見出し画像

ドクター・ゲロはハード屋さんなのか問題

私はドラゴンボールでは、セル編が一番好きな人です。そしてその中では、色々あってドクター・ゲロをとても気に入っています。せっかくなので、私が2010年11月7日に書いた文章をリメイクして投稿してみます。


1.ドクター・ゲロの人造人間開発の歴史

(1)人造人間8号

ホワイト将軍を倒すなど、ハードとしては当時のレッドリボン軍の幹部クラスの性能はあったものの、そもそも侵略活動が嫌いという兵器としては致命的な欠点がありました。多分まともに戦えれば、孫悟空を苦戦させられたはずですが、裏切って侵略の邪魔をする始末です。このころから、ドクター・ゲロの悪の秘密組織のマッドサイエンティストとしては、致命的な弱点が見えています。

(2)人造人間13号~15号

人造人間としてまともだと思いますが、劇場版なんで考慮しません。

(3)人造人間16号

「俺は無から作られた」というドクター・ゲロ会心のハードとしての人造人間の完成形です。初期状態でも戦闘力は、セル第一形態末期と同等ということは、精神と時の部屋で修行前のZ戦士よりははるかに強いということで、16号を人造人間編の当初に投入できていたら、ここで試合終了でした。
とはいえ、16号のきめ台詞である「鳥が逃げてしまった」から分かるように、その制御人格は全く闘争的ではありません。孫悟空の抹殺が目的であることは理解しているものの、本編では孫悟空と戦うことはなく、セルの邪魔をする始末でした。本編でも悪い人造人間要素は皆無でした。このあたりは、人造人間8号と全く変わってません。

(4)人造人間17号、18号

人間ベースの永久エネルギー式人造人間です。戦闘力はセル第一形態初期と同等以上といったところでしょう。修行前のスーパーサイヤ人とでも互角以上なので、十分強いです。17号と18号の場合、戦闘力こそ16号に劣りますが、セルとの融合を(連載の後付け設定で)計画に含めたため、人間ベースで機械部分を有機物で代替するなど、意味不明なほど面倒な改造をしているので、ドクター・ゲロはハード屋としては、凄いなと思わせてくれます。17号、18号の制御人格はまあ不良と言ったら不良かなと思いますが、昔のピッコロさんとかと比べると普通ですよね。未来の彼らはなんであんなにぐれてしまったのかな。

(5)人造人間19号

17号に旧式といわれてしまったエネルギー吸収型の人造人間です。なんとなく体格が人間ばなれしているし、顔も白いので、個人的には19号も無から作られたのだと思っています。17号や18号よりも新しいものの、戦闘力はピッコロさん程度を圧倒するぐらいで、スーパーサイヤ人には基本的に劣ります。とはいえ、ドクター・ゲロ自身を20号に改造したのは19号なので、忠誠心の高さには定評があります。多分、ドクター・ゲロの人造人間における制御人格での完成形です。

(6)人造人間20号

最後のナンバー付き人造人間です。20号がドクター・ゲロ本人なことは、ブルマさんの証言などで、状況証拠的に間違いありません。惜しむべくは、20号もまたエネルギー吸収式の旧型で、17号、18号に戦闘力が及ばないことです。20号はドクター・ゲロ本人がベースなのだから、16号と同じ戦闘力で改造すればよかったと思うのですけども、それができなかった(連載の都合を除く)のがドクター・ゲロなのでしょう。

(7)セルを作ったコンピューター

人造人間ではありませんが、セルを作ったのは凄いので、それを作ったドクター・ゲロはもっと褒められるべきです。

(8)セル

セルの場合、ドクター・ゲロは完成前に死んでしまっているので、あくまでセル育成計画の構想を書いて、17号、18号を作ったのがドクター・ゲロの仕事になりますが、それでも凄いとしか言いようがありません。セルはハード面でみても、完全体セルの戦闘力はスーパーサイヤ人2クラスということで、とても強いです。ただ、私がそれ以上に評価しているのはセルの制御人格で、孫悟空抹殺のために、未来からタイムマシンを奪って過去に戻ってきて、1年間我慢して、多くの人のエネルギーを集めて、17号と18号を吸収してと頑張っている姿には、涙せずにはいられません。トランクスからタイムマシンを奪うというのは、さすがにドクター・ゲロの計画にもないでしょうし、臨機応変もすごいです。

2.ドクター・ゲロの人造人間の特徴について

  • ハード面の強さには定評があり、ドラゴンボール世界のZ戦士のインフレに十二分についていける。

  • ただし、強く人造人間ほど制御人格が優しくなる傾向がみられ、兵器としては使い物にならなくなる。

というわけで、ドクター・ゲロはやりたいことと本人の能力が乖離している不幸な天才科学者だと思います。ドクター・ゲロにとっては、実のところ兵器開発は、最も不得手な気がします。

3.個人的に想像しているドクター・ゲロの人造人間開発の歴史

(1)16号

手持ちの技術をつぎ込んで作製した究極の人造人間は、確かに強かったけど制御人格が優しすぎて兵器としては使い物にならず、愕然とする。制御人格を色々といじってみたけど、優しさところはどうにもならなくて、結局凍結する。

(2)17号、18号

制御人格がいまいちなら、人間ベースで制御を元の人格に任せればよいのではないかと考え、双子を調達して改造を実行する。戦闘力は16号よりも弱くなってしまった上に、製作者の言うこともあまり聞いてくれなくて愕然とする。とりあえず、体に爆弾を埋め込んで脅して言うことを聞かせてみたが、上手くいかなかったので泣く泣く凍結する。

(3)19号

旧式のエネルギー吸収型なら、実績もあるしまあ制御できるだろうということで作製する。19号はそれなりに自分の言うことを聞いてくれたので、一安心する。それでも、たまに自分に生意気な口を聞いたりするので、自分は創造主なのになと愕然とする。やっぱり、自分自身が強くないと駄目なのではと考え始める。

(4)20号

19号を使って、自らを人造人間化する。あえてエネルギー吸収型を採用したのは、永久エネルギー型だと自分の人格まで影響したら困るなというのと、19号がうらやましく思ってミスでもされたら堪らないなと思ったから。

(5)セルを作ったコンピュータ

ドクター・ゲロは、自分ではまともな制御人格を作れないと悩んだことから、ならば自分で成長する人造人間を作れば、制御人格の問題は解決するのではと考え実行する。さらに、せっかくの有機物ベースで改造していたので、凍結していた17号と18号も計画に組み込むことにする。

4.ドクター・ゲロはハード屋さんなのか

結論としては、ドクター・ゲロはハード屋さんです。人造人間のハード面(戦闘能力)に比べてソフト面(制御人格)が不得手すぎるのもそうですし、17号、18号にいうことを聞かせるために、プログラムではなく、爆弾を埋め込んで脅迫するという手法を選択したところなんかに、如実に表れていると思います。
普通は、「私(20号)を破壊したらお前たち(17号、18号)も機能停止するぞ」みたいなプログラムにしておくよね。爆弾のスイッチを外付けで手に持っていたところが、人造人間の親玉であるドクター・ゲロの本質だと思います。

それでは、ごきげんよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?