認会計士又は公認会計士試験合格者しか訪問を受け付けていないと思われます(採用担当者メッセージからの推測)。

訪問1回目

面接はいずれも30分〜40分程度、1対1で面接シートに沿って行われます。

最初に人事課の副長又は総括副長(副長は他府省の課長補佐)と2回面接を行います。こちらで評価が悪くなければ、次は人事企画官との面接です。

面接の間の待ち時間は30分〜60分になるので、半日は潰れると想定しておきましょう。

人事企画官との面接が終わると、次回の訪問について説明があります。おそらく、次の人事課長面接(?)に進める場合は日時を指定されると思われますが、ダメな場合は「内定解禁日までに連絡がなかった場合は官庁訪問終了です」といった説明がされます。

訪問2回目

新卒向けの官庁訪問の最終面接者は人事課長で、形式的な意向確認でおわりということを考えると、経験者採用でも実質的には訪問1回目の人事企画官までで合否が決まっていると推測されます。

筆者は、訪問1回目の人事企画官で終了でした。

考察

総合職の経験者採用試験が始まってから5年以上経っていると思いますが、会計検査院の採用実績は1名にとどまります。

既に至るところで記事にしているように、筆者は公認会計士の任期付職員として採用された中の人でしたので、上記1名の方の年齢や出身大学も知っています。採用時の年齢は、新卒向けの国家総合職試験が余裕で受けられるほど若いです。出身大学はあえて言わなくても分かりますかね(笑)

翻って筆者は、当時30代後半でした。実は監査法人の同期入所の方も官庁訪問していましたが、同様に採用に至っていません。

ちなみに、筆者の会計検査院での人事評価(業績評価)は2年連続S(最高評価)でしたので、仕事ぶりは問題なかったと思います。というより、指摘して検査報告に載せた案件数は誰にも負けていなかったと思います。ある意味尖りすぎていたかもしれませんが…

ここから言えることは、公認会計士の経験はほとんど重視されていないということです。2,3年監査法人にいたくらいの方がマネージャーやってましたなんて人より好まれると思っても良いかもしれません。

余談

ここまで書いていいのかわかりませんが、当時の上司である課長が、これまた筆者を高く評価していただていた局長と一緒に何で筆者を採用しないのか掛け合っていたようです。退職後に当時の人事係長と飲む機会があったのですが、どうも人事課長よりも更に上のお達しで若い人しか採用しない方針であるようなことを聞きました(筆者が悟りました。念のため)。

この辺りの内部事情まで記事にしたのは、こういうことを知らないのってお互い不幸だと思うんです。最初から採用するつもりもない人を、真剣に受験して官庁訪問させてしまうのは、お互いに時間と労力を凄く無駄遣いしていますよね。これに嫌気が差して、筆者は任期を1年以上残して退職することにしました。

会計検査院の仕事は面白いし、やりがいもあるので、できれば続けたかったのですが、なかなか人生うまくいかないもんです(笑)

職場としては申し分ないくらい良い役所ですが、若くない方には経験者採用試験に限ってはおすすめしません。

ちなみに、かつて会計士向けの一般職の経験者採用をやっていた時代があり、こちらはベテランも採用していましたので、混同されないようにお願いします。

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