【自戒の念】貧すれば鈍する

こんにちは。kaitephです。
「貧すれば鈍する」ということわざをご存じでしょうか。


このことわざには正直初めてお目にかかったので、早速ググりました。
(小・中学校という義務教育の場ではあまり熱心に勉強へ取り組まなかった
ので・・・)

字面からそれとなく意味を察することもできそうですが、
調べてみると、
このことわざはその字面以上に、
人間に対する深い洞察がありました。

【貧(ひん)すれば鈍(どん)する の解説】
貧乏すると、生活の苦しさのために精神の働きまで愚鈍になる。

一見すると読んで字のごとくの意味に感じます。
ですが、もっと調べてみると、

「どんなに賢い人でも、生活が貧しくなると思考や知恵が衰え、頭の回転が悪くなってしまう」という意味が込められているそうです。


「冷静に考えればわかるのに・・・」

金銭的・経済的に窮屈な経験をした方であれば、身に覚えのある話ではないでしょうか。
「お金がない」という事実が差し迫ったとき、
気持ちにも余裕がなくなってきて、
まともな思考ができなくなります。

僕もそうでしたが、
本当に追い詰められたときは冷静な判断がつきません。
去年、プチブラック企業に勤めていた時がそうでした。
今年の1月末に退職したのですが、
半年ほど経った今になってようやく、
「あの頃は異常だった。」
と客観的に見つめることができるくらいです。

「パワハラがあったなら逃げてしまえばいい」
「人手不足なんだから人員を増やさなきゃダメだ」
「こんなに辛いのなら辞めればいい」

ちょっと冷静に考えればわかることも、
追い込まれた人間にはその判断がつかないことがあります。

自分は大丈夫だ、ではなく、
誰もが「鈍する」可能性があります。

お金がないからと借金を重ねてしまう
ギャンブルに手を出してしまう

暗い話題でいやになりますが、
事実そうした例が多くあるようです。

僕にとっても、
訳あって貯蓄もない状態で会社を辞めざるを得なかったとき、
余裕のなさから経験した苦い思い出があります。

4年ほど前、
正社員として働いていた群馬の会社を、
いろんな事情が重なり退職しました。

東京の実家に戻れたのはよかったものの、
貯蓄は一切なく、
家族に頼れる状況でもなかったために、
「お金がない・・・」と、
とにかく焦りました。

そこで、
お金を得る方法はいくらでもあるのに、
すぐにお金がほしいからと選んだ手段は
単発のアルバイトでした。

大手企業のパン工場の製造補助を見つけ、すぐに応募。
行ってみると、
様々なパンを製造するラインがあり、
いろんな作業工程をぐるぐると回る、目まぐるしい環境でした。

日雇いの仕事で、人の入れ替わりも激しいためか、
人間関係と呼べるものはほぼ皆無です。

人間を労働ロボットのような存在としてみなしているような感じでした。

大手なだけあり、
一日に製造するパンの数が相当なものらしく、
とにかく作業スピードを上げるように言われます。

作業スピードが遅いと、怒鳴られます。

そんな環境で働いた結果、
僕自身の軟弱さも相まって、
ものの見事に一発KO、
40度を超える高熱を出して寝込んでしまいました。

仕事が終わることには全身から寒気が引かず、
電車の中も、たいして気温も低くないのにずっとブルブルと震えてました。。
あんなに高熱になったのは10数年ぶりです。


工場などの現場作業が厳しいものだと知らなかったわけでありません。

大学時代にも皿洗いの派遣アルバイトをして、

肉体労働 + 人間関係やばい

この雰囲気の現場はいやというほど経験しました。
少なくとも、静かな環境で仕事をしたいと思う自分に合わないのは確実でした。
にもかかわらず、
自らそこへ飛び込んでしまうのですから、

「お金がない」と精神的に自分を追い込んでしまっている時ほど、
思考を狂わされ、時にそれを自覚できないものです。


お金がない状況下では、
確かにやれることは制限こそされますが、
制限されるだけで、
その枠内で出来ることがきっとあります。

焦って行動してしまうと、
今以上に状況が悪くなることが往々にしてあると学びました。


学んでも忘れてしまうのが人間というものです。

「貧すれば鈍する」

この言葉だけは忘れないように、
自戒の念を込めてここに記します。

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