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皆伝 現代文 読解04 一文の骨格を把握する その2

前回は準備された文から、主語・述語・目的語を抜き出す訓練をしましたね。
今回は、自力で主語・述語・目的語をつなぐ訓練です。

先生が問題を作ってくれたので、そのまま載せますね。許可は取っています。
66問あります。

問1 指定された主語・目的語・述語を使って文を作りなせい。(「なせい」って)
1主語・文字 目的語・遠く離れた世界   述語・結びつける
2主語・文字 主語・記号 目的語・世界  述語・結ぶ
3主語・文字 目的語・世界 述語・結ぶ 目的語・機能  述語・持つ
4主語・文字 目的語・技能  述語・伝達
5主語・文字 目的語・契約したこと  述語・証拠づける
6主語・ヒエログリフ 目的語・エジプト人 述語・発明
7主語・わたし 目的語・彼 目的語・ケーキ 述語・あげる
8主語・かれ 目的語・上司 目的語・お歳暮 述語・わたす
9主語・わたし 目的語・かれ 述語・勝たせる 述語・応援する
10主語・サッカー 目的語・人気の競技  述語・なる
11主語・サッカー 主語・バスケットボール 目的語・有力なスポーツ 
 述語・育った
12主語・彼女 目的語・郊外 述語・走る 述語・向かう
13主語・彼女 目的語・車 述語・買う 目的語・店 述語・入った

中学校では、戦前に生きていた橋本さんという人の解釈による文法を教わった人もいると思います。
その場合、文を文節に分ける時は、主語、修飾語、述語、接続語、独立語だと教わったかもしれませんね。
文節は「ね」を付けて区切りのいい個所という意味です。
「私は京都大学を受験します」を文節で分けると、
「私は/京都大学を/受験します」
ですね。

「私は」は主語で、「京都大学を」は修飾語で、「受験します」は述語で、しかも被修飾語/他の品詞から修飾されている部分です。
主語に対しては述語
修飾語に対しては被修飾語です。

接続語も接続語という文節です。

先生は
「主語と言っているのに、単語ではないのが気に食わん」と言っています。そういうわけで、
皆伝 現代文では「私」を主語、「私は」を「主語部」と表現します。
I am a teature.
英語だと、Iが主語/Sですね。それと同じです。
I amを主語という人は少ないと思います。

問1の解答です。意味が通じていれば、他の文でも正解です。
1文字は遠く離れた世界同士を結びつける。
2文字と記号は遠く離れた世界を結ぶ。
3文字は世界を結ぶ機能を持つ。
4文字は未来の人に技能を伝達できる。
5文字は契約したことを証拠づける。
6ヒエログリフはエジプト人をして発明させた。
7わたしは彼にバースデイケーキをあげる。
8かれは上司にお歳暮をわたす。
9わたしはかれを高校選手権で勝たせるために精一杯応援する。
10サッカーは人気の競技になる。
11サッカーとバスケットボールは、日本で有力なスポーツに育った。
12彼女は郊外に自転車で走って、向かうことにした。
13彼女は初めての車を買うために店に入った。

どうでしたか。
中学生のころから国語が得意で、今も本文を読めば、難しい文章でも理解できないことは稀だという人や、そういう人のうち入試に記述式がない人は解かなくていいもいいかな。
できなかった人は、この先も読んで、有料部分の訓練もした方がいいと思います。

「天才の先生は大学に首席で受かった」 
文節に分けてみます。
「天才の/先生は/大学に/首席で/受かった」 
主語と述語、目的語という骨格だけだと、
「先生は大学に受かった」ですね。

「天才の」「先生は」という、2文節で主語部の機能/役割を持っています。
中学校の文法では「主部」と教わったと思います。
皆伝 現代文では「主語句」と表現します。
2つ、3つの文節が連なっていて、主語部の役割を持つものを「連文節」と言います。

天才の先生は 主語句  
卒業した今では 接続語句 
たくさんの学生を 修飾語句
上手に教えています 述語句

英語では a big white planeのa big whiteを形容詞句と教わりましたね。
「大きくて白い」飛行機

私が飼っている猫はかわいい。
「私が飼っている猫」のように、「私」主語と、「飼っている」述語部が揃っている部分を節と教わりましたね。つまり、形容詞節と教わったと思います。
皆伝 現代文でもSVの揃った部分を節と表現します
「私が飼っている」は、形容詞節です。
「私が飼っている猫は」は、主語節です。
「私の猫は」なら、主語句です。
「猫は」なら、主語部です。
「猫」なら、主語です。

英語では
I am a teature that I teach Hongou.
という文があると、
I am a teature  という主節のパートと、
that I teach Hongou. という従節/従属節のパートに分かれますね。
日本語でもこういう風に、一文に主語部と述語部が2つある文もあります。

私は{(私は)本郷さんに教えている}教師である
主節が重要な箇所です。太字のところですね。
日本語の文を読むときは、主語部が2つあったら、読みにくいので、外側の太字の主節を先に読んでしまうと理解しやすくなります。

例)かわいい猫を飼っている先生は、東京の大学に行きたいと思っているヴァーチャル受験生の私にオンラインで教えている師匠です。

わかりにくいですね。

かわいい猫を飼っている先生は{東京の大学に行きたいと思っているヴァーチャル受験生の私にオンラインで教えている}師匠です
主節の太字だけ読むと簡単ですね。

形容詞句や形容詞節の長い場合は、
先生は師匠ですというところだけ抜き出して読んでもいいと思います。
この文の本質、一番言いたいことはそこだからです。
要約すると、「先生は師匠です」になります。
入試の本文も、長くてわかりにくい文はあるんですけど、本質のところだけ、主語部、述語部を抜き出して読めるようになりましょうね。

私は教師で、本郷さんに教えている。
私は教師だ。そして、本郷さんに教えている。

いろんな書き方があります。こう書いてくれればわかりやすいんですけどね。

修飾語部
①連体修飾語 活用しない/形の変わらない「名詞」に係る

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