見出し画像

今年の秋祭りは4年ぶりだが

小学校のPTA仲間に声をかけられて、祭りの準備に参加しました。
コロナ禍もあって4年ぶりの秋祭りの準備です。

わが町の秋祭りは各部落がその年を象徴するハリボテを創作し、山車の上に乗せて練り歩きます。
規模や精巧さはまったく比較になりませんが、「青森のねぶた祭」を想像してもらえたらと思います。

そのハリボテは、おもに小学生の親が集まって製作するので、私はかれこれ5~6年たずさわっていません。
しかし、4年ぶりの祭りということで少しは手伝ってあげないといけないな、と思って参加しました。

晩ご飯をすませて街灯のない道路を歩いていくと、ハリボテを製作する場所である公民館の倉庫の薄明かりが見えました。
倉庫の入り口近くで顔見知りの親が私に気づいて声をかけてくれました。

倉庫の中には顔を知らない親が2人いて、直径2メートルぐらいの球体がありました。
(え、祭り今週末なのに、全然進んでないな)と思ったら、さっきの顔見知りの親が「どうですか?」というので、「うん、順調だね」と冗談で言ったら、「これで出来上がりです」と屈託なく言いました。

球体の正体はバスケットボールでした。

私が責任者だった2回は、大河ドラマの坂本龍馬、妖怪ウォッチのキャラクターでした。そのほかにもポケモンやらゴジラやら、メインで山車を引いてくれる小学生や幼児たちが喜んでくれるようなものを題材にしていました。

しかし、いくらW杯で盛り上がったとはいえ、ボールのハリボテとは…。

忙しい中を夜に集まってハリボテを作る作業は、当時の私は正直負担を感じていましたが、楽しみにしている子供たちや地域の人たちが喜ぶことを想像して作っていました。

このハリボテを見たみんなはどう思うだろう。子供たちは喜んで山車を引いてくれるだろうか…。

ただ、担当した小学生の親たちを批判する意味ではありません。コロナ禍の4年間が私たち世代の親と今の親との、大げさに言えば文化継承ができていなかったことが悲しいのです。

小学生の親たちに押し付けていたこの作業を今後どうするか、真剣に考えていかないといけません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?