レビー小体病の本を読みました
以前、認知症の妄想を利用してケアしたケースについてnoteを書きました。本noteはその続編というよりも、
もっと深く認知症を知ると、それまでとは違う考えを持ちました、
という内容になります。
妄想がある認知症に、レビー小体型認知症があります。認知症介護の現場にいて、レビー小体型認知症は進行が早いと感じる事がありました。また、妄想が強い認知症なのに、カルテを見るとレビー小体型認知症ではなくて、アルツハイマー型認知症である方がいらっしゃいました。
どちらの認知症にしても、妄想を否定しない関わりを心掛けていました。
私はX(旧ツイッター)をやっています。樋口直美さんという、レビー小体型認知症の当事者の方とやりとりした事があります。樋口直美さんは、認知症当事者ですが、病気の当事者としての本を何冊も出版されている方です。認知症で本の出版!?著書を読んだり、樋口さんのSNSを読んだりすると、そのクリアさに驚きを覚えます。認知症って?
見ず知らずの私と交流してくださるなんて、SNSって凄いですよね。
「私の脳で起こったこと」(樋口直美著、ブックマン社 / ちくま文庫)を何気なく手に取った時から、私の中でレビー小体型認知症のイメージは大きく変わりました。
認知症当事者である樋口さんの詳細な日記。
こんなエビデンスが本になっているなんて凄いな、と思いました。機会があれば同僚にも勧めたい凄い本だと思います。
レビー小体型認知症の幻視について、リアルに描写されています。そして、その診断に至るまでの紆余曲折、仕事や生活での戸惑い、家族とのやりとりなどが日記に記されています。
私の職場の介護施設には、レビー小体型認知症の方がいらっしゃいますし、この方はレビー小体型認知症みたいだけど、アルツハイマー型認知症の診断なんだ、という方もいらっしゃいます。また、レビー小体型認知症と同じ物質が蓄積すると言われている、パーキンソン病の方もいらっしゃいます。そういった事から、レビー小体型認知症は、分かりにくい謎の多い病気だと思っていました。
「レビー小体型認知症とは何か」(樋口直美・内門大丈著、ちくま書房)を読むと、謎が多いと思っていたレビー小体型認知症について、すっきりと腑に落ちた気がしました。そして、レビー小体が蓄積する事は、特別な事ではなく、誰にでも起こり得ることであり、正しい知識と診断が大切だと気づきました。
アルツハイマー型認知症と両方の認知症になる方も多いという事。
うつ病と誤診されて薬が合わずに悩む方が多いという事。
認知機能低下があまりない方もいるという事。
様々な事が納得できました。
レビー小体型認知症は、薬で大きく症状が改善する場合があるそうです。しかしながら、どの薬が劇的に効くのかは、個人差も大きい様です。どの病気にも言えることかも知れませんが、希望を持って、伴走してくれるような医師と巡り合うことも大切だと感じました。
私もいずれ高齢者となりレビー小体がたまるのだと思います。レビー小体が体内にある事は特別な事ではない、という現実を知ることで、当事者であるご利用者へ接する時の気持ちが変化したり、自分自身の生活も、より健康的なものに変わるような気がします。
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