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そもそも、みんなが魔術書を知らないのではと思い始めた

みんな魔術書って知ってるぅー?!
魔術書を書くよ!と言いつつ、まず魔術書とは何か、説明しないとダメなのではないか?!と気がついた魔女です。

と、いう訳で、まずは魔術書について語ろうと思います。

魔術書(グリモワール)とは?
11世紀から19世紀にかけてヨーロッパに流布されていた魔術の書物のこと。

魔術書自体は古代からエジプトなどで書かれていましたが「グリモワール」と言うと紀元後ヨーロッパの物を指します。

肉筆の物でないと魔法の効力がない、と考えられていたため、印刷技術が発達して以降も手書きの物が多く見られる魔術書。
魔法円一つ描くにも上手い人と味のある人がおり、見比べるのも面白いです。

魔術書に書かれているのは主に召還術
「エロイムエッサイム、我は求め、訴えたり」と水木しげる先生の『悪魔くん』に出てくる悪魔を呼び出すあれです。天使や精霊の場合もあります。

「エロイムエッサイム、我は求め、訴えたり」が載っている魔術書の一つに『黒い雌鶏』があります。
(魔術書は写本され、複製され、タイトル違いで再出版され...詳細が異なる様々なバージョンがあるので複数の書物に似たような魔術が載っているのです。)

タイトルにもなっている「黒い雌鶏」とは魔術アイテムの一つで、
悪魔を召喚できる他"ここ掘れワンワン"的に宝を探してくれるという言い伝えで人気でした。

やってみよう!エロイムエッサイム
まず、汚れが全くない綺麗な鶏の卵をゲットします。

次に、なるべく黒い雌鶏を持ってきます。黒くない羽が混じっていたときは抜きましょう。
フードなどで鶏に目隠しをし、真っ暗な箱の中に入れ、陽に当てないようにして飼育します。餌は夜だけ与えてください。
選んできた完璧な卵を闇に染まりし雌鶏に温めさせます。

これで、温められた卵は闇に染まりし暗黒の卵となり、
やがて闇に染まりし暗黒羽化の黒き雄鶏生まれます!

闇に染まりし暗黒羽化の漆黒の翼の雄鶏の使い方
あとは簡単!夜中に闇に以下略の雄鶏を十字路に持って行き、
糸杉の棒で魔法円を書き、真ん中に立って鶏を2つに引き裂くだけ!

そして呪文を3回唱えましょう。
「エロイムエッサイム、我は求め、訴えたり」

最後に東を向いて跪き、呪文を唱えて偉大なる名前で終わらせましょう。

おめでとうございます!これで悪魔が召喚されました!

ちなみに召喚される悪魔は不明です。
服装と容姿だけ大雑把に書いてありますが一体誰だ。
悪魔ガチャになる可能性があります。

*効力のほどは保証しません、魔術は自己責任です。
日本語の詳しい記載はこちらの魔術書から。

黒い生贄、十字路信仰、血を捧げる...まってこの儀式デジャヴ...ウッ頭が!
その昔、古代ギリシャでは黒い毛の動物を冥界の王ハデスに捧げていたという。
十字路や三叉路には魔術の神ヘルメスや女神へカテの像が立ち。
とりわけ、冥界に属するとされていたへカテにはハデスと同様黒い毛の動物が捧げられていたとか...。
そして召霊の儀式には霊と会話をするために、動物の血が必要とされ...。

待て!またお前か古代ギリシャ!!

忘れられた古代の魔術
古代ギリシャは古代ローマに征服され
(というか古代ギリシャ、国という概念がなかったのでぬるっと古代ローマ勢に吸収される)
その古代ローマは4世紀にはキリスト教を国教とし、ギリシャの神々をはじめとするすべてのキリスト教以外の信仰を禁止としました。

もちろん、ヘルメスやへカテの信仰を基盤とした魔術の分野においてもいうまでもありません。
これを機に古代ギリシャ、古代ローマから続く知識の多くがヨーロッパ世界から忘れ去られていきました。

800年後、古代魔術逆輸入される。
ヨーロッパにおける魔術書の始まりは11~12世紀と考えられます。
このころ、十字軍が中近東へ遠征し、アラビアの学術がヨーロッパに知られることになりました。数学、天文学などのほか、占星術、召霊術などの魔術も含まれていました。
これらの知識を元に「グリモワール」の魔術は書かれていったようです。

アラビアの学問は、ヨーロッパで忘れ去られた古代地中海世界の知識の宝庫でした。
古代ギリシャ、古代ローマの学問や魔術もアラビアで引き継がれていたので、様々な知識がこの頃を機に逆輸入されます。

逆輸入されても魔術はそうそう流行れない。
忘れ去られた魔術が逆輸入で蘇った!これで魔術師も安泰!やったー!
と言いたいところですが、魔術書が出回った後の世でも魔術書の使用は犯罪とされるなど。魔術師の肩身は狭く、こそこそと魔術は研究されていきました。

そもそも、古代の魔術師も肩身が広かったかというと...巫女や神官など、公の宗教団体に比べるとフリーランスみたいな感じかと思うので、広くはないと思いますが。

魔術はこそこそ楽しむのがオツ
そんなわけで、魔術書はひけらかさずにこそこそと読む方が良いと思います。
いまだに「魔術書を読むのが趣味」などと言おうものなら「アイツやばい奴だ」と思われること必至です。

あまり群れない!それが魔術師!
ですが、召喚の際に4人グループで行うものもあります。手名付けたわんこで代用できるものもありますが、わんこと悪魔を呼ぶのは寂しいので、最低限の友人は作っておきましょう。

<まとめ>魔術書はこっそり読むものだが最低限語り合える仲間は作ろう。

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