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ロマンポルノ・ナウ『愛してる!』(R18+)を観た話

空気が薄い映画館が良くて、
誰かに「大好きだよ。」って言って欲しくて、
どんな手でもギュッと握ってみたよ。全部、義手だったんですけどね。

cali≠gari『ブルーフィルム』

ロマンポルノという概念には以前から興味はあった。
尊敬する人物の1人である桑田佳祐さんが、確かHOTEL PACIFICの発売前インタビューでにっかつロマンポルノについて語っていた時から興味を持っていたので、数えて22年ほど興味を持ち続けただけのエアプということになる。その時に生まれた子供がもう大学生だな。
DDTで言うと岡谷英樹選手が2000年生まれだな。

鵜飼かいゆは岡谷英樹選手を応援しています。

若手の中で一推しの岡谷くん。私は岡谷くんがお母様のお腹にいた時からロマンポルノという語感に憧れ、岡谷くんが白石ホワイトキューブで行われたタッグマッチで勝俣くんのととのいスプラッシュからのエビ固めに沈んだ日にやっとロマンポルノ童貞を捨てるんだね。
ウマ娘の育成はろくずっぽできないけどエアプ育成は上手にできるってか。虚無しか孕めない女め。やかましいわ。
ロマンでポルノ。語感から想像される質感がたまんないじゃん。観たことないけど。ポルノグラフィティのネオメロドラマティックって名曲じゃん。
この22年の間で友人やら夫やらがロマンポルノをタイトルに冠した同人誌を出してたから、それを読んで、ゼロ年代エロゲを実写映画でやってた感じなのかなみたいな超絶ふんわり偏見を持ったり、Wikipediaで定義を確認して「つまり……死霊の盆踊り!?」と偏見が加速したりなんかしていた。その間に本物のロマンポルノ観る時間死ぬほどあったやないかい。すいません。
偏見その1(リンク先R-18)

偏見その2(リンク先エド・ウッド)

オッケー、谷崎潤一郎の刺青も鈴木清順のツィゴイネルワイゼンも岡崎京子のリバーズ・エッジも大枠ではロマンポルノ。
ほんまか?
この認識で大丈夫なんか?
ロマンポルノ警察に捕まって8mmフィルムでぐるぐる巻きにされて西洋風娼館のシャンデリアに吊られたりせんか?
大学生の時に井土紀州の講義モグっておいてこの解像度って脳に問題しかないのでは?
が、学費の無駄遣い……? 違うし……その時学んだ映画脚本作りのメソッドは今も小説とか書く時に活用しとるし……趣味に還元されとるし……人生においては無駄じゃなかったし……むしろ単位にならん講義を熱心に受講してたぐらい知的好奇心旺盛だったし……。
そんなロマンポルノへの興味はあれど解像度がWindowsペイントで描いてjpg形式で保存した赤いリンゴの絵ぐらいガビガビの状態の私の前にロマンポルノ・ナウの告知が飛んできた。

みんな大好き『コワすぎ!』シリーズの監督兼田代役でお馴染み、みんな大好き『カルト』『殺人ワークショップ』『貞子vs伽倻子』『地獄少女』の監督でお馴染み白石晃士監督がメガホンを取り、別人格(後述)を私にママだと認定されている被害に遭っているプロレスラー兼映像クリエイターの今成夢人さんがキャストに名を連ねている。
ママを見守るのは赤ちゃんの義務だし、レーティング的にアマプラで配信しなさそうな映画はその場の勢い任せに観た方がいい。私は熱しやすく冷めやすく記憶力がバチクソ悪い。興味持っただけだと永遠に観ない。というわけで勢いに任せて、そしてU-NEXTでロマンポルノ観てるおじさんこと海沢海綿先生を道連れに『愛してる!』を観に行くことにした。

海綿先生確かハッピーサイエンス映画のレビュー記事でロマンポルノの話してたな~思ってたら愛してる!本編前にハッピーサイエンスの最新映画の予告編流れてわろりんちょ。そんなリンク発生せんでいい。
宮城県白石市でプロレス観てから渋谷で白石監督の映画……白石づいた日だ……(?)

