見出し画像

ただの"人形が動く系ホラー映画"じゃなかった! 映画『ザ・ボーイ〜人形少年の館〜』

夏に『チャイルド・プレイ』のリメイク版が映画公開されたから観たけどめちゃくちゃ面白かった。
小さい頃に人形が動いて殺し回るっていう設定がトラウマすぎて、チャッキーの人形がヴィレヴァンとかで売られているのを見る度にドキドキして怖がっていたのが懐かしい。

この『ザ・ボーイ〜人形少年の館〜』(2016年アメリカ)はたまたまテレビの映画チャンネルで放送されてるのを知ったので録画して観てみた。
この映画もまたチャッキーやアナベルによろしく人形が登場人物たちを殺戮していくホラーものなんだろうなと思っていた。

思っていた

予想外の展開、最後までどんでん返しの本作を今回は感想を交えながらのストーリー紹介メインでしていこうと思うよ。
※ネタバレあり


あらすじ

主人公のグレタはアメリカのとある一家の子守として住み込みで働くことになりイングランドから遥々やってきた。大きな館、そこにいるのは老夫婦と幼い少年の人形、名前はブラームス。
そうグレタの役目とは人形の子守だったのだ。人形をまるで我が子のように可愛がる老夫婦に驚愕するグレタに与えられたのはブラームスに対する10個のルール。
最初は馬鹿げているとルールを無視した生活を送るグレタだったが彼女の周りに様々な異変が起こり始める。そしてある事がきっかけでグレタはブラームスが本当は生きている人形ではないのかと信じ始める。
監督:ウィリアム・ブレント・ベル
出演:ローレン・コーハン、ルパート・エヴァンス 他


ここまではよくありそうな設定

グレタがやってきたこの館というのがまた不気味な雰囲気で(いかにも何かが起こるよ的な)ブラームスをまるで生きているように可愛がり、散らかった部屋を見てブラームスを叱りつける婦人の姿には「おかしくなっちゃった人なんだ」というのも、実は昔ブラームスという幼い息子を火事で亡くしてしまったのがきっかけであったと劇中で語られる。
よく「人形に魂が宿る」なんて設定で呪われた人形なんかが動き出し……みたいな展開はホラーものではメジャーな設定であると思う。 

ブラームスのビジュアルが妙にリアルで怖い。

真っ白なお顔でなんとも言えない表情を浮かべている。不気味。
「主人公がルール破ったのでこれからこの人形が悪さしますよ」と言わんばかりのイメージを視聴者に導入してくる。


破っちゃだめよ、ブラームスと過ごす10個のルール

老夫婦は旅行に行くといってグレタはひとりきりでブラームスの子守を任せられることに。そして夫婦が提示したのは10個のルールを厳守することだった。

①客人を招いてはいけない
②少年の顔を覆ってはいけない
③食事は冷蔵庫で保管せよ
④毎朝7時に起こすこと
⑤平日は3時間勉強を教えること
⑥音楽を大音量でかけること
⑦少年を独りにしてはならない
⑧庭のネズミ捕りを掃除すること
⑨必ず少年に食事を与えること
⑩お休みのキスをすること

とまぁヘンテコなルールが与えられるわけだがグレタは見事にこれらをスルーする。初日からグレタは靴を隠されるという怪現象に遭うが不気味がるだけでブラームスを無視した生活を送る。しかし明らかにおかしなことばかりが起こる日々。


なんとグレタは人形のことを信じ始めちゃう

実はこの家にマルコムという男が週一で日用品を宅配しているのだが、マルコムはグレタにアピールし始める。グレタは最初こそ嫌々だったが一緒に出かける約束をするくらいの仲には発展する。

が、まるでそれを許さないかのように彼女に怪現象が起こり始める。ひとりでに移動する人形奇妙な電話、屋根裏部屋に閉じ込められそこで見つけたブラームスと見知らぬ女の子との数枚の写真……なんだかんだあってグレタはブラームスの人形が生きていることを確信しルールに従い可愛がり始めるのだ。これにはマルコムも「まじかよ」とドン引き。というのもグレタはDV男と離婚、彼からの暴力が原因で流産を経験している辛い過去があった。
我が子を亡くした経験を持つ主人公までもが落ちてしまった! と闇落ちルートを予感し「これどうやって終わるんだよ」と微妙な雰囲気で鑑賞していたがまさかのどんでん返しが待っていたのをこの時は知る由もなかったのである。


主人公にとって最大の敵がやってくる!

なんだかんだでブラームスに寄り添い過ごしていたグレタに予想もしない訪問者が現れる。なんとアメリカからグレタの元旦那が追ってきたのである!
一緒に帰ろうと懇願する男。グレタは拒否し人形の子守をしながらブラームスに「助けて」とすがりつく。人形の怒りに触れたのか怪奇現象が男を煽る煽る! 途中でマルコムが助けに来るもののボコボコにされてしまうが……ついに男は「馬鹿げている」と人形をぶっ壊してしまう。

なんとそこに突如仮面をかぶった青年が鏡の中から登場!


なんとブラームスは生きていた!

壁の中から出てきたのは成長したブラームスだった。
ここで視聴者大混乱。そんなの聞いてないよ状態。
このブラームスさん、幼子がら好きな女の子を殺してしまい事件捜査前に館の火事で死んだと思われていたが老夫婦によって世間に隠しこっそり育てていたのだとか。

一方の老夫婦はそんな長年の罪悪感に苦しみ旅行先で入水自殺をしてしまう。
仮面をつけているのも火事による火傷を隠すためだろうか。
グレタとマルコムは恐怖に慄き逃げ回る。助けてって言っておきながらそんな……とツッコみたくもなったけどブラームスさんがサイコパス殺人鬼だと知って「そりゃそうなるわ」と納得。怖すぎるでしょう。なんと館の隠し部屋に住みグレタを監視していたのだった。


見どころはここ

密かに暮らしながらグレタに惹かれていたブラームスさん。しかし彼女に完全に拒否されてしまう。大逆上。めちゃんこ強い。でもグレタの起点によって倒し、グレタとマルコムは無事に館から脱出。
急展開、そしてまさかのブラームスご本人登場にラスト数十分はポカンとしながら観てしまった。いやでもこの意外なストーリー展開には驚かされたし私は楽しめた。
ブラームスが出できた瞬間マジで鳥肌たったもん。
あと終始気になったのはブラームスの立派過ぎる胸毛。
後半胸毛にしか目がいかんほど胸毛のインパクト凄い。本当胸毛。一番の見どころかもしれない。嘘です。


異色人形ホラー

ありがちな設定かと思いきや予想外の展開に驚きながらも楽しめる映画だった。個人的には高評価したい。ちなみに映画の最後はブラームスが壊された人形を修復しているシーンで終了。もしや続編の匂わせ?
実際、今年の12月にアメリカで続編が公開予定らしい。日本でもあるかな?
ドキドキハラハラそして「まじかよ!」の爽快感が味わえる映画でした。
ホラー映画好きにオススメできる一本だと思うので是非観てみてね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?