今春、WEB面接をせざるをえないときに気をつけたいこと(面接官の目線から)
新型コロナウイルスの影響で、ビジネスの世界には多くの影響が出てきました。
私は普段、教育研修や採用面接の支援などを仕事としていますが、私がかかわる2021新卒採用や2020年新卒研修についても影響が出てきており、日々今回の騒動が無事収束することを祈りながら、対応におわれているような状況です。
そして、こういった業務とは別に、3月から新たに「スマイルワーク・ラボ」という勉強会を立ち上げて、採用や育成業務に関わっている方たちと、特に面接技法やアセスメントに関して探究していこうとしていたのですが、
今回の騒動をうけて、開催を延期することにいたしました。
今回の騒動は、長期化する懸念もあります。
そして、特に新卒採用は今がまさに正念場を迎えつつあるような状況のなかで、多くの企業がチャンスを逃すまいと、急遽説明会や面接についてオンライン化に動いていると聞きます。
このような状況のなかで、勉強会は開催せずとも何か社会に貢献できることはないか考え、特に増えると思われるWEB面接に関して、これから新しく取り組む面接担当者が注意すべき点などをお伝えしたら、面接する側・される側の双方にとって、幸せにつながるのではないかと考えました。
私自身は、毎年約1,000名の方と面接・面談をさせていただいており、またリモートワークで働くソーシャルベンチャーに約3年ほど関わっていたこともあって、WEBでコミュニケーションする難しさについては、理解できているほうだと思っています。
面接は、事業を推進していくうえで、ヒトというリソースを調達する欠かせないステップですから、どの会社でも実施しているものですし、人や業界によっても色んなポリシーや考え方があると思います。
なので、面接のイロハについてはここではふれず、あくまで私見ということで、お伝えします。
そして、使うWEB面接ツールも限定しない想定かつ、面談のフローも一次面接(最終面接前の見極めとティーアップ)を想定したものです。
1.判断のために受け取れる情報量が、対面よりも少なくなることを予め想定しておくこと
人と対面し、何かを伝えよう、受け取ろうとするときや、体感を研ぎ澄ましている方は多いと思います。
ましてや面接という場では、持っている五感をさらに研ぎ澄まし、時には直感もフル稼働させながら、互いがよい結果となるように応対します。
当然、話している内容の論理性や説得力なども重要で、そこからスキル・特性・志向などを判断するわけですが、意外とこの体感というのは馬鹿にならず、判断に影響をあたえるもの。
一挙手一投足を見ているでしょうし、ちょっとした目線の動き、話し方、態度などを、細かく観察して互いの評価をしていると思います。
これが、WEB面談だと、五感で受け取れる情報量が画面越しに制限されます。
目線も、対面と比べて追いにくくなりますし、音についてもちょっとしたノイズが入ることもあり、対面でダイレクトに受け取れる情報とは違いがでてきます。
また雰囲気についても、対面とくらべると、感じにくいな、と感じるかもしれません。
こういったことをある程度想定しておいて、対面以上に体感を研ぎ澄ませ、情報を受け取ろうとする意識を持たないと情報量が足りず、判断を狂わせてしまう可能性があることを知っておくとよいと思います。
2.事前の準備は、対面以上に慎重にしておくこと
1.にも関連しますが、受け取れる情報がおのずと限定されがちである分、面接以外で把握できる情報をしっかりと確認し、頭に入れておく必要があります。そして、WEB面接でしか受け取れない情報の収集に、エネルギーを集中させたほうが得られるものが多くなります。
そのため、エントリーシートの読み込みはさらに重要となります。
そして、万全のインターネット環境を用意し、面接で使用するツールについてもイレギュラー時の操作方法を予め把握しておくことも大事です。
意外と、想定のことが起こります。
その想定外に翻弄されて、予定通りの面接ができなかった、、、というケースは多く、そのほとんどが事前に準備しておけば防げるもの。
また、採用担当者がどこで面接をしているかも重要で、視覚で相手につたわります。
