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『チェリまほ』に翻弄された「人を愛する」真意

こんなにも優しい愛に溢れたドラマは本当に久しぶりだったーー。
『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』
コミック原作の実写版ドラマ。テレ東系列の深夜枠。

<BL>〜Boys Love〜 男性同士のラブコメディ&ラブストーリー。

私はこのドラマを友人にオススメする時、BLであることは別に前置かない。
友人達は、観出して「あ、そういう系やったん?」と口を揃えて皆言うが、
3話が終わる頃には「ちょっと、なにこれ....切ないぃ......」と、
心の声が思わず漏れること100%だった(笑

それほどまでに性別や年齢、社会的立場、関係性などの区分を超越した、
純真で繊細な、どストレートの『人を愛すること』を表現したドラマだったと思う。

誰かに<愛される>ことで<喜び>を知り、
誰かを<愛する>ことで<不安>を抱き、
誰かに<愛される>ことで<傷つけてしまう事を恐れ>て、
誰かを<愛する>ことで<傷つくのが怖い>と思う。
愛というのは男も女も年齢も関係なくて、
シンプルに人が人を深く深く想うことが全てなんだ。と
改めて突きつけられたようだった。

このドラマのリアリティは登場人物が、
それぞれの心に小さな自信の無さを抱えて生きてきたことにあると思う。
容姿に恵まれた黒沢も、優しく真面目な安達も、才能のある柘植も、
夢を追い続ける湊も、明るく人ウケの良い藤崎さんも、天真爛漫な六角も。
「どうせ....」や「だって.....」と自分の自信の無さに、なんとなく蓋をし、
うまく誤魔化しながら自分を守って生きてきて、
そのわずかな心の引っ掛かりから生まれる、小さなほころび。
そのほころびに触れることこそが魔法だった。

魔法で聞こえたそれぞれの心の声は、
とてもシンプルで感情的で、単刀直入で素直で、
時には乱雑でとっ散らかってて。
でも、だからこそ誰もが共感できるリアリティがそこにはあって、
ただただ真っ直ぐに人と向き合い、躓いては進んで行く気持ちが、
いーーーーーーっぱいに溢れていました。

そして、このドラマの言葉全ては、本当に優しく愛に溢れて美しく、
11話で黒沢が安達に離れる決断を問う時のセリフ
「俺たち、もうここで やめておこうか?」
「別れようか」でも「終わりにしようか」でもない、
「やめておこうか」には、シビれました........。

そして最終回での、安達を後押しする柘植のセリフ
「気持ちに魔法は関係ない」
そして黒沢に思いのたけを吐き出した安達に応えた黒沢の台詞
「その力には感謝してる。でも魔法は関係ない。好きな気持ちに」
これはこのドラマの全てを回収する言葉だったと思います。

気づけば誰もが
黒沢や安達、柘植か湊 このドラマの誰かに深く惹かれたり共感したり
心の琴線にそっと触れられるみたいに、心がどっかキュンとするはず。
だってそれは、男だとか女だとかなんて関係なく、愛情も友情も含め
「人を愛する」という事は皆んなの共通項で、すんごく単純な事だ。
と、気付かされた『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』
〜チェリまほ〜 は、本当に本当に最高のドラマで、
これぞ人間愛のヒューマンラブドラマだと思う。

ま、あと、、これだけはお伝えしておかなければです。
イケメンいっぱいで眼福です(笑
美しいです。可愛いです。カッコ良いです。素敵です。優しいです。
沼です。昇天です。もったいない。です ←劇中かよ!

とはいえ、メインの2人はキスシーンどころか
上半身さえも裸シーンが一切ないんだからね。
そんなほっこり純愛ラブストーリー、令和になかなかないよね(笑


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