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あの商品が売れるワケ【ジョブ理論】

世の中にたくさんの商品・サービスがありますが、売れているものには必ず理由があります。今回のnoteで紹介する「ジョブ理論」では、その売れる理由が綴られています。

①ジョブ理論とは
②ジョブの見つけ方
③顧客が求めていることとは?
④最後に

ジョブ理論とは

冒頭でも記載しましたが、人が商品やサービスを購入する時には必ず理由があります。その理由は、なんらかのジョブ(用事・仕事)を片付けるために何かを「雇用」しているということです。

商品を売る側が考えるべきなのは、「良い商品(プロダクト)をつくる」という視点よりも「顧客がその商品を購入することでどんな進歩が得られるのか?」という視点なのです。

本書で実例で上げられていたのが「ミルクシェイク」の例です。「ミルクシェイク」を販売するカフェが、さらなる売上アップのために、売れている理由を追求しました。

まず分かったのが"朝にミルクシェイク"が売れている"ということと、"車で通勤をするサラリーマンの購入がほとんど"ということです。

さらに、実際に買った人にインタビューして聞いてみると「車を運転する30分間、ランチまでの空腹を満たすため」という理由で「ミルクシェイク」を買っていました。

もともと競合だと思っていた「コーヒー」などは競合ではなかったのです。むしろ「バナナ」「ガム」など、"運転中の30分間の空腹を満たしてくれるもの"が競合にあたると気づいたのです。

それにより、「ミルクシェイク」にチョコチップを入れるなどのより空腹を満たす工夫をしたことで、顧客に喜ばれ売上にも繋がりました。

ジョブの本質を掴むために

では、そういったジョブを本質的に掴むにはどうしたら良いのでしょう?
顧客は自分の望みをうまく言ってくれるとは限りませんよね。

ただ、自分が悪戦苦闘していることは伝えることができます。

・顧客が成し遂げようとしていることは何か?
・それがいまうまく機能していないのはなぜだろうか?
・何か新しい解決策がほしいと思わせているのは何か?

こうした答えを探すためのシンプルな方法はストーリーを描くことです。

昔は...毎日....あるとき...ああだったから、こうした...こうだったから...ああした....

こういった顧客のストーリーを組み立てることで、ジョブの文脈の把握ができます。エアビーアンドビーの創業者たちはこのことを明確に理解していました。エアビーアンドビーのホストとゲストのさまざまな感情の動きを45種類もストーリーに描いたのです。

他にも、このストーリーを描くことで成功した企業の例があります。
「V8」という北米と西ヨーロッパの消費者にとってはなじみのある野菜ジュースのブランドです。

市場競争が厳しいジュースや飲料水業界の中で、自社製品を差別化するにあたってストーリーを描きました。

郷里を離れてひとり暮らしをはじめることになったとき、毎日野菜を食べると母さんに約束した。でも毎日何かと忙しい。いまいましいニンジンの皮を剥いたり、しなびたホウレンソウをゆでてはポパイはなぜこんなものが好きなんだろうと考えたりしていると、あの日母さんに約束なんてしなければよかったと思う。まずいくせに料理するのにやたら時間がかかる。そんなとき、毎日V8を飲めばいいんだと気がついた。野菜ジュースを片手に車を運転しながら母さんに電話をかけ、約束したとおり毎日野菜を食べているよと報告できる。

ジョブのレンズを通してみると、「V8」はダイエット・コークやカプチーノと競う必要がない。野菜と勝負する立場ということに気づきました。

「V8」はニンジンの皮を剥いたり、ホウレンソウをゆでたり、セロリの筋を歯の隙間からフロスでとったりする手間がいならいことが強みなのです。

これにより広告を変更したことで、1年もしないうちに売上が4倍にも膨れ上がりました。

顧客が求めていることは?

本質的なジョブを掴み、プロダクトを開発・マーケティングするうえで最も重要視するべきことが「"機能面"と"感情面"のバランス」です。

特にプロダクトの機能面に偏りすぎてしまうことが多く見受けれます。

あの、P&Gも中国市場に紙おむつを初めて売り込んだ時に失敗をしています。中国には、紙おむつを使う習慣のない乳幼児が何千万人もいるので、
「充分に安い値段でおむつを製造できれば、すぐに市場拡大できる」と考えていたのです。開発努力のすべてが、"排泄物を閉じ込める機能をもった器"を10セントでつくることに注がれました。

しかし、この目論見は外れました。では、なぜ売れなかったのでしょうか?
P&Gは顧客インタビューにて「この1週間で何が1番良かったか?」という質問をしました。

「1週間でいちばん良かったのは、夫との睦まじい行為が戻ったこと」と嬉しそうに答えたのです。夜、赤ん坊が目を覚さなかったから、ずっと眠ることができたのです。

さらに調査を進めるとP&Gパンパースをつけた乳児は寝つきが30パーセント早くなり、毎晩の睡眠時間が30分長くなったと報告したのです。さらに、よく眠れることと認知能力の発達とのあいだに関連性があることを示しました。

それらを踏まえP&Gが出した広告は「夜よく眠る子は頭がよくなります」という内容でした。その結果、パンパースは中国で最も売れる紙おむつのブランドになりました。

最後に

ジョブ理論について書きましたが、どうでしたでしょうか。

個人的には、営業をやっていることもあり業務にも活かせる点もありました。顧客がどういう状況で、何を目指しているのか、何が障壁なのかを把握するというのは営業でのヒアリングに繋がります。

「"機能面と感情面のバランス"」というの営業をするうえで、気を付けるべきポイントだなと感じました。自分も振り返ると、会話が機能面の話になりがちだったので、顧客のレイヤーなどに合わせ「感情に響くのは何か」を考えて営業活動を行っていこうと思います。

ジョブ理論はマーケティングの本として読まれることが多くあるりますが、営業の方も読んでおいて損はないかと思いますので是非お読みください。



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