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読書日

お昼、ふと思い立って家を出た

自転車で駅まで約10分

ムッとした湿気を含んだ暑さが身を蝕む

ホームに滑り込む上り電車に飛び乗って

東京メトロ副都心線急行電車に乗り

新宿三丁目から丸ノ内線

新宿から京王新線

降り立った初台は ビルと人と車の群れ

遊具のない公園を通り過ぎ

現れたトリコロールのポールの真上

青い階段をあがった先に

私の読書を過ごす時間は現れる

重たい扉を開けば それまでの暑さはなんのその

爽やかな風が 肌を優しく撫でてくれた


所狭しと詰め込まれたたからものたちと

本棚たからばこがひしめきあい

グルグルとコーヒーを煎る音あふれる


手始めにお味噌汁の定食を頼み

食べ終えたら読書

1冊読み切った頃には夕方5時

されどまだ日は暮れない 夏だから

新しく取り出した1冊を読みつつ

ベイクドチーズケーキに レモネードを注文

「レモンも一緒にお召し上がりください」

渡されたフォークで

ゴロッとした氷の塊を避けつつ

苦い酸っぱいレモンを口に含み

ああ 夏に耽る


店を出る頃には すでに6時過ぎ

されどまだ 日は沈まない

来たときと同じようなルートで帰路につく

今日1日の仕事を終え 疲れ切った顔をした会社員の

中に埋もれて 揉まれて 揺られながら

舌に残った 夏の味に思いを馳せる


今日は水曜日

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