開高健を訪ねて

開高健ファン数名で、ゆかりの地を訪ねたときのことを書いていきます。 アイコンのイラスト…

開高健を訪ねて

開高健ファン数名で、ゆかりの地を訪ねたときのことを書いていきます。 アイコンのイラストは長田真作さんによるものです。

最近の記事

【東京・四谷】広東料理「嘉賓」

 5月に81歳で亡くなった俳優の中尾彬さんは食通で有名でした。テレビ番組で覚えているのは上野精養軒のロケ。名物のビーフシチューを食べて、「あれ、今まで感じたことのない甘みがあるな」と渋い低音でつぶやき、料理自慢のお笑い芸人によるそっくりシチューであることを見破ったのには驚きました。  その中尾さんが足繁く通った中華が、四谷の広東料理「嘉賓(かひん)」。カキソース和えそばをよく頼んでいたそうです。細めの中華麺にオイスターソースをからめただけのシンプルな一品で、見た目は実に素っ

    • 【福井県坂井市】文学碑「悠々として急げ」

       北陸新幹線が今年3月、福井県敦賀市まで延伸しました。これによって東京から福井県内へのアクセスはずいぶんとよくなりました(大阪方面からだと、敦賀より東に行くには乗り換えが必要になり、やや不便になった気もしますが)。  県内で開業した4駅のうちもっとも東に位置し、東京からのいわば玄関口にあたる芦原温泉駅から車で20分ほど行ったところに、坂井市丸岡一本田という集落があります。開高健の祖父・弥作と祖母カネの出身地です。住宅が並ぶ一角を抜けると集会所「一本田福所集落生活改善センタ

      • 【神奈川県・茅ヶ崎】ラチエン通りのお蕎麦屋さん

        茅ヶ崎の開高健の自宅を改装した開高健記念館に行く途中、海へと向かうラチエン通りに、一軒のお蕎麦屋さんがある。 「そば処 江戸久」 開高さんは、通りの並びにある香川屋(私たちが訪れた当日もお客さんが大行列だった)で買ったメンチカツを持ち込み、それを平らげてから、盛りそばを食べていた、といくつかの雑誌で紹介されていました。 今は持ち込みOKなのかはわからないですが…いい組み合わせだなあ。 水泳教室に行く前によく食べに来ていたそうですが、運動前にこの量がちょうどよかったんでし

        • 【福井県越前町】料理旅館「こばせ」

           2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で、主人公の紫式部(まひろ)は父・藤原為時とともに越前国(福井県)に向かいます。越前市は紫式部親子が暮らした町で、市中心部には当時の書院造りの建物を再現した「紫式部公園」があり、大勢の市民や観光客でにぎわっています。  越前市中心部から車で30分ほど走ると越前海岸に出ます。若狭湾の入り口に位置する越前町梅浦という集落にあるのが、開高健が何度も訪れ、越前ガニを賞味した料理旅館「こばせ」です。訪ねたときはあいにくのオフシーズンで、カニを

        【東京・四谷】広東料理「嘉賓」

          【横浜中華街】開高さんが食した焼鴨

          横浜中華街、関帝廟通りにある「金陵」で、焼鴨、モツをいただきました。 ネット上の情報でしかわからないのですが、以前は中華街の大通りで「金陵酒家」というお店があり、開高さんがよく食していたそうです。 モツを食べながら『日本三文オペラ』を思い出しました。(平)

          【横浜中華街】開高さんが食した焼鴨