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契約農家様に関して【パートナー連携】

本日は、弊社が契約栽培させて頂いている農家さんたちのご紹介です。
現在、弊社の原材料の約9割が能登産のお米を使用しており、7社の農家さんのお米を仕入れさせて頂いております。


本日ご紹介させて頂きますのは、限定酒だけではなく、定番酒で活用させて頂いている主要農家様3社です。



【ゆめうらら様】

契約農家さんの一つである志賀町の「株式会社ゆめうらら(以下:ゆめうらら)」様には百万石乃白、山田錦、五百万石、食用米(能登牛純米に使用されるゆめみずほ等)、もち米など多岐にわたる品種を栽培していただいております。

酒造好適米として代表的な銘柄といえば山田錦があります。山田錦は遅く成熟する晩稲(おくて)の品種で、生産地として有名な兵庫県では6月頃から田植えを行います。能登地区での山田錦の一般的な田植えは5月中旬以降。しかしながら、ゆめうらら様では4月から田植えを行っています。これは、ゆめうらら様のチャレンジの一つです。

「お米作りは、常にチャレンジだ」と、ゆめうらら裏社長は語ります。
能登の気候にあった米作りを模索し、肥料メーカーと連携して、土壌分析・独自の栽培暦作成・肥料の配合を行うなど、常に改善を重ねていらっしゃいます。
裏社長は「能登の農業を守るとこと」について考え、それは「自然環境を元に戻す」ことが答えなのではないか、能登の大地で、人間が生きるためだけのお米ではなく、すべての生き物が生きていける環境を復活させることが、私たちができる能登への最大の恩返しだと考えていいらっしゃいます。

そうした思考を実際に行動へ移し、ゆめうらら様の水田は民間機関である「米・食味鑑定士協会」から「環境特A地区」の認定を受けました。植物を育てる上で、最も大切である水の鑑定や、昆虫・魚類・鳥類などの観察記録を経て、水田の安全性と豊かさが証明されたのです。

農作業

また、ゆめうらら様は「水田作りからの酒造り」にもご賛同いただき、能登の耕作放棄地を活用した取り組みを共に進めています。時には石川県内の大学生や弊社お取引企業様の受け入れもご快諾いただき、共創体験型の酒造りにお力添えをいただいております。おかげさまで、現在までに東京ドーム5個分の耕作放棄地の削減に繋がりました。

耕作放棄地のなかには、お米の栽培に適さない土地もあります。その土地では小麦・大豆を栽培していただき、ここで育った小麦や大豆は弊社の醤油の原材料となります。能登産・手作りの丸大豆醤油を目指す弊社にとっては、ゆめうらら様の機転が追い風となりました。

2017.5.18 田植え

他にも、ゆめうらら様には見習うべき点が数多くございます。
なかでも心打たれたのは、地元の方と共に歩む姿勢です。お米作りをさせていただく田んぼの持ち主(地主さん)やお客様とコミュニケーションをとることはもちろん、地域の祭りやイベントにも積極的に参加され、地元で交流を図ることを社員の方にも推奨しています。
良い米づくりにはその土地での情報交換が重要ととらえ、地域の声を大切にしています。また、信頼なくして会社や地域の発展はないと、裏社長はおっしゃいます。異業種から農業の世界へ飛び込み、地元への感謝と愛情を常に持つ裏社長らしさが、この言葉ににじみ出ています。

「農業には夢がある!」
この言葉を何歳になっても胸を張って言える農家であることが裏社長のモットーです。夢を叶えながら、未来へチャレンジしていくことで能登とともに発展してゆこうとする、ゆめうらら様。弊社としましても、共に新しい取り組みにチャレンジし、今後も地域に貢献し続けてゆきたいと考えております。

■株式会社ゆめうらら様HP
www.yumeurara.co.jp



【内浦アグリサービス様】

弊社と同じ能登町内にあります「特定農業生産法人有限会社内浦アグリサービス(以下:内浦アグリ)」様には、主に石川門を栽培していただいております。石川門は石川県オリジナル品種の酒造好適米です。

