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133-37 ロシアの敗北とは……

 メドヴェージフ前ロシア大統領が対ウクライナ戦争でロシアが負けたらロシアは「消滅する」と言ったそうだ。

 去年の2月24日から始まったウクライナ戦争、ロシア流に言えば「特別軍事作戦」だけどロシアは明らかに勝っていない。だけど完全に負けたかというとそうも言えない。まだ東部2州の大半を抑え、クリミア半島は以前ロシアが実効支配している。少し前にウクライナにドイツ製のレオパルト2という強力な戦車をウクライナへ供与することを決めたということは、逆に考えると強力な戦車部隊が必要なほどウクライナも追い込まれているともいえる。

 さて、ロシアが負けるとはどういうことだろう。イメージするのがウクライナ東部において戦闘で敗北を重ね完全撤退、クリミア半島も攻撃を受け完全撤退、その上でウクライナと講和条約を結ぶってことだろう。その講和条約でウクライナの独立、1991年ウクライナ独立時と同じ国境線の画定、ウクライナが受けた損害の賠償をするとより負けらしい負けになる。

 ただいくらロシアが戦闘で負けて上に書いた占領地を撤退しても、上に書いたような講和条約を締結するとは思えない。特にウクライナへの賠償なんてやるとは思えない。仮にウクライナが占領地を取り戻してもそこで休戦してそのまんまじゃないと思っている。せいぜい朝鮮戦争のような休戦協定が結ばれ緊張は続く、って感じのね。

 ちょっとそれでロシアが消滅するとは思えないのだけどねメドヴェージフさん。プーチン大統領にとっては痛手で、ひょっとしたら辞任に追い込まれるかもしれない。だけどそれを以てロシア消滅とはならないだろう。
 あ、ひょっとして戦闘で敗北からのプーチン辞任(クーデター的に解任も含む)、それからの混沌でロシア辺境が事実上の独立をしてロシアが解体するという読みでロシアが「消滅する」と言っているのかな。ん~~、ありえない話でないが、ちょっと飛躍しているなと思う。今日時点ではね。

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