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皆伝 現代文 知識05 語句

語句の知識 説明と演習問題

説明

・抽象
・具体 
抽象は具体例をまとめたもの、いくつかの具体例に共通する要素を抽出したものとも言えます。
具体は抽象を説明するために挙げる名詞のことだと言えます。
抽象度が高いものを抽象
抽象度が低いものを具体とも言えます。
例)「スポーツの具体例を挙げてくれたまえ」
「サッカー、テニス、バレーボールですかね」
このようにスポーツの下位分類として、名詞を挙げられるとき、
「スポーツ」は抽象度が高いので抽象、サッカー、テニス、バレーボールは抽象度が低いので具体と言えます。
例)「ボールの具体例を挙げてくれたまえ」
「ミズノのボール、サッカーのボール」
このようにボールの具体例としての名詞を上げられずに、「のボール」という表現をするとき、
ボールは具体/抽象度が低いと言えます。
言えるか言えないかは一般的にと言うことです。専門家なら言えるかもしれませんが、それは受験では考えないようにしましょう。大学に入ってから考えましょう。
例えば、サッカーの具体例として、ブラインドサッカー、6人制サッカー、車いすサッカー、ストリートサッカーなどを挙げられますが、これを読んだあなたは「あー、そういうのもあるね」と思いましたね。自分では思いつきませんでしたね?だから、こういうのは一般的とは言えないんです。
抽象≒一般≒普遍とも言えます。
例えば、楽器 ヴァイオリン 牛 湖 スポーツ
湖はどこにあっても湖です。普遍的な表現と言えます。
・具体≒唯一≒個別≒特殊とも言えます。
例えば、本郷りん 琵琶湖 あの牛 サッカー
けどストリートサッカーもあります。
具体と言っても、こうしてさらに具体例/下位分類を挙げること自体はできるので、抽象度が低いと言っているんです。演繹法のようなものですね。

・帰納法を使うことは抽象化と言えますね。特殊で具体的な個別の事例から一般的な命題を導き出すことを帰納法と言います。サッカー、卓球、サーフィン、バタフライ、駅伝競走に共通する要素はなんだろうと帰納法を使って考えると、スポーツという抽象的な名詞を思いつきますね。

・演繹法 一般的な命題から特殊な命題を、経験ではなく論理によって導き出すこと。本質から具体例を考えることです。広がっていく感じです。ボールを使ったゲームというスタートラインがあって、そこからサッカー、バレーボール、バスケットボール、卓球、テニスと考えていくことです。

・オリエンタリズム 「オリエンタリズム」は、イスラエル生まれのキリスト教徒エドワード・サイードの著書名でもあるし、概念として頻出です。西洋人が、「東洋人は文化的に劣っていて、西洋以外はアフリカもアジアも太平洋も同じだ」という、実態を観ずにステレオタイプで物を捉える考えのことです。
例えば、日本のイメージは富士山と芸者、電卓、過労死、メガネに出っ歯とアニメというのは単なるステレオタイプ。オリエンタリズムだとアジア人だからフランス語になまりがあるだろう、高度な法的概念を理解できないだろう。国別で言うと日本人は自己主張しない。中国人ならゴミをそこら辺に捨てて騒がしい。イラク、シリア出身なら違法難民といったものです。ごく最近には、「西洋人はどうせオリエンタリズムでアジアを観ている」という固定観念が批判されています。

・モダニズムは近代主義のこと。モダンはmodernのことで、単独では近代や現代と訳します。
・近代。近代は地域によって、いつからなのかが異なります。日本では、江戸時代は近世で、明治から近代ということが多いですね。
近代は、中世/前近代とは対比されます。
中世のキリスト教/神中心ではなくて、近代は人間中心主義≒人文/人間の文化≒ヒューマニズム、
中世は不合理/神学で、近代は合理主義、
中世は感情で、近代は理性を重視≒人類に共通するので普遍的、
中世は共同体/集団主義で、近代は個人主義、
中世は信仰/聖書で、近代は脱宗教≒科学≒観察と実験≒経験  
中世は君主政で、近代は民主政≒国民国家
です。
アジア、アフリカでは近代化≒産業化、民主化する時にヨーロッパの技術や制度、思想を採り入れたので、ヨーロッパ化/西洋化とも言えます。

・矛盾は、ありえない条件、設定のことです。 
例)透明な曇りガラス 危険な安全地帯 嘘つきの正直者 白い赤
・パラドックスは、逆説のことです。 一見おかしなことなんですけど、矛盾と違って、論理的に考えると納得できるというものです。
例)急がば回れ 急ぐなら「むしろ」回り道したほうが早い。なぜなら踏切が20分閉じているから。
  不採用になって「かえって」よかった。なぜならすぐに倒産したから。
  病気のお見舞いに行った。「ところが」元気そうだった。なぜなら嘘だったから。
  
最初にマイナスイメージのことが書いてあって、「むしろ」 「ところが」「かえって」を使うことが多いですね。後で、プラスイメージのことか書いてあります。書いていなくても想像できます。
・逆説=「むしろ かえって ところが」 ≠逆接です。「しかし」単に逆のことを書くときに使います。
  
・不条理は、根拠がないことです。結果として合理的ではなくて、筋が通っていないことです。
必ずしもいいことになっているわけではないので、逆説とも違います。
「変身」「城」などのカフカの小説は「不条理」とよく言われます。演劇では「ゴドーを待ちながら」が不条理演劇として有名です。木の下でゴドーと待ち合わせていると話している見知らぬ二人なんですけど、実際は待っていないと解釈されています。
例)好きな人に告白されて、(なぜかわからないけど)断ってしまった。
例)会社をさぼったら、(なぜかわからないけど)昇給した。
例)「帰るわ」「なんで」「なんとなく(=なぜかわからないけど)」
例)ものすごく怒っていたら、(なぜかわからないけど)「好きになった」と言われた。

必要な基本語句はまだまだあります。例えば、

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