ぼくがすきなたいぷのはやおしくいず

昨日は、「東日本『新人王』決定戦」というクイズ大会に出てきた。結果はまあ実力相応といった感じだった。

その影響で帰りが遅くなって、noteを書けなかったんだけど、それはまあいいとして。

クイズ大会に出ると、クイズに対するモチベーションが否応なしに上がる。上がってしまう。普段は「楽しめればいいかなあ」と思っていて、大した努力もしていないくせに、いざ大会に行くと、勝ちたくなるし、1問でも多く正解したくなる。

まあ、これだから、クイズは楽しい、とも言えるのだけれど。

 * * *

成績のよくない分際で「クイズはこうあるべき」と語る資格はないと思うのだけれど、「僕はこういうクイズが好きです」と語る資格は、誰にだってあると思う。そういうわけで、昨日の大会の興奮を忘れないうちに(正直、大部屋でやってたクイズはもう異次元でわけがわからん)、書きながら思考を整理してみたい。

さて。

昨日、僕が正解できたクイズで印象に残っているものが、2問ほどある。

ある分野を勇敢に切り拓いた女性をこう呼ぶこともある、百年戦争/

(クイズ畑以外の方向けに説明。早押しクイズの問題文において、記号/は「ここでボタンが押された」ことを指します)

前半はうろ覚えなんだけど、だいたいこんな感じだったと思う。

まずは、問題中の僕の思考を再現してみよう。まあ、思考の再現とか不可能だし、テキストにする時点で劣化は避けられないんだけど。データで保存できたらいいのにね。拡張子.thkとかで。

とりあえず、前半、読点の前までを聞いて、ぼんやりと、FGOのジャンヌ・ダルクの顔が浮かんできた。あの、ストーリーパートで、翻った旗を持って「がんばりましょう!」って言ってるようなやつが。ピックアップのガチャ一応引いたんだけど影も形もありませんでした。

とはいえ、前半だけでは答えに確信に持てるはずもなく、僕はボタンを押さずに待った。戦略としては、「ジャンヌ・ダルク」という答えの確度が高まるような何かがあったら押す、ということになる。それか、他の答えっぽかったら改めて考え直す、というような。

正直、読点の前までの時点では自分の中での確度は50%くらいだったし、ジャンヌ・ダルク以外だったら答えはなんだろう、という観点で次の一節を聞いた。

読点の後。やってきたキーワードは「百年戦争」だった。ジャンヌ・ダルクは百年戦争、フランス側で活躍した偉人である。みんな一斉にボタンを押した。光ったのは、僕の前のボタンだった。

正直、今回の大会で「みんなが一斉にボタンを押す」ような、ベッタベタの易問を穫れるとは思っていなかったので、この正解は嬉しかった。意外だった。FGOのストーリー第一部・第一特異点の章題は「邪竜百年戦争」だから、記憶の浅いところに「百年戦争」が喚起されていたのかもしれないけれど、ね。

そんなことを思っていたんだけれど、ちょっと落ち着いて考えてみたら、この問題を点けられたのは偶然ではないような気がしてきた。なぜって、この問題、僕がよく作るタイプの問題なのだ。

僕がよく作るタイプの問題として、「ベタ問(※頻出の問題のこと)の前にひとフリ加える」というものがある。フリを入れる理由としては、「詳しい人なら最初でわかる」「わからないにしても、詳しい人は、ただ単に問題を知っている人より押し合いになった時に有利になれる(あたりをつけられる、という意味で)」などが挙げられる。

書いてて思ったけど、これ、クイズできる人にとっては自明の理だったらめっちゃ恥ずかしいな。5年やっててもどうせこんなもんですよ。

と、予防線は置いといて。先ほどの問題。

ある分野を勇敢に切り拓いた女性をこう呼ぶこともある、百年戦争/

これまさに、「ベタ問にひとフリ加えた」タイプの問題ですよね。たぶんこの後は「百年戦争で活躍し、『オルレアンの乙女』と呼ばれた人物は誰でしょう?」みたいな感じで続いていく。後半はよく出る問題そのまんま。

僕はジャンヌ・ダルクとか百年戦争に「詳しい」わけではないけれど、FGOを直近にプレイしていたという意味で、多少はジャンヌに関する記憶が想起されていたから押せたのだなあ、と思う。

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もう一問、これめっちゃ好きだなあと思った問題がある。

チェコ出身の作家フランツ・カフカが、作品を書くのに用いていた言語は何でしょう?/

この問題は、読み切られてスルーになりそうだったところを僕が「ああ!」とつぶやきながら押して正解できたやつ。

これも思考プロセスを再現してみよう。

カフカか……『変身』か『グレゴール・ザムザ(『変身』の主人公)』しか知らないよぉ……」→ん?言語?え?だって、あれ。『変身』の原題って『Die Verなんたら』でしょ?あれって(ここでボタンを押す)「ドイツ語!」

こんな感じだった。ちなみに原題は『Die Verwandlung』でした。読んでてよかったWikipedia。

こういう問題が好き。ベタではないけれど、そこにちょっと詳しい人が「あっ!」ってなって押せるような問題。考え方としてはモノシリーズをもうちょっと浅くしたような感じかなあ。

でもこれ、問題があって。こういうタイプの問題(で「良い問題」)は繰り返し出題されるうちにベタ化しちゃうんですよね。そうなるとキーワードでの反応が始まって、僕が好きじゃないタイプの問題になっちゃう。

どうして世の中はこう、ままならないのか。もう。

というわけで妥協点がさっきの「ベタ問に一フリ加える」感じになるのかなあ。妥協点というか、「こういう形もいいね☆」ということだけど。

 * * *

なんかずるずる書いたり途中で一度データ吹っ飛んだりしてるうちに全然まとまらなくなってきたぞ。うーん……

とにかく何が言いたいかというと、僕が好むタイプのクイズはこんなんですよ!!ってことかなあ。大会でこういうクイズが出て僕に刺さったら泣いて喜びます。

あとあれだね。早押しクイズ一問一問に対する思考プロセスを詳細に記述するの、結構楽しいや。またやりたい。

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