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【毎日の介護をリフレッシュ】認知症カフェを見学体験

あいさつ

 彦根市のユトリ珈琲店彦根日夏店の毎月第 4 木曜日 、うららかな午後。その片隅で、認知症カフェ「HOTカフェんde日夏~ほっこりかふぇ~」は開店しています。
 みなさんこんにちは!滋賀大学陵水新聞会の宮下です。

 私たち陵水新聞会は大学の自主企画プロジェクトと呼ばれる活動の一環として、この度にじいろのからすさんと、介護冊子の制作を行うことになりました。このアカウントには、その冊子のための記事を掲載していきます!

 今回は部員の小溝と一緒に、認知症カフェ「HOTカフェんde日夏~ほっこりかふぇ~」に訪問し、利用者さんのお声や、開催者さんのお話を聞かせていただきました!
 介護のなかでも、対応が難しいことが多い認知症。この場所に行けば、認知症の方の想いも、そのご家族の方の悩みも、両方語らうことができますよ。

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【見学の前に…】そもそも認知症カフェって?

 認知症カフェとは、認知症の方やそのご家族同士が、交流を持ち、語り合うことができる場所です!地域の方や、医療福祉の専門職の方、認知症に関心のある方も気軽に訪れることができます。
 コーヒーを飲みながら、日々の想いや出来事、不安を話してリフレッシュ。必要に応じて、相談にも対応していただけます。

※予約不要、相談無料ですが、飲食代は実費になります
※新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、中止や延期のところもありますので、まずは各カフェにお問合せください。

 彦根市では以下の4つの認知症カフェが開店中です!

認知症カフェマップ

 今回はこの4つのなかの一つ、『HOTカフェんde日夏~ほっこりカフェ~』さんにお邪魔しました!

【いざ見学!】認知症カフェってどんな感じ?

開催日の第4木曜日、14:00。ユトリ珈琲店彦根日夏店の一角で認知症カフェ『HOTカフェんde日夏~ほっこりカフェ~』が開かれていると聞き、突撃しました!

ユトリ珈琲店彦根日夏店の外観

 とりあえず中に入ると…看板を発見です。とっても素敵なチョークアート!みなさんなごやかに談笑されています!

店内の一角を借りて開かれていました!

 看板の奥の席に進んでいくと、認知症カフェのスタッフさんが優しく迎えてくださいました。飲み物とお菓子代の300円を払い、席に着きます。
 この日はレクリエーションコーナーも設けていたそうで、体験させていただくことになりました!

 行ったのはステンシル体験のレクリエーション。布をいただき、模様付けをします。
 いろんな絵柄のくりぬかれたステンシルから好きなものを選び、布に押し当てて色を付けていきました!

たくさんのステンシルから模様を選んで…
トントントン、と優しく叩くように色を付けていきます!

 講師の方は京都からいらっしゃった先生。
 スタッフさんによると、新型コロナウイルスの流行によって、最近までこうしたレクリエーションは難しかったそう。少しずつ以前と同じように戻していこうとしているそうです。

 熱中すること30分。講師の先生やスタッフさんとおしゃべりをしながら、楽しく完成させることができました!

お次は、他の参加者さんとおしゃべりをしに行きます!

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【参加者に聞く!】認知症カフェの感想は?

今回は参加されていたお二人にお話を伺いました!

 まず一人目は10年前まで奥さんを介護されていたという男性。ここでは仮名で、斎藤さんとさせていただきます。

宮下:
このカフェに来てみての感想はいかがですか?

斎藤さん:
気楽に楽しく通わせていただいています。
通い始めてからはほとんど欠かさず参加しています。ここのスタッフさんは昔語りもゆっくり聞いてくれるので、自分の話したいことを話すことができます。

 斎藤さん自身はヘルパーさんに支えてもらいながら一人暮らしをしているそう。今回のアート教室も、とても楽しそうに参加されていた。

とても丁寧にヒョウタンを書かれていました!

 2人目は二年前に広報ひこねで、認知症カフェについて知り、通われているという鈴木さん(仮名)。現在ご家族の介護をされているそうです。

宮下:
このカフェの感想を教えてください!

鈴木さん:
カフェに来ると「よくやっているね」「がんばっているね」と温かく迎えてもらえるので、家に帰ってからもまた介護を頑張ろうと思うことができます。在宅介護をしているとなかなか周りの人に褒めてもらったり、励ましてもらったりする機会がないので、とてもありがたいです。
認知症カフェなので、気管切開や胃漏などの医療的な介護の経験をされている人は少ないですが、認知症関連の専門職の人には相談することができます

お二人とも、とても優しく取材に応じてくださいました!

