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慶應義塾大学SFC AO入試の志願者評価、志望理由書、自由記述の対策

(慶應義塾大学のシンボルなので、三田キャンパスの旧図書館を見出し画像にしています。)

あなたへの質問
SFCに興味を持ったきっかけと、その理由はなんですか?
あなたがどうしてもしたいことに、SFCでの学びはどう役立つんですか?
SFCの教授が知りたいのはこの二つです。
この二つを文章で、絵で、画像で、カリキュラム編成で、口頭でといったどんな手法を通してでも、どんな角度から訊かれても理路整然と、そして心の底から強い思いで説明できることが、合格には必要です。
例えば、SFCに興味を持った理由はなんですか?という質問は、
「私はこういう経験をしてきたので、こういう考え方をする、こういう物、事、人に興味がある。SFCはこうだから、興味を持った」
という回答を待っています。
つまり、あなたはどういう人ですか?という質問にもなっています。
あなたは、自分の経験、思い、考え、能力と資質、将来のプラン、SFCとはどういうものかを十全に把握しているでしょうか。把握しているつもりになっていないでしょうか。それを出願準備を通して確認しましょう。
この記事が、その助けになると思いますよ。

オープンキャンパスには行きましたか?
興味があるなら、オープンキャンパスに来ているのが自然で当然だと考えるのがSFCの選考者です。好奇心、行動力があるということも表現できます。
頭で考えたこと、サイトを見て想像したこと、実際に目にした印象は異なるかもしれません。
四年間通うことになるかもしれないキャンパス、塾生を見て、話をしましょう。もっと行きたくなるかもしれないし、やめておこうと思うかもしれません。いいきっかけになると思います。

SFCの魅力、他の大学との違いはなんでしょう。
あなたなりの魅力を見つけましょうね。
郊外にあって、自然豊かで広いキャンパス。つまり、都市特有の誘惑が少ないので、学業に専念しやすい。
企業と協同して実地で学べる研究室の存在。
学部を横断して学べるカリキュラムが整備されている。
先端的な研究をしている一流の教授陣がいる。
学生の意欲と好奇心が高くて、背景が様々である。
一つ一つは他の大学にもあるんですけど、この組み合わせはユニークです。
人だって、
「サッカーをしている」「自作のゲームを作った」「起業をした」一つ一つは他の人もしていることなんですけど、三つすべてを一人で体現している人なんて珍しい、だから価値があるんです。
サッカーでも
「左利き」「サイドバック」「ファイナルサードへの侵入回数が多い」「デュエルの勝率が地上でも空中でも9割」「得点がシーズン10点」
一つ一つはそこそこかもしれないんですけど、全てを兼ね備えている選手はそういません。プレミアリーグに属しているチームから関心を持たれるかもしれませんね。
これは志望理由書や、自由記述、志願者評価にも言えることです。
「英語が話せる」そういう人はたくさんいます。
しかも「日本人です」
しかも「起業したことがあります」
これだけでも稀な存在なんです。



基礎知識

総合政策学部では、政策、法、戦略、経営、ガバナンスといった視点からの問題解決を志向しており、環境情報学部では、技術、デザイン、ツール、感性、アートといったアプローチを重視しています。両学部のアプローチは、断絶したものではありませんが、違う発想に基づくものであり、両者のコラボレーションを意識しながらも異なる問題解決を目指しています。

Faculty of Policy Managemant /総合政策学部
department/division/学科 major/専攻は存在しません。
環境情報学部の授業もほとんど制限なく取れます。
政策デザインの分野、社会イノベーションと経営・組織の分野、国際戦略の分野、言語文化とコミュニケーションの分野、総合政策学の方法論の分野などがあります。
「分野」とは学生や教員が所属する「専攻」「学科」「コース」ではありません。現在の両学部の研究の領域を便宜上わかりやすく束ねた編集上の区分です。SFCの学生は自由にプロジェクトに参加し、結果として自らの専攻分野を創っていきます。
総合政策学部では複数の分野を学ぶことで、新しい問題解決の方法を切り拓くことに加えて、新たな方法そのものを学び取ることを求めています。 総合政策学は、世界を認識するための認識科学を前提にして、目的の実現に向けて仕組みのデザインをよりよく行う設計科学を志向しています。そのために目的に応じて複合的に研究の方法を選び、組み合わせる方法を身につけます。
必読書「総合政策学」(慶應義塾大学出版.2006年。総合政策学とは何か? 近年、社会問題の解決にあたっては、政府、非営利組織、民間の企業・個人といった多様な主体が協働して取り組む必要性が重視されている。本書では、「ガバナンス」の概念を基軸として、課題解決に取り組むためのメソッド、アクター、プロセスを統合し、「総合政策学」を「実践知」の学問として体系化する。 社会的現象を事後的に「知る」従来の学問に対して、「総合政策学」はリアルタイムに「今」を分析し、問題発見・解決に向けて、主体的、能動的に活動する「実践知」の学問である。本書では、その共通基盤を「ヒューマンセキュリティ」の実現に求め、「実践知」としての総合政策学の具体的な活動事例を紹介する。)

