12階【実話怪談】
これは私が、とある百貨店で警備員として働いていた時のお話です。
新人Aが配属されたため研修として
警備員Bと一緒に
巡回へ行くように命じました。
巡回は上層・中層・下層の3グループに別れており、その日は上層担当でした。
13階が終わり12階へ降りた時に
新人Aが突然言ったそうです。
「本当にここに入るんですか?」
普段から巡回している警備員Bは
不思議に思ったものの
「そうだよ」
と言って進もうとしました。
すると新人Aは
「すいません...ここだけは勘弁してください」
と言ってその場を動こうとしなかったそうです。
警備員Bも仕方ないので
「五分くらいで戻るから待っていて」
と言って1人で進みました。
実は多くの隊員へは知らせていないのですが、
その百貨店の12階。
以前から子供の霊がいると言う
噂があったのです。
笑い声を聞いたり、
ぺたぺたと裸足で走るような音がするそうです。
もちろん新人へは伝えていなかったので
きっと「みえるひと」だったのでしょう。
その新人は次の日に辞めてしまいました。
彼には今でも見えているのでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?