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日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類ってなに?Vol.2

今回は、日商簿記1級の工業簿記・原価計算の材料費について解説します。

材料費の第2回になります。


なお、これまでの日商簿記1級の工業簿記・原価計算の基本的な考え方については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)工業簿記・原価計算って何?原価計算の目的は?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


原価計算の種類についての解説は以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)原価計算の種類はいくつある?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


日商簿記1級(工業簿記・原価計算)原価計算の種類はいくつある?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


1級の原価については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)1級の原価って何?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)1級の原価ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


勘定連絡と財務諸表の関係については以下の記事で解説しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)勘定連絡と財務諸表|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


工業簿記における財務諸表についての解説は以下の記事で説明しています。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)工業簿記における財務諸表とは?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


費目別計算の材料費の第1回についてはこちらです。

日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類とは?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)


それでは、費目別計算の材料費の解説の第2回に入っていこうと思います。


材料を購入したときって?

 材料の購入原価とは?
 
材料を購入したときは、材料そのものの価格(購入代価)に、引取運賃などの付随費用(材料副費)を加算した実際の購入原価で処理します。

  材料の購入原価=購入代価+付随費用(材料副費)

※値引きや割戻しがあった場合には、購入代価は「送状記載価額」(おくりじょうきさいかがく)から値引・割戻額を引いた金額で計算します。

 
 材料副費ってなに?
 材料副費とは、材料を購入するときの付随費用ですが、その発生するタイミングによって外部材料副費と内部材料副費に分けられます。

 材料副費
 ・外部材料副費:材料が仕入先から当社の材料倉庫に納入されるまでに発生する付随費用
  具体例・・・買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税など
 ・内部材料副費:材料を引き取ったあと、製造現場に出庫されまでに発生する付随費用
  具体例・・・購入事務費、検収費、整理費、手入費、保管費など

 材料副費のうち内部材料副費は、材料の購入時点で金額がわからないものがあるため、内部材料副費の一部または全部を購入原価に含めない処理も認められています。
 なお、購入原価に含めない内部材料副費は、製造間接費(間接経費)として処理します。

 材料の購入原価=購入原価+外部材料副費
    または
 材料の購入原価=購入代価+外部材料副費+内部材料副費


 材料を消費したときは?
  材料の消費額の計算において、主要材料費、買入部品費および補助材料費については、消費した材料の単価(消費単価)に消費した数量(消費数量)を掛けて計算します。
  一方、工場消耗品費および消耗工具器具備品費については、原価計算期間における買入額(購入原価)をそのまま消費額とします。

 消費額(主要材料費、買入部品費、補助材料費)=消費単価×消費数量
 消費額(工場消耗品費、消耗器具備品費)=原価計算期間における買入額

 ※主要材料、買入部品および補助材料については、正確な原価の計算や在庫管理のために消費数量を把握します。一方、工場消耗品および消耗工具器具備品は、通常、重要性が低く、手間をかけてまで消費数量を把握する必要がなかったり、消費数量を把握できなかったりします。


 消費単価の計算とは?
  材料の消費単価は、実際の購入原価にもとづいて計算しますが、同じ材料でも仕入先や仕入時期の違いによって購入単価が異なってきます。
  どの購入単価を消費単価として用いるかについては、先入先出法と平均法の2つの計算方法があります。

①先入先出法
 先入先出法とは、先に購入した材料から先に払い出したと仮定して、材料の消費単価を計算する方法です。

②平均法
 平均法には移動平均法と総平均法があります。
 移動平均法とは、材料を購入するたびに平均単価を計算しなおして、この平均単価を消費単価とする方法です。一方、総平均法とは、一定期間における平均単価を計算して、この平均単価を消費単価とする方法です。
 ここでは総平均法をみていきます。
 総平均法による平均単価を求める計算式を示すと、次のとおりです。
  平均単価=(月初有高+当月購入高)
          /(月初在庫数量+当月購入数量)


 消費数量の計算とは?
  材料の消費数量の計算方法には、継続記録法と棚卸計算法があります。

 ①継続記録法
  継続記録法とは、材料の購入と消費のどちらの数量も帳簿(材料元帳)に記録し、帳簿に記録された払出数量を消費数量とする方法です。
  消費数量=帳簿(材料元帳)に記録された払出数量

 ※継続記録法によれば、つねに在庫数量(帳簿棚卸数量)が把握できるため、月末の実地棚卸数量と比較することで棚卸減耗が把握できます。そのかわり、記帳は煩雑になります。

 ②棚卸計算法
  棚卸計算法とは、材料の購入数量だけを帳簿(材料元帳)に記録し、月末の実地棚卸数量との差によって消費数量を計算する方法です。
   消費数量=月初数量+当月購入数量-月末実地棚卸数量

  ※棚卸計算法によれば、計算・記帳は簡略化されますが、帳簿棚卸数量が把握できないため、棚卸減耗は把握できません。

 主要材料費および買入部品費(直接材料費)は、製品ごとの消費量を把握する必要があるため、継続記録法によって計算します。一方、補助材料費(間接材料費)は、各製品への消費量を把握する必要がないため、棚卸計算法によって計算します。



費目別計算の材料費の第2回の解説は以上になります。


また、今後も引き続き解説していこうと思います。









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