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“That's the Spirit”(そうだその意気だ)Bring Me The Horizonに溺れている話

私の好きな海外アーティストにBring Me The Horizonというバンドがある。(以下BMTH)

彼らは2004年に結成されたイギリスのロックバンドで、当初はデスメタルやメタルコアの目立つサウンドであった。
しかし近年ではオルタナティヴ・ロック(←詳しくはクリック)を取り入れたスタイルが主になっており、彼らの楽曲は一定のジャンルに囚われないで常に進化をし続けている。

このBMTHのバンドの由来は映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウの台詞を文字って名付けられたものだとか。
バンドメンバーは現在5名で活動している。


見た目に騙されてはいけない

堅苦しい前紹介はこの辺にしておいて。
まず私がこのバンドに出会ったのは2015年、youtubeのおすすめに出てきた事がきっかけだった。
まーたこの子YouTube見てるよと思われるのはいつもの事だがともかく、ある日こんなサムネを見かけた。

長いアーティスト名に読めない曲名、ブラックバックに松明を持ったタトゥーだらけの男がこちらを見つめている。怖い。
当時私はFall Out Boyにハマっており、それを聞いていたおすすめ動画にしょっちゅうBMTH出てきていた。

最初は聞く気もなくスルーしていたのだがあまりにもこのサムネを見かけるので試しに聞いてみたところ、御察しの通りずぶずぶとこのバンドの沼に沈んでいくのであった。

では手始めにこちらの曲をカップラーメンの3分間を待つついでに聞いて欲しい。

エレクトリックなサウンドから始まったかと思いきや、リズミカルで疾走感あるドラムに思わず体が揺れ、搔き鳴っているギターに「エモーい」と言わざるを得ない。
それに乗せたボーカル・オリバーの力強いボイス、特にサビの“Throne”の雄叫びには圧倒される。
一度聞けば頭の中でずっとループするような、そんな中毒性の高いこの一曲。 

ただの強面集団では無かった!なんて力強いサウンドなんだ!
この曲を聞いていなかったら私はBMTHに出会わなかった。 

お陰様でこのエモ~い“Throne”が収録されているアルバム“That's the Spirit”を死ぬほど聞いた2015年〜2016年であった。
今回はこのアルバムから数曲を厳選してBMTHの魅力を紹介する。


“That's the Spirit”楽曲一覧

2015年にリリースされたこのアルバムは、メンバーチェンジがあったのも加えてBMTHが今までの楽曲スタイルから大きく変わったある意味分岐点となるアルバムである。

全てを紹介するのは大変なので中でも個人的に好きな曲を簡単に紹介する。


”Doomed"

アルバムの一曲目を飾る曲。
YouTubeだと原曲が無かったので公式チャンネルが出している、イギリスのロイヤル・アルバート・ホールでのライブ映像があるのでこちらを。

"Doomed"の意味は「運の尽きた、不運の」
ちょっと厨二心をくすぐるような曲名だが、イントロは男女の息遣いから始まる。

静かでしっとりしたイントロはまるで何かが潜んでいるかのような印象を受けるが、サビではさぁ出てきたぜと言わんばかりの盛り上がり。

歌詞はこちらをクリック。
サビの”And now there is no way back.”(もう戻れない)って叫びがめちゃくちゃ好き。歌詞がかっこいい。
とくにこのライブVer.はオーケストラとの融合が素晴らしく、美しさを増している。もはやファンタジーさを感じる。
こうラスボスが出る雰囲気というか、初めからクライマックスという感じ。
サビで脳みそを掻きまわされることに間違いない。迫力がやばい。


"Follow You"

恋は盲目で、耳は聞こえなくて、くそ愚かだ

一言で表すならちょっとトチ狂ったラブソングであろう。
イントロはちょっと切なめのメロディから始まるがもちろんサビの盛り上がりが気持ちいい。アルバムの中でも割とスローな曲。

MVはかなり過激な映像なので閲覧注意なのだが実はとってもメッセージ性があると私は思う。
男はヘッドフォンをつけ愛する者の所へ出かけるが道中は銃弾は飛び交い、ゾンビ化した人々が肉を喰らい、鈍器を持った集団が車を襲い爆破させている。そんな世紀末な世界でもただ愛する者のためならそんな事も「見えない聞こえない」ようだ。そして男がある女性(恋人かな)を訪ねるが実は…本当に皮肉である。

本当に大事なもののためなら世界が滅びたって構わない、という感じだろうか。でもその本質は…? 周りから見れば愚かな行為だとも言えよう。

歌詞はこちらをクリック。歌詞も「僕は君しか見えないよ、どこまでもついていくよ、どんな酷い目に遭っても構わないから」というようなやや病み気味のラブソングに仕上がっている。


"Drown"

アルバムの中で一番好きな曲だし、BMTHの楽曲の中でも名曲と断言できる。

MVの演出も飛びぬけて良い出来だと思う。
先に歌詞を載せておく。こちらをクリック。
この曲は弱き者が救いを求めている、そんなメッセージを読み取れる。

どんなに苦しくて辛くて悲しくてやりきれない時があったとして、「いつかいいことあるよ」とか「必ず努力は報われる」だとかそんな綺麗ごと並べたって常に傷つき助けを求めて苦しんでいる人だっている。
弱さというものを堂々と書き綴り決してポジティブな事ばかりではないと訴えているこの詩にとても共感するしむしろ救われてきた。

もしあなたが何か辛い状況に遭った時この曲を聞いてみて欲しい。
素直な歌詞とアップテンポだがどこか切ないサウンドに胸を打たれる。

この曲以前のBMTHはメタルでオリバーもガンガンにデスボイスで歌っていたのだが"Drown"では完全にクリーンボイスで歌いあげている。BMTHというバンドの変化が決定的になった一曲だと思う。


つまりBMTHを聞いてくれって話

未だに進化が止まらないBMTHのスタイル。
今回は"That's the Spirit"のアルバムを紹介したが、これ以前の曲も私は好きだし、最新アルバム"amo"もこれまた激推しの一枚になっている。
こちらも今度紹介できたらなぁと思う。
ちょっと取っつきにくいかもしれないが、聞いて損はしないと思う。
まずはぜひyoutubeでお試しを。

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