戦争の風化(日本における)
そういえば戦後78年、再来年には80年になる。
若い読者の中には戦後の「戦」がどの戦争か分からない、ピンと来ない人もいるかもしれない。太平洋戦争、定義によっては日中戦争や満州事変も含む場合もある。これらの戦争が終わったのが1945(昭和20)年8月15日だから毎年8月15日が近づくと昔の戦争に絡むドキュメンタリー番組や戦争を題材にしたドラマが放映される。
ただ、振り返ると戦後40年とか50年とか言っていた時代と比べて8月の番組の熱量が違うしどこか遠い昔の話を語っている雰囲気はある。どんどん離れていっているのだから当たり前なんだけど。
ん~~、戦後50年(1995/平成7年)を過ぎた辺りから風化が進んできたのかな。まだ1995年だと兵隊に取られて戦った人がすぐ近くにいて、子供時代に空襲を経験した人はざらにいたからね。それが戦後60年、70年、78年と進んでくると軍隊にいた人はほとんどいなくなり、空襲を経験した人もかなり減ってきた。
そこで戦争の経験がある人から話をしっかり聞いて、戦争を知らない若い世代が戦争の悲惨さを語る取り組みがあちこちで進められているが、当事者が語るのと又聞きの人とでは説得力というか重みが違う。事実関係を伝えることはできても感情を伝えることができない。
かくして日本から戦争の記憶は風化するのは避けられない。戦争を起こさないためにできることは戦争に伴うあらゆる損出を見積もり、割に合わないということを権力の側が理解し行動するしかない。