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メリットとデメリットのあいだ

先日、とある専門家にある相談をしたんです。

わたし「●●ってなんですか?」
「それはこれこれこういうものです」
わたし「それってどう判断したらいいんですか。メリットとデメリットを教えてください」
「うーん、どうなんでしょうね。一般的にはこう考える人が多いんですけど」
わたし「他のみなさんは、どんな観点で決めているんでしょうか」
「うーん、案外、えいやあで決めてるのかもしれませんね」
わたし「……(なんかすっきりしない)」

その日の夜、夫に相談した内容を説明したところ、

夫「それってどういうこと?メリットとデメリットは?」と聞かれ
「うーん、なんかそういうもんじゃないみたい。一般的にはこうする人が多いというのはあるけど、具体的にこういうメリットとデメリットがあって、という感じじゃないみたい」
夫「……(なんかすっきりしない)」
と、昼間のわたしと同じ反応が返ってきたんです(笑)。

その姿が自分と重なって、なんだかハッとするものがありました。メリットとデメリットって、とても論理的な考え方で、だいたいのことはそれで説明できる気がしていたけど、わたしが思う以上にそうではないんだなと思ったのです。

夫とはもともと価値観が似ているのか、同じ会社に勤めていたのでそこでこういう考え方が醸成されたのか、夫婦になって影響を受け合っているのか、そのどれかはわからないけど、私たちはわりとよく似た方法で判断しているのかもしれません。そして、私たちのような判断方法が、世の中の多数派なのかもわかりません。

ひとつわかっていることがあるとしたら、こういう考え方は論理的・合理的で正しいという気持ちが、自分の中に割と強くあるということ。だから、メリットとデメリットで説明できないものに、なんだか納得できないものがあるんだよね。そして、何事もメリットとデメリットで判断しようとする姿を客観的にみたとき、おそらく、ちょっと傲慢な気がします。

メリットとデメリットで考えることは、シンプルに物事を判断するのにとても便利です。でも、シンプルに考えるために捨ててしまった、「メリットとデメリットのあいだ」にあるものが、世の中にはたくさん存在するのだと思うのです。「冷静と情熱のあいだ」みたいなものですよね。ちょっと違うか(笑)

メリットとデメリットしかない世界なんて、きっと美しくないし、たのしくないはず。そして、わからないものとわからないまま付き合えるほうが、きっと人生はたのしめるはず。ここから先の人生は、メリットでもデメリットでもないものをOKにできる自分でありたいなと思ったのです。

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