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【スタッフに聞く!】運営してみてどうですか?

 HOTカフェんde日夏~ほっこりかふぇ~は、ほかの認知症カフェとは違い、『介護家族のつどい「ほっこり」』のスタッフに、彦根市から認知症カフェの運営を依頼されて始まったもの。

詳しくはコチラ

 スタッフのみなさんはカフェのあと、毎回反省会をしているそうで、その冒頭の時間を少しお借りしました。
 スタッフさんは6人いらっしゃったので、この日は介護家族のつどい代表の篁さんと、HOTカフェんde日夏~ほっこりかふぇ~代表の高田さんにメインでお話を伺いました。

小溝:
ここの認知症カフェをすることになったきっかけを教えてください!

篁さん:
2018年3月から、ユトリ珈琲店彦根日夏店の一角を借りて運営をしています。当時、認知症カフェは元町と銀座のみだったので、南の方でも開催したいという彦根市の依頼が来て私たちが動くことになりました。

宮下:
それぞれの認知症カフェで運営が違うということですよね?
カフェごとに個性もでそうですね!

篁さん:
その通りです。それぞれの認知症カフェごとに、内容も異なります
介護予防や筋トレをしているところや、私たちのようにアート教室を開いているところなど、色々ですね。
ちなみにうちの場合はレクリエーションの準備はスタッフが行っていますが、看板の用意などはユトリ珈琲店彦根日夏店さんが協力してくださっています。

小溝:
実際に運営をしてみて、感想などはありますか

高田さん:
とても熱意のあるスタッフばかりで、反省会で意見を出し合って次につなげています。
スタッフは認知症介護を経験した人がほとんどなので、分かり合える部分も多く、心から語り合ったり、励まし合ったりすることができますし、これからもその部分は大切にしたいと思っています。

宮下:
心から接してくださっていると、とても安心できますね!
ちなみに、反省会ではどのような内容がでるんですか?

高田さん:
もちろんその時々によりますが、現在課題となっているのは新型コロナウイルスで参加者さんが減ってしまったことですね。
前は今の2倍くらいいらっしゃったので、少しずつ宣伝を増やしていって、多くの方に気軽に来てもらいたいと思っています。

小溝:
確かに、一番ひどかったときは外にも出られなかったですもんね…
読者の方になにか伝えたいことはありますか?

高田さん:
認知症に理解と興味を持っていただきたいです。
介護をされている方はもちろん、それ以外の方も認知症カフェに来ていただき、理解者が増えればと思っています。そうすれば認知症の方を支えられる人が増え、地域で支えられるようになります。
認知症になることを怖がらなくてもいい、安心して過ごせる地域になってほしいです。

篁さん:
特に認知症初期の方のご家族は、急によく知っていた家族のことがわからなくなり、心配な状況や不安な気持ちを、周りの人に打ち明けられず、抱え込みがちになってしまいます。
そういった方に、ご本人さんと一緒に来ていただいて、認知症になってもできることはあるのだと、抱え込みすぎなくてもいいのだと知ってもらいたいです。

宮下:
話を聞いてもらうだけで、いろんなことがスッキリしますよね。
私も友だちに認知症カフェに誘ってみようと思います!

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終わりに

 認知症カフェは悩んでいる人の話を聞いて、少しでも楽になってもらうことが目的だと語られたスタッフのみなさん。
 認知症の方も、その介護をされている方も、家の中から出て、気楽に話すことができる場があると知ってもらいたいと話されていました。

 認知症は今、65歳以上の高齢者の約7人に1人がなるといわれています。認知症の方を介護をされている方も多いと思います。ここで、ちょっとひといき、自分の気持ちを打ち明けに行ってみませんか?普段の介護に対する気持ちが少し上向きになるかもしれません。

 また今は認知症自体とほとんど接点がないという方も、おうちに引きこもりがちな方も、ぜひ認知症カフェに行ってみてください!
 認知症に対する理解が深まると思います。

 最後に、突然お邪魔してもあたたかく迎えてくださった認知症カフェ「HOTカフェんde日夏~ほっこりかふぇ~」のみなさんに感謝を。取材にご協力いただき本当にありがとうございました!

彦根市の認知症カフェのホームページはこちら

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