皆伝 現代文 読解09 構造把握の作業まとめ　

今回は訓練を中心にやってみましょう。

問題文は先生か、先生の知り合いか、まるで知らない人が書いたものなんですけど、すべて著作者の掲載許可は取ってあります。皆伝 現代文を読んでいる人は、他の媒体に掲載しないでくださいね。
特別に許可を取って、問題文用に、敢えて接続詞や主語を脱落させているところもあります。

訓練１

主語を補う。接続詞「しかし」を補う。「例えば」を補う。「むしろ」を補う。「なぜなら、だから」を補う。要らない文、段落を削る。複数のものはまとめて言いかえる。

　今日は年に一度の恒例行事、地獄の’歩行’の日だ。歩行と言っても、たいていは走る。去年は初めてのことで何もわからず、大して準備もしていなかったので、途中棄権になってしまったが、今年はそうはいかない。なにしろ本番に備えて、この2ヶ月というもの週に三回は６kmを歩いているのだ。しかも、早足だ。去年と違って無様にも回収車に乗るなんていうことはない。断じて、絶対に、ない。
　学校に着くと、一緒に歩く予定の深山、萌黄、借家が真剣に話し込んでいる。萌黄の肩を「よ」と軽く小突くと、萌黄がこっちを見て、それに気づいた他の2人も顔をあげる。
「よお」
「よーよー」
「おはちん」
「がけ崩れがあって、コース変更だってさ。聞いた？」
「いや、聞いてない」
　それで俺の来る前にコースを検討していたのだった。大きく迂回することもなく、距離もそんなに変わらないらしい。初めての道というのは不安ではあるが、仲間がいるし、スタートから２０ｋｍの地点なので、他にも歩いている生徒がいる筈で、迷うこともないだろうと思うことにする。教室の前の端っこにいる厩屋（うまいや）に目を向ける。あいつ一人なのかなと呟くと、借家が反応して、
「一人が好きみたいだな。陸上部に誘ったけど入らんし。日本記録を破りそうな天才だから、俺らとはペースも違うだろうし」
　たしかに他人のペースで歩いたり走ったりすると怪我をしやすいというのは聞いたことがある。
「それならお前はいいのか？」
　と借家に言うと、
「いいのいいの、俺なんて万年補欠だし、走るの嫌いだし」
　走るのが嫌いな陸上部というのも妙なものだが、それを言うなら野菜の嫌いな八百屋の息子である俺もおかしなことになるので、妙ではないということにする。

解答
　今日は年に一度の恒例行事、地獄の’歩行’の日だ。歩行と言っても、たいていは走る。去年は初めてのことで何もわからず、大して準備もしていなかったので、俺は途中棄権になってしまったが、今年はそうはいかない。なにしろ本番に備えて、この2ヶ月というもの週に三回は６kmを歩いているのだ。しかも、早足だ。去年と違って無様にも回収車に乗るなんていうことは俺はない。断じて、、絶対に、ない。
　俺が学校に着くと、一緒に歩く予定の深山、萌黄、借家が真剣に話し込んでいる。萌黄の肩を「よ」と軽く小突くと、萌黄がこっちを見て、それに気づいた他の2人も顔をあげる。
「よお」
「よーよー」
「おはちん」
「がけ崩れがあって、コース変更だってさ。聞いた？」
「いや、聞いてない」
　それで俺の来る前にコースを検討していたのだった。しかし、大きく迂回することもなく、距離もそんなに変わらないらしい。初めての道というのは不安ではあるが、仲間がいるし、スタートから２０ｋｍの地点なので、他にも歩いている生徒がいる筈で、だから、迷うこともないだろうと思うことにする。教室の前の端っこにいる厩屋に目を向ける。あいつ一人なのかなと呟くと、借家が反応して、
「一人が好きみたいだな。陸上部に誘ったけど入らんし。日本記録を破りそうな天才だから、俺らとはペースも違うだろうし」
　たしかに他人のペースで歩いたり走ったりすると怪我をしやすいというのは聞いたことがある。
「それならお前はいいのか？」
　と借家に言うと、
「いいのいいの、俺なんて万年補欠だし、走るの嫌いだし」
　走るの嫌いな陸上部というのも妙なものだが、それを言うなら野菜の嫌いな八百屋の息子である俺もおかしなことになるので、妙ではないということにする。

　年に一度の地獄の’歩行’の日だ。去年は準備もしていなかったので、俺は途中棄権になってしまったが、今年は本番に備えている。回収車に乗るなんていうことは俺はない。
　俺が学校に着くと、一緒に歩く予定の深山、萌黄、借家が話し込んでいる。
「コース変更だってさ。」
　それで俺の来る前にコースを検討していたのだった。しかし、大きく迂回することもなく、距離もそんなに変わらないらしい。だから、迷うこともないだろうと思うことにする。俺は厩屋に目を向ける。あいつ一人なのかなと呟く。
「一人が好きみたいだな。俺らとはペースも違うだろうし」
　たしかに他人のペースで歩いたり走ったりすると怪我をしやすいというのは聞いたことがある。
「それならお前はいいのか？」
「俺なんて万年補欠だし、走るの嫌いだし」
野菜の嫌いな八百屋の息子である俺もおかしなことになるので、妙ではないということにする。

・「ので」は消していいところと消さない方がいいところがありますね。「ような」「ように」はだいたいは消しても問題ありません。

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訓練２