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「自分を大切に、あなたの人生ですから」

夜中になると思いや考えがグルグル巡って眠れなくなる事がある。今日がそれだ。だからここに捨てようと思う。

秋口から義母のケアマネージャーさんが変わった。今までのケアマネさんは皆 義母にも私にも大変よくしてくださって、今でも感謝している。

新しいケアマネさんは とてもよく喋る方で、いつもご訪問が長くなりがち。でも全然イヤじゃない。親身になって色々提案してくださるし、聞き上手でいらっしゃるから 話したがりの義母はおしゃべりが盛り上がって気持ちよさそうだ。私も嬉しい。

そのケアマネさんが、先日 毎月のご訪問にいらした。この日義母は好物のお芋の天ぷらをたらふく食べていい旅夢気分で眠っていたため、私だけでお会いした。いつもと変わらない状況報告とその他諸々のお話が終わると、ケアマネさんが何気なく言った。

「ご自分の事も大切に。あなたの人生ですから」

当たり前の事だし、実際よく言われている事だし、何より普段から自分に言い聞かせている慣れた言葉だった。

それなのに、何故か私は涙がこみ上げてくるのを感じたのだ。泣きはしなかったが、動揺していた。なぜ?なぜそんな言葉が、こんなにも胸に刺さる?過去には他にも同じ事を言ってくれた人がいたし、私だってそうするようにしているはず。でも、この人の「自分を大切に」は、誰よりも刺さるの。体が勝手に、感動して泣こうとするくらいに。

これは憶測だが、このケアマネさんは、分かっているからではないだろうか。それが言うほど簡単ではないという事が。自分を大切にすると、介護は必ずその分 疎かになる。介護は左右非対称の両天秤なのだ。釣り合わせる為には、必ずどちらか一方の皿が重くなる。そしてそれは主に、介護する側の皿になりがちなのではないだろうか。

「難しいかもしれないけど、それでも、自分を大切にしてください。あなたの人生ですから」私にはそう聞こえた気がする。

おそらく、私は 理解してもらったのが嬉しかったのだ。今までのように 誰かが私を気遣って言ってくれるのではなく、自分が思っていた事をきちんと理解してもらった事がとてもとても嬉しくて、そして泣きそうになったのだと思う。私には、相談する人も、愚痴を言う人も居ないから。

素晴らしい体験をした。


寝る。

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