10年かけて日本一!DUOクレンジングが売れる理由を分析してみた。【プレミアムアンチエイジング社】
2020年に日本一のクレンジングとなった「DUO(デゥオ)クレンジング」ですが、2010年からの10年間をかけてどうやってNo.1に上り詰めたのか。調べて考えたことをnoteにまとめました。
そもそも、私は3年ほどWEB広告の業界にいるのですが、DUO(デゥオ)クレンジングは化粧品の中でもダントツに売れているイメージでした(笑)
そんな商品について、こうしてnoteでアウトプットできることを大変嬉しく思います。
目次
①プレミアムアンチエイジング社について
②大ヒット商品DUOクレンジングが売れている理由
③まとめ
①プレミアムアンチエイジング社とブランドについて
プレミアムアンチエイジング社は、DUO(デュオ)の誕生年と同じく、2010年に立ち上げられました。
DUO(デュオ)はそこから、日本最大のコスメ・美容クチコミサイトでの1位獲得、クレンジング業界での売上1位となるなど、凄まじいほどに売れる人気ブランドとなっています。
こちらは、DUO(デュオ)の月次の売上高推移です。
2020年で15億前後/月だった売上も、今では倍の30億/月を超えるまでに、成長しています。
売上の比率をみると、通信販売費が60〜70%ほど、残りの30%〜40%ほどが卸売販売という形は発売当初から変わっていません。
ちなみに、DUOクレンジングバームシリーズは2020年の6月で、国内のクレンジング市場のカテゴリで売上No.1となっています。
※TPCマーケティングリサーチ㈱によるクレンジングブランド別シェアランキング調査(対象期間:2019年4月~2021年3月/調査時期:2020年6月および2021年6月)
また、DUO(デュオ)の成長の傍ら、新ブランドも3つ開始しています。
特に注目すべきブランドが、2020年に販売開始された「CANADEL(カナデル )」です。
というのも、カナデル は販売開始当初から、イメージモデルに「米倉涼子さん」を採用しCMも放映しています。
さらに、2021年には従来のオールインワン化粧品ではなターゲットとされていなかった20代〜40代の顧客層にアプローチすべく「吉瀬美智子さん」「広瀬アリスさん」のダブルキャストでのCMを放映しています。
ブランド立ち上げ直後のCM放映に関しては、DUO(デュオ)でのCM放映による成功を別ブランドでも展開していることが考えられます。
※DUOのCM成功については、後ほど触れます
②大ヒット商品DUOクレンジングが売れている理由
ここからは、日本一のクレンジングとなったDUO(デュオ)がなぜ売れているのか。様々な要因があると思いますが、私の中で「これだ!」と思う理由を3つ紹介します。
1.顧客を理解した商品設計
まず、1つ目ですが、顧客の悩みごとに異なる商品を設計していることです。
DUOクレンジングは26SKU(定番商品の数)を展開していますが、商品ごとにターゲットとアプローチしていることが明確に異なります。例えば、
・エイジングケア
・大人の毛穴ケア
・黒ずみ毛穴ケア
・くすみケア
・乾燥・ゆらぎケア
など、それぞれ顧客の悩みに特化した商品を展開しています。
他にも、
「デュオザクレンジングバーム いちご」
「デュオザクレンジングバームホット」
など期間限定の商品を販売することがたびたびありますが、これも顧客の悩みにパーソラナイズして商品設計をしています。
それぞれ違った悩みを持つ顧客に、悩みに特化した商品を届けることは、満足度や継続率がアップする要因の1つとも考えられます。
前回のnoteにも書いたFUJIMI(フジミ)や、MEDULLA(メデュラ)もそうですが、「パーソラナイズ」という言葉がまさに当てはまっています。
また、それが顕著に現れている取り組みとして「スキンケア診断」というものを始めています。
これは、WEB上で5つの質問に答えることで、現状の悩みと、それにぴったりなスキンケア方針と商品を教えてくれるというものです。
DUOの公式サイトを見ていたら発見しましたが、WEBサイトの導線からすると、現状はメインで打ちだそうとしているコンテンツではないと感じました。
質問の数が5個と少ない(FUJIMIは15個以上の質問があるのに対して)ことを考えると、テスト的に行っている取り組みかもしれません。
今後どのような形で、スキンケア診断が活用されていくのかは注目していきたいです。
さらに、プレミアムエイジング社の自社メディアを見てみると、
乾燥肌や脂性肌などそれぞれの悩みをもつ社員さんごとに、インタビューをしています。
内容としては、それぞれの肌に合わせたDUO(デュオ)を活用したスキンケアについてです。
こういったように、ただのお肌の悩みではなく、人によって異なる悩みに合わせた商品設計、コンテンツ作成こそが売れている理由の1つではないかと思います。
2.認知度アップを目的としたテレビCMの放映
2つ目に関しては、noteの冒頭でも少し触れているCMについてです。
DUOクレンジングは、2018年10月に初めてCMを放映しています。
「デュオ本兄弟/とろけてナイト」篇は、9月度CM好感度ランキング「化粧品業類」で1位を獲得しています。
