感謝祭 あなたがいてくれて良かった
昨日は、アメリカの感謝祭(Thanksgiving Day)でした。感謝祭では、家族・親戚など集まって七面鳥を食べます。
アメリカには、開拓時代と言われる時代に関わる記念日があります。
開拓記念日(Pioneer Day)もそうです。昔のアメリカの文化を知ることのできる貴重な機会です。
小さいころアメリカにいたとき、アメリカ先住民の古いテントに入るのが好きでした。
ただ、大人になって歴史を知ると、少し見方が変わりました。
感謝祭も、ただ七面鳥を食べる日ではないと知りました。
全ては、ピルグリムというクリスチャンの一団が、1620年にイギリスからアメリカにやって来たことから始まります。(珍しく歴史の話です!)
イギリスを変えた女性たち
彼らがアメリカに来る100年ほど前、イギリスはプロテスタントが主流になりつつありました。
一方、当時の王ヘンリー8世はカトリックを擁護していました。
しかし、キャサリン(最初の妻)との結婚でローマ・カトリックが反対してきたので、ローマ・カトリックを捨てて英国国教会を立てます。
(ちなみに、ヘンリー8世は3人のキャサリンと結婚しています。)
その息子もローマとの断絶状態を保ちました。
しかし、その後を継いだジェーン・グレイがたった9日間で逮捕。(明智光秀より短い!!)後に処刑されてしまいます。
かの有名なメアリー1世。「流血のメアリー」の企てです。
メアリー1世はカトリック。
多くのプロテスタント信者を流刑に処し、300人以上を刑柱に掛けて火あぶりにしました!怖い!!
メアリー1世の死後、異母姉妹のエリザベス1世が後を継ぎ、再びローマ・カトリックを断絶。
英国国教会が主導の国になってゆきました。
こうして、イギリスはほとんど女性によって脱・カトリックを果たします。
しかし、イギリスの宗教闘争はここで終わりませんでした。
エリザベス1世 VS 清教徒
イギリスの民衆の間では、プロテスタントが主流となりました。
とは言え、英国国教会もヘンリー8世がキャサリンと結婚したくて立てた教会なので、中身はカトリック的なものでした。
そうしたものを「清める(ピュア化する)」と言う意味で清教徒(ピューリタン)が生まれてきました。
エリザベス1世にとっては面白くありません。英国国教会の首長である自分に忠誠を誓うよう清教徒に要求します。
こうした圧力が、結果的にピルグリム(巡礼者)とよばれる一団を生みました。
そのピルグリムたちは、ヨーロッパを捨て北アメリカを目指します。
北アメリカはあまりに寒かった…
ピルグリムは、12月後半に渡ってきました。
あまりの寒さに、何か月もたたないうちにその半数が命を落としました。
生き延びた人たちは、アメリカ先住民からトウモロコシの育て方など、その土地の農業を教わりました。
そして、次の年の秋には非常に繁栄し、神に感謝するため、先住民を招いて七面鳥を一緒に食べた。
これが感謝祭の始まりと言われています。
アメリカ先住民は祝わない?
しかし、清教徒と呼ばれた人たちはその後、アメリカ先住民を迫害するようになりました。
感謝祭に、酷い迫害を祝うことさえありました。
そうした背景があり、アメリカ先住民を祖先に持つ方には感謝祭を嫌う人もいます。
開拓記念日(Pioneer Day)も、大人になってから「Pioneer」という言葉が、一方向からしか見ていないんじゃないかと思いました。
こういう事って、自分を含めて沢山あるのだと思います。
もっと、「あなたがいてくれて良かった」という気持ちを大切にしたいと思いました。
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