↑ここまで観る前に9割書いておいた自分語り
↓ここから10割は観てから書いた怪文書

いやぁ……
早く教えてよ……
スポ根百合だって……

白石監督による汚い少女☆歌劇レヴュースタァライトだって……。

エッチな映画に出るママを観んとするパーペキ物見遊山の気でいたから完全に不意を突かれたよ……。
文脈がスポ根だったじゃん……テレ東土曜朝枠だったらSMファイトレディーゴーとか始まるやつだったじゃん。
SMファイトレディーゴー、書いててデジャヴったけど既視感の正体は水龍敬のラブスレイヴだった。そんなことあるんだ。

あとミサ(主人公)の壁に貼られた親の顔より見た高尾蒼馬選手のポートレートが不意打ちで笑っちゃった。もっと親の公認エンドレスワルツも見ろ。
いやほんと百合だった……百合で見たいところ全部あった……関係性のオタクやってそこそこ長いのでカノン様がいらっしゃったところで“構え”取れたけどそれでも心臓びっくりした。
私の性癖を信頼してくれてる18歳以上でおしっこ大丈夫な人類は観に行って欲しい、愛してる!を……。私はおしっこまでなら大丈夫な人類だったのでセーフでした。
白石監督が百合描くの巧いのはコワすぎ!の花子さん回で知ってただろ……? オタクよ……。
ほんとこれプロレス観てから観て正解だった。私天才。えらい!

おしっことキスの使い方が完璧だったとか、タイトルにもなってる「愛してる!」っていう言葉の置き方の上手さとか、心の奥に秘められていたものが開花するにつれて輝きを増していくミサとナカムラと、ただのイヤな当て馬に留まらずセカンドシーズンあったら間違いなく主人公になってるユメカとか、色々とね! ネタバレ含めた話を書きたいんだけどね! ユメカはレヴュースタァライトだったら凛明館だよねって話もしたいんだけどね!
プレイルームにちりばめられた縄の数が増えていくところの美しさとかめっちゃ語りたいんだけど、どこまで語るかを測りかねてるので読みづらい記事としてやっていく。い つ も の 。

カノン様が『カルト』の霊能者ネオ(仮名)様を髣髴とさせる“““白石ユニバースの女”””じゃんってなった興奮が落ち着きかけたところで大迫茂生さんが生えてきて笑っちゃったな。そう、ここは白石監督作品の世界……。
私が鑑賞するきっかけでもあった今成夢人さんはDDTの変態集団フェロモンズの今成"ファンタスティック"夢人という別人格をお持ちで、このことがキャスティングにどこまで"文脈"として乗ってんのか私には知る由もないんだけど、「自己の変態性を解き放つ」という点においてはプロレス界随一のフェロモンズのメンバー(の、主人格)を起用したの大正解だし、フェロモンズが白石市長と声優の森川智之さん(白石市観光アンバサダー)の前でアナル晒してるのを観た後にこの映画観たの正解だったな。

ぶっちらばってきたけど私論理的な感想とか書けないから!
ごめんね! 我慢して読むか読み進めるのやめるかしてね!