内浦アグリ様は、「農業を通し、常に人間性を高める強い意志を持ち、地域の農業環境を守り育て、地域社会に貢献するとともに、社員の豊かな生活を守るため努力する会社」をモットーに、地域密着型の農業を目指しています。
稲作・畑作・菌床しいたけの生産を行い、地元レストラン・宿泊施設・養護ホーム・産地直売所などに出荷されています。町内でお買い物の際は、ぜひ「生産者」のところにご注目いただけたらと思います。

内浦アグリ様は「能登杜氏のふるさと」と呼ばれる地域にあることが一つの強みです。従業員のなかには、冬期は県外での酒造りに従事する杜氏さんが夏期限定で働くなど、能登杜氏との繋がりが非常に強く、日本酒にも詳しい農家さんです。

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内浦アグリ様と連携が始まったのは、今から十数年ほど前にさかのぼります。
長年、能登杜氏との交流が密であった内浦アグリ様では酒米生産への意欲が徐々に高まっていた時期に、弊社が地元の酒米生産者を探していたことからご縁を頂戴いたしました。
弊社との提携と時を同じくして、優れた現地適応性を持つ石川門の栽培にも着手され、現在に至るまで石川門を納入いただいております。
石川門は米の粒が大きく、石川門で醸したお酒は力強い味わいとしっかりとした旨味が出る特徴があり、石川門のお酒が好きというファンもいらっしゃるほど県内外問わず人気の商品となっています。

内浦アグリ様の水田がある場所は能登の中山間地域に位置して寒暖差があり、稲作にとって恵まれた土地です。
また、中山間地域での稲作というのは目に見えない重要な役割を担っています。雨が降ると、水田に雨水を一時的に貯留して洪水や土砂崩れを防ぎ、山の保全に繋がります。海への栄養分の供給も調整されながら行われていくため、海まで数キロと近く、世界農業遺産に認定された能登の里山里海の恩恵を受けています。

内浦アグリ様の東社長のインタビューを弊社ギャラリーにて視聴できますので、弊社へお越しの際はぜひご覧ください。社長の温かい人柄や能登を想う心にふれていただけましたら幸いです。

■有限会社内浦アグリサービス様HP
http://u-agri.sakura.ne.jp/index.html
お米はもちろんのこと、椎茸やお芋もとても美味しいので、ぜひ竹葉とともにお召し上がりいただけたらと思います。



【北能産業様】

「北能産業株式会社(以下:北能産業)」様は、弊社の仕込み水の取水地と同じ能登町柳田地区で農業を営んでいます。主に、五百万石を栽培していただいております。

清らかな雪解け水をいっぱいに吸い込み、澄み切った空気と朝晩の寒暖差がさらにおいしいお米を育てます。特に柳田地区は、お米が美味しく育つのは必然的と思えるほど自然に恵まれています。
仕込み水の湧き出る環境と限りなく近い風土で育ったお米でお酒を醸す。その地域で、その人にしか作れないお米でお酒を醸す。弊社の目指す“能登のテロワール”をまさに体現しています。

北能産業様との出会いは「能登のお米で造るお酒を増やしたい。同じ町のお米をもっと使っていきたい」という弊社の想いから始まりました。
北能産業様は「土からうまい奥能登」をモットーに、奥能登の自然を敬い、負担をかけずに暮らすという独自の文化と美しい里山里海の風景を守ろうと、地元の農家さんと協力して耕作放棄地に農作物の生産を始めています。「農業は自然豊かな里山のメンテナンスでもある」と北能産業・福池社長はおっしゃいます。

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また北能産業様では、農業以外にも建設土木業やガソリンスタンド経営等といった“暮らし”に関わる事業を展開されています。弊社醤油蔵を移転した際には、廃園となった保育所内のリノベーションを北能産業様にご尽力いただきました。
多岐にわたる事業もすべては“能登のため”に繋がります。自分たちの活動を通して、奥能登での営みそのものが未来へ受け継ぐべき暮らしのかたちなのだと教えてくださいます。

私たち数馬酒造も志同じく、能登の美しい自然と文化を守ることが私たちの使命と考え、持続可能な能登の未来のために行動してまいります。


■北能産業様農産部門HP
http://www.okunomegumi.com/
同社「むらのもちや」さんでは、“おばあちゃん達”の技術と味をもとに、必要最小限の素材で作るお餅やかきもちを販売しています。あわせてご覧ください。
むらのもちや http://murano-mochiya.shop-pro.jp/

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