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【実際の施設入所って?】ケアマネジャーさん3人に、突撃インタビュー!  

あいさつ

 施設入所って待機が多いって聞くし、いつ申し込めば良いかも分からない……。そんなときにぜひお読みください!意外と認識に違いがあるかもしれません。
 ご無沙汰しております!滋賀大学陵水新聞会の奥田です。

 私たち陵水新聞会は大学の自主企画プロジェクトと呼ばれる活動の一環として、この度にじいろのからすさんと、介護冊子の制作を行うことになりました。このアカウントには、その冊子のための記事を掲載していきます!

 今回は編集長の宮下と部員の大内、そして『にじいろのからす』の永田さんと共に、彦根市内で勤務されているケアマネジャーの清水さん、上野さん、高尾さんの3名にお話を伺いました。
 その人その人に寄り添うケアプランを考えてくださるケアマネジャーさん。そんなプロの方々に施設入所に関して申し込むタイミングや施設の種類を中心に、座談会の形でお話を聞かせていただきます。

宮下:本日はよろしくお願いします!
大内:よろしくお願いします!!!

明るく和やかな雰囲気で取材が始まりました。


【話題1】ケアマネジャーはどういう基準で施設を紹介していくの?

永田さん:
最初のテーマですが、どういうことをきっかけに施設を紹介するようにしていますか?

清水さん
うーん難しいですねぇ…そもそも人によって状態が違ってくるので一概には言えないです。去年入所した方のケースだと一人暮らしの方や、ずっとデイサービスなどのサービスを利用しつつ、家事も自分で頑張っていたけれど続けるのが難しくなったという方に紹介したケースがありますね。あとは家族さんがお仕事をされている方とかもですね。

高尾さん
体の調子が悪くなって入院されて、いざ退院されるということになっても、体力が落ちていて体が思うように動かない……という方にご紹介するケースも多いです。

大内:
なるほど、ご自分で暮らしていくことが難しくなったときや、ご家族さんの負担が過度になってしまうときに紹介するんですね。


上野さん
あとはご本人さんの安全を保てない時もそうだと思います。例えば転んだりだとか、鍋を焦がしたりだとかが日常的に起きる方とかも案内しますね。

宮下:
ご本人さんの安全が第一ですもんね!

清水さん
そうですね。施設入所を希望される場合、入所の前にショートステイをおすすめし、施設でのお泊まりの体験をしていただくようにしたりもします。

永田さん:
もし、家にいたい、家族と一緒にいたいということであればショートステイを利用することでご家族の負担を和らげるという方法もありますよね。
奥田:
介護の形って人それぞれなんですね。

【話題2】各介護施設でのサービスの違い

清水さん
施設も種類によって要件や、サービスなど細かいところが違うんですよ。

大内:
そうなんですか!?

上野さん
はい。介護区分や認知症の有無の他に、料金設定も様々なため、入れる施設も変わってきます。ただやはり保険外のサービスはかなりの値段になってくるので、多くの方はぎりぎりまで家で過ごして、そのあと特養に移ってもらう、という流れになります。

取り上げる施設・居住系一覧
大内:
なるほど!よくお聞きする特養にはどんな特徴があるんですか?

高尾さん
特養は特別養護老人ホームといって、介護保険が適用される公的サービスなので、値段が安く、最後まで入居することも可能です。要介護3以上の方が対象の施設で、自宅での介護が難しい重度の要介護認定の方が優先されます。

奥田:
特養は順番待ちで1年から1年半入れないこともあると聞いたことがあるんですが、本当なんですか?

上野さん
特養は申請時に利用者の状態を伝え、毎月行われている会議で入所の必要性が高いと見られた順に受け入れる人を決定します。だから一概に待機期間が長いというわけではないんですよ。


特養に入る際の手順

清水さん
特養と少し似ている施設として有料老人ホームがありますね。有料は金額によってピンからキリまであって、お金に余裕があれば部屋が豪華な施設があったりにしますね。有料は特養に比べると入りやすいので特養の入居を待っているときに有料を利用するというかたも中にはおられます。

大内:
すごい!暮らしてみたいですね!
特養以外の施設の入所手順

清水さん
入所施設としては特養の他にもサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)などもあります。

宮下:
ほう。それってどんなところなんですか?

清水さん:サ高住は高齢者が多く住んでいるアパートで、ヘルパー事務所が併設されているので困ったときに助けに来てくれます。比較的元気な方が多い印象ですね。保険適用外のなかでは比較的安価なのが特徴です。

大内:
ヘルパーがいるだけでたしかに安心ですよね。

高尾さん
サ高住も会社によって条件が違ったりするんですよ。

清水さん
そうそう、場所によっては看取りがNGで、病気になったら住むことを断られる場合もありますね。

サービス付き高齢者向け住宅とは
奥田:ほかの施設も気になります。

高尾さん
認知症の方が介護を受けながら共同生活をするグループホームというものがあります。

宮下:
認知症の方向けの施設もあるんですか?!

高尾さん
そうなんです。定員は9名で、入居者のお部屋が和風のお部屋だったりその人らしい生活を送ることができます。介護を受けながら家庭的な雰囲気で暮らすことができるんですよ。

グループホームとは

【話題3】施設入所に関して事前に準備しておくこと

宮下:
最近はずっと介護について取材しているので以前よりも自分や家族の介護を考えることが増えてきました。施設入所について事前に準備しておくべきことはありますか?

清水さん
そうですねぇ…やっぱりご本人さんの意思とご家族さんの意思の確認ですね。ご本人さんとご家族さんの間に意思の違いがあると、後々問題が起きやすくなってしまうので。

永田さん:
私も事前に意思の確認を定期的に行うことが大事なのかなと思います。

清水さん
どうなっても結局は割り切れない部分もあると思います。気持ちのせめぎ合いであったり、これでよかったのかなぁ…といったふうに。

高尾さん
私はそれに加えて施設に入るとしたら事前に調べておくということも大事だと思います。コロナ禍の前だと体験が出来るところが多かったんですが、コロナ禍でそれが出来ない場合が多いです。やはり行ってみないと雰囲気はあまり伝わらないので、入居しようとされている方だけでなく、施設側も困っているようです。
ネットであらかじめ検索しておくと、いろいろ案内が掲載されているので、調べていただけるとよいと思います。

おわりに

 介護をする・受けることになると一度は考える施設入所について。今回は介護に関するプロ、ケアマネジャーさんに詳しく教えていただきました!

 施設について考える際に、この記事が少しでも助けになれば嬉しい限りです。

 最後に、お忙しいお話しを聞かせてくださった、ケアマネジャーの清水さん、上野さん、高尾さん。
 取材にご協力いただき、本当にありがとうございました!



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