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#016 デモリール/ショウリール 制作アドバイス by Ko Iwagami

割引あり

🦖岩上紘一郎 / Ko Iwagami - Casting Director
Casting Society of America (全米キャスティング協会正式会員)
・2024 D&AD Award Casting Category審査員
幼少期からハリウッド映画に憧れ、中学卒業後、単身で渡米。 高校卒業後、デュー・デート』『アベンジャーズ』『ウルヴァリン:SAMURAI』などの制作に携わる。世界の舞台に日本人を輩出することを使命とし2015年に株式会社カイジュウを設立。
東京とロサンゼルスを拠点に、大手企業のグローバル広告、グラミー賞受賞アーティストのMV、全世界人気リアリティー番組、数々のテレビドラマや劇場公開映画のキャスティングを手がけるなど、活躍の場は多岐にわたる。「The Hollywood Reporter」「The Japan Times」は「既存の枠組みを超える世界との架け橋」と評した。2022年よりAmazon Studiosにて「Head of Casting Japan」として就任し、Prime Vidoeオリジナルコンテンツのキャスティングの総括に当たる。
代表作:「全裸監督シーズン2」(Netflix)、「TOKYO VICE」(HBO Max / WOWOW)、「PACHINKO」(Apple TV+)、「コットンテール」(日英合作映画)、「バチェラー/バチェロレッテシリーズ」 (Amazon Prime)など。

Writer's Profile

「デモリール」と「ダイジェスト映像資料」

最近の投稿が一気に「デモリール(Demo Reel)」 関連の話になってきているので、さらに突っ込んで、キャスティング目線から「デモリール」制作を目指す俳優のみなさまへ、鈴木亮平さんと一緒に製作したデモリール『Spiral Shackles」を参考に気をつけるべきポイントを書いてみようと思う。

また、すぐに「デモリール」が準備できない方に向け、過去出演作を短くまとめた「ダイジェスト映像資料」に関しても簡単に触れてみる。どちらも、「俳優の実力をアピールする大切なツール」なので、ぜひ参考にしてほしい。

デモリール『Spiral Shackles』

鈴木亮平さんが「英語でのお芝居」を見せるために制作した「デモリール用映像作品」 監督/制作:岩上紘一郎、脚本/制作:松崎悠希
Produceded by Ryohei Suzuki, Ko Iwagami, Yuki Matsuzaki
Written by Yuki Matsuzaki
DoP : Asumi Sako
Gaffer : Tsuguhira Takada
Production Design : Sango Nakamura
Sound Mixer : Shiho Miyazawa
Hair and Make-up : Ren Miyata
Stylists : Issei Inada, Yosuke Mizuno
Associate Producers : Yoshitate Kuremura, Rikiya Takano
1st AC : Masahiko Takeoka
Set Decoration : Ayako Muroi
Electrician : Takashi Watanabe, Naoto Ohata, Yu Ichikawa
Editor : Kenji C Green

尺について

「デモリール (Show Reel:ショウリールとも呼ばれる)」の尺に関して、よく「2分間で作るのが業界の常識」と聞いたことがある方は多いのではないだろうか。

実際のところ、決められたルールは存在しない。ただし、ここで抑えておくべきポイントとして重要なのが、見る側(キャスティングディレクター)には思っているほど時間がないということ。

1つの役をキャスティングする際、時に数百もの応募に目を通するため、提出された資料一つ一つに時間をかけ、全てを確認することは物理的に難しい。コンパクトに制作する配慮はありがたいが、実はそれよりも重要なことがある。

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