心の風紀委員、悩む

たまには小説の話をします。もっとも、いつにも増してぼんやりした話なんですけども。

こやつ、以前から創作担当者のひとりではあったのですが、最近、二次創作沼にドボンしたことで存在が明確になりました。
「創作担当者」といっても全員私なので、とりあえずコードネーム?を「心の風紀委員」にしています。

心の風紀委員は、いわゆるステレオタイプな風紀委員で、主にえっちい表現をジャッジする人です。「ステレオタイプな風紀委員」のあたりですでに偏見入りまくりですが、それはさておき。
全年齢向けの本でこのえっち(ぽい)匂わせ表現はありか、こう書いたがレイティングは必要か、という重要な判定もしますし、
「ちょっとえちえちな雰囲気に持って行きたいけど真っ昼間なんですよね……」
「どうにかして夜にしましょう」
とか、
「(二次創作において)このタイミングで推しがえっちっちーな展開に至るのですが」
「断固!不可!!!」
……というような判断を下します。要するに、検討する過程のことです。
(ちなみに、ポリコレ担当者は別にいて、まだまだ知識が浅い&判定がぬるいため勉強中)

一次創作の、小説同人誌という表現媒体、方法において、いわゆるレイティングはゆるめなのではと思っています。漫画に比べれば特に。小説(に限りませんが)は婉曲的表現が可能ですし、婉曲的に書いた方がえっちい、という場合もあるでしょう。
私はそういうふうに書きたいのですが、やっぱり時と場合はありますし、例えば小学生が手に取って読んで大丈夫か、という問題もあります。「自分の子どもに見せられるか」という問いかけも(私はこの手の質問は嫌いですが)。
そして、レイティングに厳密にすればするほど、売る場所がなくなってゆくのも事実ですし(知人どうしでR18同人誌を委託できるか? など)、いろいろな意味で難しい問題なので毎度悩みます。
心の風紀委員ももちろん悩む。

実際のところ、一次創作の小説同人誌を発行するにあたり、風紀委員がひとつの目安にしているのが、須賀しのぶさんの「流血女神伝」です。これがコバルト(少女小説のレーベル)で発行されたことを踏まえて、表現とか(「流血女神伝」にえっちいシーンがあるかといえば、直接的な表現としてはほぼないんですけど……)物語世界における倫理観とかの参考にしています。
手元には置いてなくて、昔読んだときの衝撃だけが判断基準なんで、正直なところ危うい自覚はあります。が、自作に対し「こんなもん全年齢で出すなや」とお叱りを頂いたことはないので、OKという解釈でいます……。

それはそれとして二次創作が悩みどころなのであった……

先日、漫画家さんの「自分の漫画の登場人物でエロを描かれるのが嫌」というますだの記事が流れてましたが、なんとなくわかるのでよけいに風紀委員は悩むのです。
原作において性的な接点がないキャラを、同性愛・異性愛問わずおせっせさせてよいものか?原作の余白を空想で補完するのが二次創作の醍醐味なのでは?しかしこれを原作者さんに見せられるか?「不快感」を与えないか?キャラ崩壊していないか?そもそもキャラクターのイメージ・解釈なんて受け手次第では?

……と悶々と考え、やっぱり答えは出ません。
自分的、ひとまずの回答はあるのですけど、風紀委員が納得しているかと言えばそうでもなく。
確たるひとつの答えが出てはいけない(=強制されてはいけない)問題だとも思うのですが、なんというかこう、難しいなあ……(ぼんやり)で締めざるを得ないの、とてもモヤる……。


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