見出し画像

ラノベ執筆に活かす、日本の”名家”について学ぶ

 魔法科高校の劣等生、めっちゃ面白いですよね。

 特に個人的に好きなのは「十師族」みたいな家格の設定

 家格という設定があるおかげで生まれる上下関係、湧き上がる偏見や差別・嫉妬の感情、それらが大逆転する爽快感、そんなところが面白いし、自分の作品にも取り入れてみたいなと思いました。

 そこで、そういった家格のようなものを調べていくと行き当たったのが「閨閥」という言葉。意味は以下の通り。

閨閥とは、外戚を中心に形成された血縁や婚姻に基づく親族関係、又はそれから成す勢力、共同体、仲間などを指す。もともとは中国語で「閨」の意味は夜、寝るための部屋のこと。
出典:ウィキペディア

 有名なところだと、総理大臣経験者である吉田茂、鈴木善幸、麻生太郎、宮沢喜一、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三などは親戚である、など。

 すると、日本の閨閥、もっと柔らかい言い方をするなら、名家がどういった変遷を経て名家足り得ているのか、について調べてみました。

家格の起源は平安時代まで遡る

 当時であると「武家」と「公家」という分類があって、公家には色々と家格がある。公家のざっくりとした家格の分類は以下の2つ。

堂上家:殿上間に昇殿することができる
地下家:殿上間に昇殿することができない

※殿上間=偉い人だけが入れる場所、殿上人(てんじょうびと)という言葉も。

 なので、堂上家と地下家では大きな隔たりがあるわけです。

 そして、堂上家と地下家の中でも細かく家格が細分化されていて、「あの設定はここから来てるんだ!」といったものもあるので、ぜひ見てみてください。

藤原氏の五摂家は堂上家の1つ

 まず、堂上家には摂家、清華家、大臣家、羽林家、名家、半家という分類があります。明治維新以降は多くが華族になったそう。

 そして、各家では家業を持っています。例えば、清華家の1つである西園寺家の家業は琵琶であるなど。

 インスピレーションに繋がるかもしれないので、各分類に所属する家柄について細かく記載していきます。

摂家(家業は政であり、有職故実)
近衛家 ※近衛文麿を輩出
鷹司家
九条家 ※現在の明治神宮宮司
二条家
一条家
清華家
三条
西園寺 ※察しの通り、西園寺公望を輩出
徳大寺
久我
花山院
大炊御門
今出川
大臣家
中院家
正親町三条家
三条西家 ※家業は歌道で、明治天皇の和歌師範
羽林家
藤原北家閑院流(23家)
藤原北家花山院流(5家) ※飛鳥井家の家業は蹴鞠で、今ではサッカーの神
藤原北家中御門流(9家)
藤原北家御子左流(4家)
藤原北家四条流(7家)
藤原北家水無瀬流(5家)
藤原北家高倉流(2家)
宇多源氏(3家)
村上源氏(8家) ※岩倉具視の岩倉家など
名家
藤原北家日野流(12家)
藤原北家勧修寺流(13家)
桓武平氏高棟王流(3家)
半家
藤原氏(2家)
清和源氏(1家)
宇多源氏(2家)
花山源氏(1家)
桓武平氏(2家)
菅原氏(6家)
清原氏(3家)
大中臣氏(1家)
卜部氏(4家)
安倍氏(2家)
丹波氏(1家)
大江氏(1家)

 ちなみに、地下家は以下のように担う仕事で分類されており、江戸時代には460家くらいあったそう。そして、多くは明治維新後に士族に。

六位蔵人・院蔵人
外記方
官方
蔵人方
院司
諸家諸大夫
諸門跡坊官等

 より詳細に見たい方はWikiをご覧ください。とても整理されてまとまっています。(堂上家地下家

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?