誰彼構わず話すほど大っぴらというわけではないけどそこそこ色んな人に話してる情報として、元から特殊性癖と呼ばれる種類でしかヌケなかった上に現在の私の収入の90%は成人向けコンテンツで、メシの種として趣味ではないスケベを摂取する時もあるし、このnoteのアカウント名でもある鵜飼かいゆという名義でも同人誌を作るとかいう性癖露出創作活動もしてるので、自分の欲望と変態性を誰かに向けて部分部分でオープンにできているしそれが受け入れられてきた方だと思うし、同時に開示の仕方と表出の仕方を間違えて大なり小なりの火傷を負ったこともある。あるよ、若さ故の過ちってやつだね。火だるまになりながら今もこうして生き恥を晒しているわけですけれど。
長いんですけどこれが前提と思って。
作品の鑑賞をするに当たって誰かに共感も投影もしなくてもいいと思うんだけど、今作においてはミサを応援して、その傍らで間違いなく私は髙嶋を観て「あ~~~~いいな~~~~絶対気持ちいいもんな~~~~~~~~~~~~」になっていた。
あのシーン、世間的には炎上とか、人生終了とか言われるたぐいの出来事で、作品のメリハリとしては"壁"(障害)の発生的なやつなんだけど、本作品は壁が発生そのものが誰かの希望になっていくという構図がすごくよくできてて、ミサが全世界にスケベ配信してしまったことが、物語序盤から「仕上がってる」髙嶋を更に一段階上に引き上げるきっかけになってるのが少年漫画の文脈だし展開の速さが戦姫絶唱シンフォギア並なんだけど、そういう比較的マトモな感想は後から出てて、ま~じで「羨ましい~~~~~~」って思いながらスクランブル交差点で露出する感情を想像してゾクゾクしていた。
こんなことを思う私はマゾなんだろうか。分からねえ。対人スキルに難があるのと他人の眼を見て話すのがクソ苦手なので少なくともサディストの才能は無い。
でも渋谷のスクランブル交差点で全裸になったらどう考えても絶対に気持ちいいよな……。そんなこと思ったことない? ムカつく上司の顔にゲロ吐いたら絶対に気持ちいいとか朝礼中に絶叫しながら脱糞したら絶対に気持ちいいとか想像したことない? 私はある。
積み上げたものぶっ壊して身に着けたもの取っ払ったら絶対に気持ちいいじゃん、最悪の全力少年やめろ。
ただ本当、私がしてみたいけどできないことをやってくれてありがとう。そんな気持ちになれた。創作物ってそういう側面あるのを今更のように思い出せた。お陰で罪を犯さず人間としていられる。

そういう話をしたかったんだっけな、違うな。伏線回収するか。
前述のとおりオープンにできる程度には私は欲望に自覚的で、自分が満たしたい欲の中には承認欲求が多めに含まれていて、たぶん私にとって依存も信頼も感謝もSNSのいいね通知も大なり小なり気持ちがよくて、人生が壊れるぐらいの快感が欲しいけど踏み出すには世間体と理性と道徳が肌と服の間に存在していて、けれど脳内にアドレナリンとドーパミンが強烈に分泌される感覚と信頼できる対象に感情がぐちゃぐちゃされる瞬間を小出しでいいから味わいたくて行き急ぐようにオタクしている、ような気もする。
私はオタクじゃなかったらホス狂かSMクラブに通ってたか30歳になる前に何らかの理由で死んでたと思うんだけどオタクだったので今のところ推しにゴブレットスクワットの負荷増やせた報告したり同人誌出すだけでHAPPYになれる人生になっている。これは社会にぎりぎり適応できている社会不適合者の幸福なのか、イき損ないの悲哀なのかは分からないけれど。
そんなことを、『愛してる!』の最後のライブシーン、カノンとミサが繋がり、ミサによって救われたナカムラが一番近い他者としてステージと客席を繋ぐマイクを持ち、それを客席の一番後ろで見つめ絶頂するユメカを観ながら、心底羨みながら思ったし、全部預けられる相手に人生めちゃくちゃにされてぇ……思ったけど現時点でまあまあ人生めちゃくちゃになってたわ。
推せる相手に人生めちゃくちゃにされてえ。受動的になるな。はい。

本当に収集つかなくなってきたので〆ます。摂取したてコンテンツの感想文を深夜に一本勝負で書くもんじゃなかったわ。後悔はするけど公開する。
『愛してる!』を観て覚えた快感を言語化して気持ちよくなれたので、また常識の皮をかぶって社会の中に埋もれようと思いました。
円盤明日出ねぇかな~~~~~~『愛してる!』よ……愛してる!

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