1000回死んでも、1001回目の冒険に挑む自分でありたい(気がしないでもない)。
何かしらビデオゲームをプレイする方なら必ずご存知であろう名作ゲームに『風来のシレン』シリーズがあります。
「1000回遊べる」というインパクトのあるキャッチフレーズで知られる作品で、じっさい、最後までクリアしようとすると1000回くらいくり返してプレイすることになる可能性はあると思います。
主人公のシレンが「レベル1」であるダンジョンへ挑むのはふつうのゲームと同じなのですが、この作品ではシレンは冒険の途中で倒れるとそれまでどんなにレベルアップしてアイテムや装備を溜めこんでいても、また最初からやり直し!となるのです。
次の周回に持ち込めるのはプレイヤー自身の知識と経験のみというわけで、とんでもなくシビアでストイックなゲームというしかありません。
しかし、この冷酷なシステムはきびしいトレーニングと自己管理を要する「マゾゲー」を愛してやまないコアなゲーマーに受け、さまざまな派生作品を生み出しても来ました。
圧倒的な実力をもつモンスターに斃されては何度となくコントローラーを叩きつけ、「もう二度とやるか!」と叫んだのもなつかしい思い出、遠い過去の切ない記憶――いや、そういうことにしておきたかったのだけれど、ぼくはいま、この『シレン』の最新作に手を出してしまったのですね、これが。
で、また、むずかしいんですよ、今回。まだ体のチュートリアルといわれる部分でありながら、すでに何十回死んだことか。
へたすると最初のエリアであっさり死んでしまう鬼畜的なゲームバランスに設定されているので、生まれつきあまり注意力に恵まれていないぼくは次々と斃され、そのたびに「ウッキー! もう二度とやるか!」と絶叫するはめに陥っています。
まあ、五分もするとまたコントローラーを手に取ってプレイし始めるんですけれどね。
そういうわけであらゆる意味で非常にきびしいゲーム体験なのだけれど、まさにそれだけに『シレン』の醍醐味は十分煮詰まっているといっても良いでしょう。
何しろ一瞬先にどのような展開が待ち受けているのかまったく予想できないだけに、プレイしているとは神経を張りつめている必要がある。
なにげなく歩いていたらどこか遠くからぴゅーっと矢が飛んできて落命、みたいなことがふつうにありえるゲームですからね。
まあ、自分のいのちを守り抜くためには絶対に気を抜いてはいけないということだけはよくわかる、ある意味では教訓になる作品でもあります。
ただ、いくら面白くてもあまりにシビアなのでしばらく放り出して『ユニコーンオーバーロード』でもやりたい気もするんだけれど、とりあえずはこれを続けるかなあ。
あきらめたらゲーム終了ですよ? おれはやるぜ。
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