Faculty of Environment and information Studies /環境情報学部
先端情報システムの分野、
先端領域デザインの分野(建築を育てたり、未知なるモノづくり領域の開拓、幾何学や美術、環境デザインや地図表現、歴史や地域景観、場づくりやコミュニケーションについて探究し、未知なる次の建築・都市・景観・場づくりをデザインする)、
先端生命科学の分野、
環境デザインの分野(建築・都市・地域レベルから地球レベルにわたるスケールの異なる幅広い視野で、持続可能な未来の環境デザイン)、
人間環境科学の分野(人が身体や言語を駆使しながら環境と相互作用するプロセスと変化を、個人、コミュニティ、社会レベルで捉え、考察することで、知の構造・機能の理解をめざすとともに、新たな知の創成に挑戦します)などがあります。

開講する科目群を「基盤科目」と「先端科目」の二つに大きく区分して、各科目の位置づけをはっきりさせる一方で、社会の要請にも応え、「開講形態の多様化」にも柔軟に対応するカリキュラムとしています。また、「研究会」を経て、研究の集大成である「卒業プロジェクト」にいたるという流れをより実りあるものとするために、その出発点ともなる、自分にあった「研究会」を見つけるまでのガイド的役割を果たすための「アスペクト」という考え方も導入しています。 原則として2年生から一学期に最大6単位まで研究会を履修することができます。本人の能力次第で1年生から履修することもできます。

・このカリキュラムでは、クラス単位での学びの機会をより大切に考えています。同じクラスの仲間とともに、外国語、情報技術基礎、データサイエンス、ウェルネスといった科目を一緒に学ぶ中で、4年間の大学生活を送る仲間との絆を培うとともに、学びの可能性を発見、再発見できるような機会を設けています。それぞれのクラスは2名の教員がクラス担任となり、皆さんのサポートにあたります。

・慶應義塾大学では、2014年度から4学期制と2学期制を併用した学事日程を導入しています。これに対応して、SFCでも春学期と秋学期のそれぞれ前半・後半にそれぞれ科目を配置することにより、短期間に集中して学習に取り組むことができる科目の設置をすすめています。このことにより、海外留学、フィールドワークなど、大学を離れて活発に活動することを支援する環境を用意しています。

・基盤科目-学部を問わず、すべてのSFC生が学ぶべき「基盤」を培うための科目です。入学後の早い段階から「研究会」や「卒業プロジェクト」に必要な言語・思考法・技法等を意識しながら履修計画を立てられるように、学びを支援します。一部の「基盤科目」は必修・選択必修に指定されており、これらの科目履修を導入として、一人ひとりの関心領域に応じて継続的に「基盤」の強化をすすめていくことが期待されています。
一部の「基盤科目」(言語、データサイエンス、情報技術基礎。ウェルネス)は必修・選択必修に指定されています。基盤科目:3年生→4年生に進級するために30単位必要
・総合講座科目- 学生自身の"研究プロジェクト"の基盤を構築する科目です。まず、これまでにSFCの教員・学生が取り組んできた多種多様な総合政策学/環境情報学の営みについて学ぶことを通じて、自らのテーマを育てていくきっかけを提供します。また、自分の"研究プロジェクト"を検討し、学習や実践の計画づくりにも取り組みます。
・言語コミュニケーション科目 -SFCでは、言語コミュニケーション重視の観点から外国語教育に力を入れており、英語のみならず、マレー・インドネシア語、アラビア語、朝鮮語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語、イタリア語、日本語が開講されています。
少人数で週4コマ集中して言語を習得していく「インテンシブ」で実力を培い、テーマ別授業の「スキル」や、現場を体験する「海外研修」でそれを補えば、本物の外国語能力、言い換えれば、文献読破や論文執筆、討論や交渉、フィールドワークやプレゼンテーションで活用できるような、高度の外国語能力を身につけることができます。※語種により開講される科目(「インテンシブ」「ベーシック」「スキル」「海外研修」)は異なります。
・データサイエンス科目
今まで以上に多様で膨大なデータの解析が可能になりつつあります。世界的にも、データサイエンスに精通した人材の育成が課題となっています。
いくつもの分野に広く応用できる共通の基礎技法を習得するための科目であり、統計科学を中心とするデータ分析手法とモデリング・シミュレーションおよび論理・確率・代数などの数理科学について学びます。
・情報技術基礎科目
コンピュータやインターネットを創造的に活用し研究や様々な取り組みをエンパワーするために必要な知識やスキルを習得します。Webの技術や表現を中心に様々な場面で応用可能なプログラミングの基礎的手法についても理解を深めます。情報技術の基礎を固めその後の研究やキャンパスにおける活動をより効果的なものとします。
・ウェルネス科目
心身の健康を図るだけでなく、自己開発教育の重要な一環として設置しています。体育系以外の大学の体育としては異例ともいえる幅広いジャンルの授業が行われており、ゴルフ、エアロビクス、気功、スクーバダイビングなど、約30種目が開講されています。実りある教育や学問研究は、心身の充実が前提となることは今さら強調するまでもないことです。従来の「体育の授業」という概念を超えて、環境の中での主体としての人間をその根底で支えるものとして位置づけています。