※ランキングは、CM総合研究所が東京キー5局でオンエアされた全CMを対象に、関東一都六県在住の3,000人に実施する「月例CM好感度調査」より集計されたもの。2018年8月20日〜2018年9月19日の調査期間中、「化粧品業類」においてオンエアされたのは全72銘柄
このCMは、KinKi Kids・堂本光一さん、堂本剛さんを起用し、2人が“デュオ本兄弟”という架空の人気歌謡デュオに扮し、ヒットシングル「とろけてナイト」にのせて「♪お肌の調子はデュオですか」などと歌う内容です。
ここで注目したいのが、「デュオ」という商品名を歌にのせて強調しているところです。
実は、当時CMを放映する前の市場調査で、「DUO」という文字はデジタル広告で見たことがあるけど、「デュオ」という言葉を耳から聞いたことはないという顧客が一定数いることが判明しました。
それを踏まえて、商品名の認知を目的としたCMを放映したことは、DUO(デュオ)がこれだけ売れている要因の1つに違いないと思います。
3.売れるLP(ランディングページ)構成
DUO(デュオ)の売上の6、7割はWEBでの販売が占めています。
そんなWEB販売で重要となってくるのがLP(ランディングページ)ですが、どんな要素が詰まっているのかDUO(デュオ)のLPを分解してみました。
LPを4段落に分け、それぞれの内容と、売れるポイントを解説しています。
解説の部分については、本来であればheatmapなどを活用して根拠に基づくべきですが今回は私の経験に基づく意見となります、ご了承ください。
①商品の特徴+話題性
・商品の特徴(推しポイント)である「真っ黒炭クレンジング」を強調
・GIFを活用して「汚れが落ちる」という体験を想起
・「即完売」「注文殺到」など、売れている商品だということを提示
【私の解説】
LPの最上部であるFV(ファーストビュー)は、顧客が最初に見る(印象に残る)ので「1番伝えたいこと」を訴求することが多いのですが、「真っ黒炭クレンジング」は見たことがない新鮮さがあるので、顧客が興味を湧いて続きが気になるポイントではないかと思います。
②悩みの定義
・4つの悩みを提示
1.黒ずみ、毛穴汚れ
2.Tゾーンや頬にブツブツを感じる
3.メイクが崩れやすい
4.テカリ肌
・タンパク汚れと角栓汚れを放っておくと、ガチガチに固まって取り去りにくい状態になるから、毛穴汚れがなくならい
【私の解説】
顧客が抱えるリアルの悩みを提示していますが、「その悩みを放っておくとどうなるのか」という部分がポイントです。まさに、潜在的な悩みを顕在的に引き上げるということを、この部分で行っています。
※個人的に潜在層へのアプローチは、記事LP(体験談の記事)を活用するのが効果的だと考えていますが、今回はLP単体に限った意見を書いています
③悩みを解決する根拠を提示
・6種の発酵エキスでザラつき防止
・独自の角栓溶解オイルで固まる要因"皮脂"をジュワッと溶かす
・新開発「ブラックパウダー×活性炭」が吸着クレンズ
【私の解説】
小手先の話になってしまうのですが、悩みを解決するイメージを視覚的に「GIF」で伝えるというのがポイントになってくるかと思います。他商品のLPを見てもこの段落には、必ずと言って良いほど「GIF」が活用されますが、やはり動きがあって伝わりやすいです。
④使用感
・DUOクレンジングの使用方法を3ステップで説明
1.バームをすくう
2.なじませる
3.洗い流す
・「シトラスの香りで毎日のスキンケアタイムを至福の時間◎に」という表現で顧客体験をリッチ化
【私の解説】
使用感については「さくらんぼ大の量」「くるくる円を描くように」など、少ない情報で伝わりやすい言葉になっているのがポイントかと思います。
さらに、顧客に伝わりづらい香りについては「至福の時間に◎」という言葉によりとにかく良い香りというのが伝わってきます。
今回、DUOクレンジングブラックバームのLPを分解してみて感じたことは、LPにおいても「ワンメッセージ」がとにかく重要だと感じました。
ダラダラと伝えたいことを書くのでなく、「ワンメッセージ」でシンプルに表現する。
まとめ
ここまでDUO(デュオ)をはじめとした「プレミアムアンチエイジング社」の取り組みを振り返り印象的だったことは、「顧客をよく見ていること」です。顧客の悩みを理解することもそうですし、商品がどれだけ認知されているかを俯瞰的に見ているところも含めてです。
「顧客がどうなのか、どう思っているか」をベースに施策を展開していることが、プレミアムエイジング社の強みだと思いました。これはマーケティングにおいても当たり前のことですが、意外とできてない場合もあるのでは、と僕自身も振り返って感じています。この学びを機に、改めて「顧客を知る」という基本に立ち返ってみようと思います。
これを読んでくれた皆さんも、マーケティングなどの気づきの機会になって頂けていると幸いです。
また、本noteへのご意見などはコメントにてお待ちしております!
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それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます!
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