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皆伝 現代文 読解16 指示語

指示語の問題で、「それ」は何を意味するかは、頻出です。

他の記事で書いたように、それは前か後ろに書いてあること/ものを言いかえる言葉です。
①事前の物の言いかえ
英語が好きだ。」「私もそれすきー」
②事後に出てくるものの予告
「それはある夏の夜のこと。妖精のいる森で、~」

指示語の意味する内容は、基礎的な出題の多い大学では同じ一文内か、同じ段落かもっと前にあります。
難関大学では、後ろの文か段落に書かれていることが多いです。
①の場合、指示語の前後の言葉(後の「すきー」)を手掛かりにして、周辺を探すと、「好き」という同様の言葉が見つかりますね。「それがすきー」だから、その言葉の目的語=「英語」をさすとわかるんです。
つまり、指示語の前後のキーワードの言いかえを探せば答が見つかるということです。

例)
それはAである」
Aが正解です。
そんなに簡単でない時には、さらにAはどういう意味かと出題されます。
Aの言いかえを探しましょう。
「海はAだ」。それ=海だとわかりました。

指示語、代名詞が単数か複数か 時間と距離が近いか遠いかを考えて、言い換えを見つけましょう。この(近い)< その <あの(遠い)
それ(単数) それら(複数)
かれ(単数) かれら(複数)

例)
この信号は赤です。これは故障しています。
これらの信号は赤です。これらは故障しています。
この信号もその信号も赤です。それらは故障しています。

難関大学を除くと、大抵の場合は、指示語の答は指示語よりも前にあります。起承転結の同じグループに答えがあることの多い傍線部の問題と違って、指示語の場合は前のグループにも答があり得ます。

訓練1 太字の指示語、代名詞が差す事、物、人は何かを示しなさい
本文から抜き出せる場合はそのまま抜き出し、抜き出せない場合は最適な文にしましょう。
事の指示語なら「~なこと」と書いたり、名詞の形で終える文にするということです。問の指示を読み取って、適切に答える技を身につけることも必要です。
一般的に、代名詞の前に言い換えがあるので、「それ」の前を探しましょう。「~こと」を付けて違和感がないことを確認しましょう。違和感があるなら不正解かもしれませんね。

大きな地震があった。1それがあったのは、イラクとイランの国境付近だ。2これらの国は長い間敵対してきたが、最近はそうでもない。どちらの国もイスラームが主要な宗教だ。しかし、両国ともに、スンナ派、或いはスンニ派と呼ばれる宗派の多いクルド人を抱えている。3彼らはどちらの国にあっても、少数民族だ。あるクルド人はこう言う。「4は、自分たちの国を持ちたい」と。5の言うことはもっともだ。しかし、すべての国で少数民族が独立したら、大変なことになる。だから、6それはあってはならない。
ただ、かつて国を持っていた民族と、7そうでない民族は異なる。例えば、スペインのカタルーニャ人は国を持っていた。8彼らは独立して国を作ることを主張している。9このことと区別しなければならないのは、日本のアイヌ人だ。10彼らは国を持ったことはない。

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