魚へんに春というけれど
魚へんに春と書いて「さわら」という魚がいます。
スーパーの鮮魚コーナーや、食卓でもしばしば見かけるポピュラーな魚です。
この「さわら」冬場は深場で暮らしていますが、春から初夏の産卵期にかけて沿岸部に寄ってくるため、漁獲量が増えます。当然お目にかかる機会も多くなります。例年だと…
というわけで「鰆」
春に産卵期をむかえる魚のご多分にもれず、味と言う意味での、旬は、11月から2月にかけての、やはり冬場。焼いてよし、煮てよし、ちり鍋もいいし、鮮度がよければ、皮目を炙って焼霜造りの刺身も美味しい。
しかし、この「さわら」特有の風味と繊細な味のためか、捕れる産地や個体によって、味にかなりの差があります。仕事がら、いろいろな産地のものを食べてみましたが、ここまで違いがある魚も珍しいと思います。
厳選したものを何本も仕入れたとしても、当たりハズレとまでは言いませんが、当たりと大当たりくらいの違いは、ざらにあるんです。
極上の魚に出会える機会は年に数回。
そんな最高の1本に出会えた時はやはり嬉しいものです。
広い海を生きてきて、だれかの糧となる、一歩手前でたどり着いたのが、このまな板のうえだと思うと、いつも感謝の思いに、かられます。ありがとう…と、心のなかでつぶやきます。
とはいえ、
魚へんに春というけれど、やはり「鰆」は冬場が美味しいものです。でも、ほう卵中の今ならまだ美味しい魚に出会えるかもしれません。
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