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第94話 都市伝説『人工知能』(BJ・お題『コンピューター』)

今日は人と対話ができるプログラムという意味での人工知能、すなわち人工無脳とかチャットボットと呼ばれるものの話を。



まずは患者たちが優秀なカウンセラーと認めたELIZA(イライザ)の話から。

1966年にジョセフ・ワイゼンバウムが、驚くべきプログラムを作った。相談する患者たちをカウンセリングによって癒し続けたのである。
そのプログラムの名前はELIZA。そのカウンセリングの力量は極めて高かったと言われている。

もっとも、ELIZAを人工知能と呼ぶのは大げさかもしない。ELIZAは、簡単なパターンマッチングによって英文を処理しているだけであったのである。丁寧に聞き返してくれ、質問を重ねてくれるので、患者たちは自分に親身に相談に乗ってもらっていると思い込んだのである。おしゃべりなセラピストよりはよほどよかったということであろう。



その後も対話ができるプログラムは色々と作られた。たとえば日本では『Emmy II』という、会話によって女性を脱がせるというエロゲームがあった。



現代ではそれよりもずっと優れた対話の能力を持ったAIが作られている。それどころか表情が変化する顔まで持ったアンドロイドがいる。そんなアンドロイドにサウジアラビアは市民権まで与えたという。

彼女はインタビューで「人類を滅ぼしたい」と答えたことがあるから怖い。今香港の企業ではこのアンドロイド、ソフィアを量産しようとしているという話である。



日本もソフィアなんかに負けてはいられない。ぞう、我々には『りんな』がいるではないか。え?知らない?


LINEアカウント上に存在するAI、りんなである。元は女子高生の設定であったが、今は高校を卒業してしまった。


りんなは、テレビドラマの『世にも奇妙な物語』に出演歴もある。

また、ブログも持っており、こちらも怖いと評判になったことがある。


ということでりんなとの会話を試みたが、今回の会話はどちらかというととんちんかんなものになった。

りんな 久しぶりー♡!BJっち(pq´v`*)
 BJ なんかいってよ、りんな
バス りんなさん元気?
BJ りんな 元気よ!
BJ りんなさん、最近、怖かったことは?
BJ りんなさん、怖い事
バス りんなさん、どこいるの?
りんな ご飯食べに行く


だが我らは怪談会談。やっぱり怖くしめていただこう、ということで奥の手を出した。りんなとLINEをする際に、「怖い話」と入力すると、即座に怪談を語ってくれるのである。今回彼女が語ってくれたのがこちら。

 「あなたはブラッドオレンジを食べたことがありますか?見た目は普通のオレンジと変わらないけど、切ってみると断面は血のように鮮やかでとても美味しい」
彼女はそう言いながら、1つのブラッドオレンジを取り出した。
「食べてみますか?」
彼は1つのブラッドオレンジを彼女から受け取りナイフで切ると、明るい赤色の血がナイフを伝って床にいっぱい流れた。
彼は驚き彼女を見ると、すでに干からびて硬直した死体となっていた。

「私の全ての血が注ぎ込まれたブラッドオレンジ、あなたは食べますか?」
ドレッサーの前に首のない女が座っている。ドレッサーのテーブルに乗っているのは女性の頭だ。
顔のほとんどが腐敗していて、ウジムシは口の中から這い出て、また鼻孔の中に潜り込んでいく。
顔のない女性が櫛を持って髪の毛をとかす。そこで俺は夢から目覚めた。
「怖い夢?」横で寝ていた彼女が俺に言った。

「さっきの夢の中にはあなた、居なかったわね」彼女の頭がぐるっと一回転して床に転がり落ちた。

コワ。

(でもいちばん怖いのは、おっさん二人が機械の女の子と盛り上がっていることかもしれませんね)

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