静かな場所で、プライバシーが守られていると感じられる環境でないと、自分のことを話しにくいと感じたり、無碍に扱われていると感じる応募者の方も多いと思うので、配慮する必要があります。
3.はなすときの感覚が、対面とは違うことを理解しておくこと(時間や距離間)
これは、人によって体感が全く違うとは思うのですが、対面の時と同じよう話しているのに、あっという間に時間が過ぎてしまうこともあれば、逆に短時間で終わってしまって、間が持たなくなるようなことがあります。
また、画面越しだからなのか、対面のとき以上に大胆に、ストレートにご自身を表現してくる方もいますし、緊張しすぎて上手く自分を表現できない方、また対面ではないからと油断していて、気が抜けている様子が態度や聞き方へ露骨に表れる方もいます。
人にはそれぞれ、優位な感覚があるといわれ、それがこういった事象を引き起こす一端なのかな、とも個人的には分析しているのですが、対面のときよりも感覚が増長されるときもあれば、鈍麻になることもあるのだと思います。
また、対面では言いにくいことも、画面越しだからこそ思い切って言いやすい(たとえ、相手から反撃をうけても、対面よりはダメージがすくないと判断する)という方もいるのかと思います。
そして、この感覚の違いに、採用担当者が巻き込まれてしまうと、あっという間に聞きたいことも聞けずにラポールで面接が終わってしまったり、いつも以上に一方的に話してしまったり余計なことを言ってしまったりということが起こり得ます。
これは、実際にやってみないとなかなかわかりにくいことなのかと思いますが、普段通りのコミュニケーションにならない可能性が、画面越しのコミュニケーションだと起こりうることを理解しておくだけでも違うと思います。
4.一点突破で、見極める質問を準備しておくこと
これは、これまでの項目とも関連する内容になるのですが、対面のときと同じような想定で、面接を進めていったとしても、何らかの事象でエラーが起こりやすいのがWEB面談です。
そして、この時期に短期間でWEB面接に移行した企業様の場合、1面談あたりの時間も、おのずと短くなる傾向があるかと思います。
そうなってくると、悠長に複数の質問をして様々な角度から応募者の方を見極めるという環境を創り出すこと自体が困難になる可能性があります。
どんなことが起こっても、これだけは判断をするうえで確認したいという1点を予め設定しておいて、そこを徹底的に深掘りをしていったほうが、まさかのトラブルの時に対応しやすいと思います。
そのため、面接の進め方は、対面よりもやや本題の切り出しを早めに持ってきて、人物評価と動機づけのポイントを早期に発見するように努めるとよいと思います。
5.今年の採用活動への不安を理解し、共感をもって接すること(超重要)
これまでずっと対面で面接することが当たり前と思っていた方が、WEBで面接をすることは、ストレスを感じるものです。
同じように、この騒動で、多くの採用イベントがキャンセルとなり、就職活動をするうえでの情報が満足に集められず、ただでさえ不安になりがちな
就職活動の当たり前が崩れたことに、ストレスを感じている応募者の方も多いと思います。
その不安やストレスを、まずは受け止めて、共感してあげることが大事ではないかと思います。
この関係構築をしっかりしてから、互いがいいコミュニケーションをできるように努めることで、両者にとってよい結果に結びつくのではないかと考えます。
本当は、もっとお伝えできることもありますが、ポイントだけまとめてみました。
WEB面接の導入で面接のフローが変わり、これまで以上に採用担当者の調達や育成が必要になるかもしれません。
この難局を、乗り越えていくうえで、引き続き少しでも私自身の経験を世の中に役立てていきたいと思いますので、何かお困りのことがあれば、お気軽にメッセージを頂ければと思います。
そして、リクエストがあれば、私が思う面接の基礎的な内容についても書いていきたいと思います。
スマイルワーク・ラボの勉強会に興味がある方は、ぜひPeatixのグループもフォローしていただけますと嬉しいです。勉強会を再開するときにお知らせが届きます。
この騒動が早く収束し、多くの方が、笑顔で働けることを願っています。
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