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国分寺五郎のオヤジメシ料理帖 -味噌つくりから味噌汁まで-

はじめに

毎年2月に味噌を仕込み、半年かけて熟成させ、夏を越えた9月から食べ始めることにしている。今年は、その解禁日に、味噌汁、ナスの味噌炒め、そしてブロッコリの酢ぬたあえを作り、丁度そのころ熟成する梅酒を添え、味噌解禁祝いを行おうと考えている。それで、途中、5月の天地返し作業をはさみ、9月までの足掛け8ヵ月の味噌つくりをドキュメントすることにした。

20年ほど前、味噌の作り方が書いてある新聞記事を見て、それをきっかけに味噌を作り始めた。今では、2月の味噌、6月の梅仕事、秋の紅玉コンポート・干し柿・ユズ酒、そして冬の間の白菜漬けが、季節を感じる年中行事となった。

設備投資

大鍋:大豆を2kgも仕込むものだから、口径30cmx深さ14cmの鍋を使っている。初心者はとりあえず半分量の大豆1kg仕込みが無難で、既存の最も大きな鍋で間に合うかもしれない。大豆をふやかしてみて、あふれるようだったらもっと大きな鍋を買いに走らなければならない。

大きな鍋

味噌容器:大豆を2kgも仕込むものだから、味噌容器は口径24cmx深さ20㎝のホーロー容器を使っている。プラスチック製の味噌容器でも問題ない。肝心なのは、半年間置いていても邪魔にならない場所。

味噌容器

マッシャー:大豆をつぶす道具。コロッケを作るときにも使える。私の場合は大豆2kgもつぶすので、フードプロセッサーを使っている。

マッシャーとフードプロセッサー

本日のお題:味噌とみそ汁

和食の食材として醤油とともに欠かせないのが味噌。手前味噌という言葉があるぐらい、自分で作った味噌の味はひとしおである。2月という寒い時期に作るのは、雑菌混入の心配が少ないから。9月の解禁日の一杯の味噌汁を目指し、味噌作りについて綴ります。

材料について

材料は大豆2kg、米麹2kg、塩1kgだけ(今回は大豆と米麹についてはこだわって富澤商店で買ったため、全部で4000円ほどかかった)。半分量で作る場合は、当然だが、大豆1kg、米麹1kg、塩500gとなる。

大豆、米麹、塩(画面右上は女房殿製作中の恵方巻)

調理

①大豆をよく洗い、一昼夜たっぷりの水に漬け、ふやかしておく。最終的に3倍量まで膨らむので、少なくなったら水を足す。

大豆を一昼夜つける

②指ではさんでつぶれる程度の柔らかさになるまで大豆を煮る。その間、アクが大量に出るのですくい取る。煮汁が減ったら、大豆が浸かる程度まで水を足す。ただし、くれぐれも吹きこぼれさせないように。1年前の味噌作りの時、吹きこぼれでガスコンロのグリルのセンサーを壊してしまった。

アクを取る

③味噌容器、ボウル、マッシャー、フードプロセッサー、蓋などの器具は、鍋で蒸すなどして熱湯消毒。大豆をつぶしたり、麹と混ぜたり、味噌玉を作ったりで、ザルも含め大き目の容器を大量に動員することになる。すべて消毒しておく。

使用する道具はすべて熱湯消毒

④ぬぐい消毒用の濃い食塩水も用意する(食塩は分量外)。

ぬぐい消毒用の濃い食塩水

⑤麹の塊をほぐし、塩1kgと混ぜる。ちなみにこの作業には我が家のカレー用の鍋を動員した。

麹と塩を混ぜる

⑥大豆が煮え上がった時点で、うっかり煮汁を捨ててしまわないように、取っておく。

煮汁は大事

⑦大豆をマッシャー、あるいはフードプロセッサーでつぶす。

マッシャーあるいは、
フードプロセッサーでつぶす

⑧大豆をつぶし終わり、人肌くらいに冷めたら、塩・麹を投入し、混ぜ合わせる。この際、つぶした大豆を2つの容器に分けて作業した方が、こぼれなくてよい。よく混ざったら、取っておいた煮汁を加え、硬めのペースト状のタネを作る(握った時に指の間からにゅっと出るくらい)。

つぶした大豆に塩・麹を加えて混ぜ合わせ、煮汁を加えてペースト状にする

⑨タネを丸めて味噌玉を作る。空気を追い出すために、味噌容器にたたきつけながら味噌玉を入れていく。この際、跳ね返りを防ぐため、蓋を手にして作業する。こぼれたものはひらったりしない。

味噌玉をたたきつける

⑩味噌玉を入れ終わったら、げんこつで表面をならして、きっちり詰める。少量の塩水を注いで表面を消毒。容器の側面にくっ付いた跳ね返りは、塩水を浸み込ませたペーパータオルで拭き取る。ラップをかぶせ、重しのための塩(分量外)を撒く。ラップの端は特に念入りに容器に密着させ、空気との接触を最小限に留める。

ラップの端は特に念入りに密着させる

⑪重しの皿2枚を入れ、蓋をし、冷暗所で熟成させる。

重し、そして蓋をして5月まで熟成させる

⑫5月に、天地返しで下の方に溜まった汁を、全体に行きわたらせる作業がある。このドキュメントは5月に中間報告、9月に最終報告を行う。


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