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買う派 借りる派

若い頃は1~6年周期で引っ越していました。最初の1人暮らしは伊豆半島の某町、そこから西新宿、練馬、水戸、中標津……と点々としていました。
思いつきでふらふらと旅をするのが好きで、根無し草のように環境を変え、関わる人を変え、自分自身さえも変わった気持ちになっていたものです。

それが「下町、寅さんが好きだから」と、柴又界隈の家を探し始めてたどり着いたのが今の場所。そのままずっと「いつかどこかへ」と思いながら、柴又の隣町あたりで賃貸住宅に住み続けています。

柴又帝釈天(題教寺)(画像:Pintarest 柴又帝釈天様)

そんな私が数年前、不動産関連の書籍で編集・執筆協力を担当することになりました。引っ越しが多かったので、「うんうん」とうなづける話や「あれはヤバかったんじゃね?」と思いだす話を聞き、制作中は楽しい時間が多かった記憶があります。

そんな中、「家を買う派、借りる派の論争は永遠に決着がつかないだろう」という話が出ました。どちらにもメリットデメリットがあり、それは甲乙つけがたいと思うのですが、皆さんはどう考えるでしょう?
ざっくりと、少しだけ書き出してみると……

結局は、その人の生活スタイルや考え方次第。自分と違う意見を持っている相手だからといって、非難したり説き伏せようとしたりすることはおかしなことです。

私の場合は、上述の通り借りる派です。引っ越しが気分転換にはすごく大きな効果を発揮すると思っていますし、いつかまた旅に出たいですから。
加えて、それだけの稼ぎがないですし、なにより出身地の伊豆にはまだ実家が残っているので、購入ははばかられる感じです。

そんな私も少年時代には「こんな家に住みたい」という夢を思い描いていました。これがまたすごく贅沢。当時考えていた条件を簡単に列挙すると、
 ・木造の大きな日本家屋
 ・囲炉裏と太い梁
 ・屋根裏部屋付き
 ・壁と一体化した天井までの書棚が随所に
 ・書斎は洋室にして、ロールトップの机を置く
 ・地下に防音室を作り、大きなスクリーンを据える
 ・そこに充実した音響システムを設置して大音量再生
 ・その裏に映画フィルム(今ではブルーレイ)の倉庫 などなど

ロールトップデスク。上部のシャッターが開いて、デスク面が現れる
(画像:Pintarest Lloyd's Antiques様)

今ならこれらに加えて、ハイエンドPCやネット環境なども入るのでしょうが、まあ宝くじで当たっても土地付きで建てることは不可能じゃないかと。でも、そうやって空想する時間が楽しくてたまらない少年期でした。

買うも借りるも自由。生活を賄える範囲で実践すればいい。
私はきっと、実家問題が解決しない限り購入の選択肢は出てこない、と思います。

【画像】
 ・Top画像:PhotoACよりexcel7


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