先端科目 研究会と卒業プロジェクト
先端科目:4年生→卒業するために30単位必要
・研究会-SFCにおける活動の中心で、「卒業プロジェクト」に向けて、教員と学生が共に考えながら、多様な課題に取り組んでいきます。SFCでは、「問題が与えられ、正解を教わる」のではなく「何が問題かを考え、解決方法を創出する」ことができる、「未来の先導者」を育成し、そういう人が社会に輩出することをめざしています。それを実践するための「研究会」では、企業との共同研究や官公庁からの委託研究など、先端的な研究活動を数多く行っています。学生はそれらに参加して実社会の問題に取り組むことによって高度な専門性を身につけ、自らの「未来創造の成果」として、また、自らが未来へ前進するときの「自分自身のプロポーザル」として、卒業プロジェクトを作成します。そのため、両学部ともカリキュラムの核となるのは「研究会」です。原則として、2年次から学期(春学期、秋学期)毎に最大6単位分の研究会を履修することができます。本人の能力次第で1年生からでも履修できます。
SFCは、新しい知識の創造に向けた学術先端的な研究活動を行う場所です。しかも、専門性の追究を学部の段階から実践するために、教員と大学院生、学部生は一体となって協働/協同的な研究体制を推進しています。特定の研究会に入る前に、履修しておかないといけない授業というものもあります。シラバスに書いてあります
・「研究会」を中心とするSFCでの学習の成果として、すべての学生は、卒業までに、論文の執筆や作品の制作などを行います。これまでSFCで培ってきた創造性と先端性を駆使し、卒業に向けて、研究成果を生み出すプロジェクトを自ら推進するものです。研究成果の形態は、論文の執筆や作品の制作のほか、研究の成果としてふさわしいものが求められます。卒業するためには、「卒業プロジェクト1」の後に「卒業プロジェクト2」を履修し、単位を修得することが要件になっています。卒業プロジェクトは、自らの研究として取り組んできた各種プロジェクトをまとめ上げる段階であり、通常は2学期間以上かけてメンターとの対話を行いながら進め、論文や作品など実際の研究成果物を作成し、評価・認定を受けます。

□SFC 2024年 シラバス https://syllabus.sfc.keio.ac.jp/
https://gslbs.keio.jp/pub-syllabus/search 
2024年5月の時点では春学期しか公開されていないので、秋学期のシラバスは2023年度を検索して参考にしましょう。
名前の後ろにGIGAとある授業は、Global Information and Governance Academic Programの略です。すべて英語で授業が行われるんです。
連続授業とは、2限分連続で授業が開講されること(休憩時間あり)です。
一学期間の中で、学期の前半または後半にしか授業が行われない場合によくあります。この他にも、研究会などで授業が連続して行われる場合があります。
例) パブリックマネジメント【学期前半】玉村 雅敏 他2単位
春(学期前半)、月3,4
一年生の春学期の上限は22単位。
一年生の春、秋を通して30単位を取れば、二年生に進級できる。

ここからが書類の準備です。
多くのサイトで、合格した人の2000字の事例、自由記述の事例が紹介されているんですけど、その人は世界大会のジュニアチャンピョンになったり、評定平均が5.0だったり、7か国語に通暁していたり、国際的な学術誌に論文が掲載されたりした人かもしれないんです。その場合、2000字や自由記述はそれなりでも合格するかもしれません。そういう総合評価を知らないで見ている2000字、自由記述は「このくらいで合格するんだ、へー、簡単そうだ」となるかもしれません。
けれど、こうした実績を持っていないあなたが、おなじくらいの2000字や自由記述を書いても、合格は難しいかもしれません。
AO入試は総合評価なので、活動実績が見劣りするという場合には、2000字と自由記述、面接で評価を高める必要があります。
SFC専門塾に通っている人は必要ないと思います。SFCに詳しくない講師に学んでいるけど不安な人、塾に行っていない人に読んでほしいですね。
これでもか、ということを示せる2000字、自由記述、志願者評価の書き方を説明しますね。

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