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税務職員(高卒区分)で働いてみての感想

この記事は、旧国家Ⅲ種(税務)の区分で採用された女性に書いていただいたものです。基本的にそのまま掲載しています。

はじめに

世間では、大学に入るのが当たり前、大学に行かなきゃいい仕事に就けないと言われていますが、家庭の事情など、様々な理由から高卒で就職をする方も多いと思います。私自身もその1人ですので、実際に経験して感じた普通科のメリットを書いてみました。

①大卒(国税専門官)と同じ仕事ができる

一般的に高卒と大卒とで採用を分けている場合、それぞれ任せられる仕事が明確にわかれていることが多いですが、国税は大卒(国税専門官)と高卒(普通科)は最初の研修こそ違うものの、税務署に出てからは同じ仕事を任せられます。

普通科だって1年目から税務調査は1人で行きます。1人で会社の社長や経理担当者、税理士と対等に話しますし、反面調査や銀行調査もします。一つの案件を最初から最後まで任されるという責任ある仕事を若いうちから経験することができるのです。

今振り返ると、最初はめちゃめちゃ舐められましたね(汗 まぁ、当たり前ですよね…20歳前後の初々しい子が1人で来るわけですから。社長や税理士はその道のプロとして自信を持って仕事をしているわけですから、たかだか1年ちょっと税務を勉強した人に指摘されるわけにはいかないのです。

専門官で入った人と比べると人生経験が少ないので、社長と上手く会話できなかったり、失敗したり、恥ずかしい思いをしたり、時には厳しい言葉を投げられることもありますが、失敗を恐れず、たくさん経験して日々勉強を怠らなければ、徐々に指摘事項も増えてやりがいを感じられるでしょう!

②親孝行

これはほぼ経済的な理由が大きいです。高校卒業して国税に入れば、税務職員として必要な知識、教養、マナーは研修で教えてくれますし、それでお給料が出ます。寮費や食堂での食事代は給料から勝手に天引きされますので、研修生の手元に残るのは少ないですが、休日に買い物したり、友人と食事したりする分には十分かと思います。また、生活面では教育官&教育官補が目を光らせていますので、変なことはできないでしょう。親御さんは安心して預けられるのではないでしょうか

③研修が充実している

1年の普通科研修のあと、3年間の実務期間、その後3ヶ月間の中等科研修があります。

普通科研修では民法、会社法、経済学などの一般教養科目はあちこちの大学から教授や講師を招いて講義が行われます。つまり、大学と同じ講義を受けることができるということです!講義を受けて、さらに深く学びたいと思えば働きながら夜間大学や通信制大学に通うことを検討するのもよいでしょう。

また、たびたび外部講師を招いて講演が行われますが、その講師に誰もが知っている有名な方がいらしたりします。

その後もさらに専門的な知識を身につけるための本科研修(採用後5年以上で選抜試験をパスする必要あり)や国際税務の道に興味があれば国際科研修(通信研修修了後2年の経験&選抜試験パスする必要あり)など、様々な研修が用意されています。

経済的なことや家庭環境関係なく誰にでもチャンスがあり、頑張る人や向上心がある人には上を目指せるような制度や環境が用意されています。

④宿舎に入れる

普通科研修での寮生活が終わると、それぞれ配属先が決まり、その配属先に合わせて公務員宿舎に入ることになります(通える距離の宿舎が割り当てられますが、必ずしも近いわけではありませんし、自分では決められません)。

民間アパートやマンションを借りるよりずっと安く住めますし、同期の仲間や先輩が同じ宿舎に入っている場合もあるので、寮を出て初めての一人暮らしですから、何かあったときも心強いです。

おわりに

③、④は普通科に限った話ではないですが、参考になれば幸いです。

公務員採用試験というと、ハードルが高く感じられるかもしれませんが、税務は他の職種に比べて採用人数が多いので、興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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