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日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 労務費ってなに?Vol.1

今回は日商簿記1級の工業簿記・原価計算の費目別計算の労務費について

解説します。


なお、これまでの日商簿記1級の工業簿記・原価計算の基本的な考え方については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)工業簿記・原価計算って何?原価計算の目的は?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


原価計算の種類についての解説は以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)原価計算の種類はいくつある?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


日商簿記1級(工業簿記・原価計算)原価計算の種類はいくつある?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


1級の原価については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)1級の原価って何?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)1級の原価ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


勘定連絡と財務諸表の関係については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)勘定連絡と財務諸表|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


工業簿記における財務諸表についての解説は以下の記事で説明しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)工業簿記における財務諸表とは?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


費目別計算の材料費についてはこちらです。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類とは?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類ってなに?Vol.3|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


それでは、労務費の解説に入ろうと思います。


労務費の分類
 労務費とは?
  
労務費とは、製品の製造のため、工場で働く人の労働用役

(労働力・人)を消費することで発生する原価をいいます。

 工場で働く人には、製造現場で製品の製造にかかわる工員のほかに、

工場事務を担当する事務職員や工場全体を管理する監督者などがいます。

 工員とは?
  工員とは、製品の製造にかかわる従業員のことをいいます。
 
  工員には、製品の製造に直接かかわる直接工と、製品の製造には直接

 かかわらない間接工の2種類がいます。

  直接工が製品の製造に直接かかわる作業のことを直接作業といいます。

 また、直接工は直接作業ばかりではなく、材料の運搬や掃除なども行い

ますが、この、製品の製造に直接かかわらない作業のことを間接作業

といいます。


労務費の分類
 労務費は、形態別分類および製品との関連における分類によって、次の

ように分類されます。

①形態別分類
 形態別分類とは、どのように支払われたかによる労務費の分類で、

次のようになります。

形態別分類
 賃金:工員に対して支払われる給与
 給料:工場の事務職員や監督者などに対して支払われる給与
 従業員賞与手当:工員や事務職員などの従業員に支払われる賞与や手当
   なお、ここでいう手当とは、作業に直接関係のない手当(住宅手当や
    通勤手当など)のことです。
 退職給付引当金繰入額:従業員に支給される退職金に備えて費用計上
   される金額
 法定福利費:従業員の社会保険料のうち会社が負担する金額


※社会保険料の会社負担分(法定福利費)は労務費です。経費としないように注意しましょう。


②製品との関連における分類
 製品との関連における分類とは、どの製品に対していくら使ったのか、

その金額がわかるかどうかによる労務費の分類で、次のようになります。

製品との関連における分類
 直接労務費:どの製品に対していくら使ったのか、
      その金額がわかる労務費
      直接工の直接作業に対する賃金は直接労務費
 間接労務費:どの製品に対していくら使ったのか、その金額がわからない
      (どの製品にも共通して使っている)労務費
      直接工の直接作業に対する賃金以外はすべて間接労務費


賃金・給料を支払ったとき
 賃金や給料を支払ったときは、給与支給総額で賃金・給料勘定

(または賃金勘定)の借方に計上します。また、源泉所得税や

社会保険料(従業員負担分)の控除額は預り金勘定で処理します。

 給与支給総額=支払賃金(基本賃金+加給金)+従業員賞与手当

支払賃金
 基本賃金:作業に対して支払われる基本給与
 加給金:作業に直接関係のある手当
  具体例:定時間外作業手当、能率手当、危険作業手当など

※定時間外作業手当については、加給金に含めず、個別に計算することも
あります。


労務費の第1回は以上になります。







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