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子どもは、放任・干渉どっちが良い? (by元園長)

 なんだか、誤解を招くようなタイトルなので、是非最後までお付き合いくださいませ。
 子どもは放任する方がよい?について率直に書きたいと思います。私の経験談プラス発達心理学的な意見も踏まえて書きます。

 まず、簡単に、私自身の簡潔な紹介です。
 欧州で発達心理学を3年学んだ後、日本で実務をして発達心理学の会の副会長と園長職をしていました。
 私がいた学校はかなりの規模で、毎年たくさんの子どもたちが入園し、巣立っていきます。当然たくさんの保護者の方と話し合う機会もしょっちゅうで、離婚の悩みから子育てまで色々な相談をしてきました。開かれた学校を目指していたので、どんな些細なことでも気軽に相談してくださったのは本当有難かったです。
 

放任? OR 過干渉?

 さて、これ、皆さんどう思いますか?私も教育の説明会でよくこの話をしてきました。私が見てきた中で一番子どもにとって悪影響なこと、、、、、、

 それは、断トツ過干渉です。これ、本当声を大にして言いたいです。常に子どもの先回りをして危険を排除する、そして子ども自身でできることさえも先回りする。子どもが靴を履くのを待つより、履かせてあげた方が数倍早いですし。
 ご両親が手厚く干渉して、先回りして手伝いしてあげた子どもは、、本当に自分でする意欲に欠けていきます。
 そうです。給食も自分で食べられません。保育者が「あ~ん」と言ってスプーンで口に運ばないと何もしないのです。人間の最も基本となる自分で意欲的に取り組む活動を完全に阻害してしまうのです。
 これは実は心理学的にも裏付けられています。


 心理学的には?

 簡潔にいうと、放任の親、普通の親、過干渉の親の3グループに分けて、それぞれの子どもの意欲についての関係を見てみます。
 このグループの中で子どもが最も無気力になったのは、断トツで「過干渉の親です。過干渉は百害あって一利なしです。なんでも先回りして危険を排除し、子どもの思うがままに干渉しすぎる。。
 
そして、その次は放任の親です。
 ※放任といっても語弊がないようにいうと、ご両親が仕事が忙しくて子どもと接する時間が少ない、くらいに考えてください。本当にご飯も用意しないのは放任ではありませんね。それは完全に虐待です。

 そして、最も子どもが意欲的だったのは、「普通群の親」です。普通の親??それって何?、ここでいう普通の親とは、子どもができたことを褒めてあげて、チャレンジしている時は、見守ってあげる親のことを指します。失敗する可能性のあることも、どんどん挑戦させてあげる。
 子どもの挑戦を後ろで見守るご両親の子どもが一番意欲的になっていきます。

忙しい子育ての最中、以外と難しい

 上記は当たり前のように思いますが、子育ての忙しい真っ最中、ついなんでもお母さんが手を出して、はい、早く食べて、「あーん、」、はい服着せるからねー、はい、、はい、、と全部先回りしてやっておりませんか?
 そうです。私も2児の父で共働きでやってきたのでよくわかります。ついつい手を出し過ぎてしまうのです。なので、「子どものことは子どもが、」と少し意識するだけで大分と育児も変化していきます
 

私の経験から

 さて、ここからは、私の子育て経験です。例えば、レストランで子どものメニューは子どもに言わす。子「私はハンバーグランチです!」と。
 例えば子どもが「トイレはどこ?」と、言ったら、「あなたが直接お店の人に聞いてみたら?パパもトイレがどこか知りませんよ」と答えたり。
 そうです、単純に子どものことは子どもがするように促してやるだけでも効果があります。
 すると、子どもが「ぼくは、できるんだ!」、質問して自分で解決したぞ!、と意欲が湧いてきます。子どもは褒めてあげるとなんでも得意気になります。身の回りの自立は、褒めて→意欲→挑戦させて→意欲→失敗しても→前向き、、ですね。。
 これって、実は、大人も一緒ですよねー。

さて、今日は、私の園長職の経験から、そして、心理学的にも過干渉は、百害あって一利なし、、のお話でした。





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