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心に残った入居者様の話①

介護の仕事に入ることを躊躇する方の多くは、介護職のデメリットばかりを見てしまっている気がします。

私の考えを述べるより、実際に出会った方々の人生をお伝えした方が魅力が伝わるかと思ったので、これからいくつか書いてみようと思います。実話なので、フェイクは入っています。

①80代男性、Aさん(ショートステイ利用者)
認知症で徘徊がすごかったAさん。帰りたくて、いろんな人に最寄りのバス停の場所を聞いていました。夜中まで徘徊するので、この方がいる日の夜勤は大変でした。でも、紳士なので、なんだかにくめない(笑)

ある夜勤の日も、Aさんは徘徊していました。
『●●の停留所はどこですか?』と、
聞きにきたAさんに、私は聞いてみました。

私:『もう夜だからバスは来ませんよ。今夜は休みましょうよ』

Aさん:『ご親切にありがとうございます』

私:『いつも急いで帰ろうとしますね。』

Aさん:『見ていたんですか。お恥ずかしいですね。』

Aさん:『実は私の下校時間に合わせて、母が温かいご飯を用意してくれているのです。』

衝撃が走りました。これは徘徊じゃない。下校だったんだ。

Aさんは学生時代を生きていて、優しいお母様が美味しいご飯を作って待っていたのです。私はAさんを、ただ認知症のおじいちゃんとして見ていただけでしたが、Aさんは幸せな日常を生きていました。

いかがでしょうか。Aさんの話から、この仕事の魅力を感じていただけたら嬉しいです。

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